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タスクリストとログからマニュアルを作ろう
マニュアルの作り方について書いてみます。
いいマニュアルの特徴はいろいろあると思いますが、仕事をするときや作業をするとき、手許にマニュアルがあると作業に無駄がなく、安心感が高まります。今回はその良いマニュアルをどうやって楽につくるか、そのヒントを考えてみます。
段取りとしてのタスクリスト
最初に想定するのは、マニュアルがない状態で新しい仕事に着手するときです。この時に求められるのが、いわゆる段取りです。仕事の段取りとは、はじめから終わりまでおおよその見通しをもって準備することです。
ひとつの仕事について一連の段取りを具体的にまとめるとタスクリストになります。言い換えれば、タスクリストとは、仕事を実際の作業単位に分解して、時系列に並べた計画表です。
タスクリストについては以下の小鳥遊さんの本がわかりやすく参考になります。紙一枚にタスクリストをまとめることで、仕事をこなす方法がまとめられています。
仕事の記録となるロギング
仕事の準備段階でタスクリストを作成することで、見通しをもって仕事に着手できます。しかしタスクリストはあくまで見通しになるため、実際に作業をしていくなかで、予想していなかった追加のタスクや、実務面での注意事項などが浮き彫りになってきます。
そうした時に役立つのがロギング(=記録)です。ロギングとは、自分が今やっている作業内容や作業時に考えた内容・注意点をメモとして残すことです。
ログを残しながら仕事をすることで、いま自分が直面している課題に注意が向き、対処すべき事項とそれに対する自分の考えが明瞭になります。仕事の記録をログとして残すことで、自分の状況を客観的に確認できます。
具体的なログの残し方やロギングの概念については、倉下忠憲さんの本が参考になります。ロギング仕事術の進め方や、後述の残したログの活用法について明解にまとめられています。
タスクリストとログから作るマニュアル
ここまでタスクリストをもとに、ログを残しながら仕事を進めて、いま対象の仕事を完了させました。長くなりましたが、ここからが本題です。
いま完了させた仕事のために使用したタスクリストとログが残っています。このタスクリストとログをもとにマニュアルとしてまとめましょう。
マニュアルとしてまとめるといっても、難しいことはありません。ベースとなるのはタスクリストです。タスクリストのタスクを1単位として、実際に行った作業を振り返りましょう。各タスクに沿って順にまとめることで、仕事全体に対するマニュアルが構築されます。
この時に振り返るポイントとなるのが、ロギングで残したログの内容です。作業時にメモしたログの内容は、マニュアル上の注意ポイントになります。ささいな内容かもしