本日の気になったニュース記事、後で突っ込んで書くかもしれないお題メモ、2021年6月22日
つぶやきだと、数が多すぎて、整理がつかないので、メモ的つぶやきのまとめ、ということで記事にしました。
興味を持っている記事が精神分裂病的だ、というツッコミはなしにして・・・_| ̄|○
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記憶の新たな力 「精神上のタイムトラベル」可能に
各種の研究によると、記憶は一種の「精神上のタイムトラベル」を可能にすることが分かった。これにより、われわれは過去を思い起こすだけでなく、未来をも思い描くことができるのだという。
これらの研究は、記憶の目的がはるかに大きな広がりを持っており、過去の出来事に関する情報を保存したり、思い出したりするのを助けるだけでないことをうかがわせる。
英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)と米ハーバード大学の研究者チームは、われわれが他人の個性的な精神面を描写する際や、その人が将来の社会的状況の中でどう行動するかを想像する際に、われわれの記憶がどう役立っているかを示したという意味で、大きく前進した。同チームは医学誌「Cerebral Cortex(大脳皮質)」に先週掲載された論文の中で、最新の研究結果について説明した。
この研究結果は、高齢者など記憶喪失に悩む人々だけでなく、若者の計画能力や社交能力にも関係する可能性がある。チームは今回の研究結果を踏まえて、過去の出来事を思い出す能力が独創性や想像力と関係しているか否かを調べたいとしている。
ハーバード大学のダニエル・シャクター教授(心理学)は、この研究の主目的が「われわれが記憶をどう使っているかに関する見識を広げる」ことにあると述べた。
今後何が起こる可能性があるかを想像したり、予想したりする能力は、われわれが物事を計画したり、問題を解決したりする上で重要だ。このほか、社会的状況においてより良い判断を下す一助にもなる。研究チームは人の記憶を改善する新たな手法を見つけたいとも考えている。
シャクター博士は「過去の経験を用いて将来の潜在的な出来事を予測すること」により、人々は実際に行動に移さなくても、来たるべき状況への対処法を検討できるようになると指摘する。
一部の人は過去の出来事を思い出したり、将来の出来事を想像したりする能力が生まれつき優れているが、その理由はほとんど分かっていない。
記憶を向上させる、ないし認知能力の衰退を遅らせるとうたっているテクニック、例えば言葉遊びや頭の体操と呼ばれるものの多くは、ワーキングメモリに焦点を置いている。ワーキングメモリはわれわれが常に頭の中に保持している情報だ。それらのテクニックが特定のタスクを完遂する能力を改善する以上のことをしているかについては、証拠はまちまちではっきりしない。
シャクター博士のチームは、記憶全体の向上には焦点を置かず、過去の経験を詳細に思い起こすため的を絞った介入手法(「エピソード的な記憶」として知られる)に的を絞っている。最初の実験は今夏、完了する見込みだという。
過去の経験を思い出すことが精神上のタイムトラベルにとって不可欠かもしれないと研究者たちが最初に思いついたのは、記憶喪失の患者と話した際だった。これらの患者は記憶喪失になっていたほか、今後の物事のプラニング(計画を立てること)にも苦戦しているように見えたからだ。
例えば、シャクター博士と同博士の大学院時代のアドバイザー、エンデル・タルビング氏は1980年代の研究の中で、K.Cさんという名前の記憶喪失患者に翌日何をする予定かを尋ねたが、患者は詳細なことを答えられなかった。患者は「わたしは朝食を取ると思う」といったことを答えたが、何を食べるかや、どこへ行くのかといった詳細については一切答えられなかったという。
2007年、UCLのギャッツビー計算神経科学部門の研究員デミス・ハサビス氏率いる研究チームは、5人の記憶喪失の患者について、想像する能力と将来の出来事を思い描く能力がいずれも悪化したとする論文を米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載した。この発見により、この分野に注目が集まり、より多くの研究が行われた。
若くて健康な成人は、記憶が劣化した高齢者よりも、将来のシナリオを想像するのにはるかに長けていることが示されて以来、科学者たちは多くの研究を実験室で行ってきた。記憶の呼び戻しに問題があることで知られる統合失調症患者もまた、将来を想像するのにトラブルを抱えている。
シャクター博士と同博士のチームの研究によれば、70歳代初めないし中盤の被験者に過去の経験ないし将来の経験の見通しを尋ねたところ、彼らは人物や起こったこと自体をあまり詳細に語らず、意見や反省を多く口にした。
例えば、若い人々に買い物に行った経験を尋ねると、彼らは誰がそこにいて、店がどんな様子だったかを話す。これに対し高齢者たちは、花びんの購入に関心があったと述べ、なぜ花びんが家にあると素敵なのかを語る。
脳イメージング研究によれば、過去の経験を思い起こしているのと同じように、将来を想像するよう人々が求められると、脳の同じ領域(海馬と内側前頭前皮質)の多くの部分が活性化する。これらの部分はまた、加齢につれて変化を示す傾向があるという。
詳細なシミュレーションを働かせる能力は、多くの利用価値があるようだ。それは、異なる可能性をモデル化して計画の作成に貢献する。その際、実際にコミットする必要はないのだ。多くのシナリオを検討することは、われわれにより良い選択肢を提供する。
記憶はまた、誰か他の人が感じているかもしれないことを想像するのに一役買っている。これは「心の理論(他者の心理を行動から想像や理解する能力)」として知られるもので、未知の社会状況の中でどう行動するか決定するのに役立つ。新しい友人グループとパーティーに行ったり、仕事を開始するなどの状況だ。社会的スキルに乏しいことが特色の一つである自閉症患者は、「エピソード的な記憶」に乏しく、他者の反応ないし感情を予期する能力にも乏しい傾向がある。
しかし、誰か他人の脳の中で何が進行しているのかについて想像しようとする際、自分の脳がどのように機能しているかはほとんど知られていない。前出のハサビス博士やシャクター博士らのチームは新たな研究の中でこの問題に取り組んだ。そこで、平均年齢21歳という若くて健康な成人19人の脳をスキャンした。このスキャンの最中に、医師は彼ら被験者に対し、想像人物が登場する4つの短いシーンを思い描くよう求めた。
まず被験者たちは、4つのキャラクターについて、おのおのプロファイル(標準)化した写真と12のステートメントを与えられた。各自のキャラクターはそれぞれ異なる外向性と友好度を持っていた。
そしてしばらく時間をかけて4つのプロファイルに慣れ親しませたあとで、被験者に対して、状況の中で異なるそれぞれの人格を想像するよう求めた。例えば、見知らぬ人がプロファイル上の人物4人に飲み物をこぼした場合、彼ら4人はどう反応するかということだ。
脳スキャンの結果、研究者たちは、異なる個性の特徴を認知する能力は、特定の脳領域でコード化されることを発見した。これは、研究者は、被験者たちがあるシーンを想像している時に脳のどの部分がより活性化しているかをみるだけで、被験者たちが想像している4つのプロファイル上の人物のどれかを突き止めることが出来たことを意味する。
エピソード記憶に係わるシステムが、将来の出来事を想像するために重要な唯一の脳プロセスである公算は小さい。ただしリエ−ジュ大学(ベルギー)の研究者アルノー・ダルジェンボー博士によれば、自伝的な情報のより広い枠組みが、エピソード記憶を含んでおり、こうした出来事の組織化に利用されるのだという。同博士の研究では、自分の個人的なゴールを知っていること(それには記憶も必要だ)は、将来の出来事を想像する際の助けになるもう一つの要因のようだという。
頭の中で出来事をシミュレートする能力は、同時に潜在的な欠点も持っている。それは、われわれが起こりうるあらゆることを予想しない場合、あるいは逆に起こるだろうことを想像したとわれわれが自信過剰になってしまった場合、トラブルにつながりかねない。
将来の結末、とりわけネガティブな結末に対する予想が不得手な場合、それは高齢者がプラニング、つまり計画を立てる能力ないし、他人が自分たちを利用しようとしていると認識する能力を低下させる一因になる可能性がある。シャクター博士は「それは加齢(高齢化)という問題へのアプローチのための異なるレンズを提供している」と述べている。
フランク・ロイドのエッセイ集
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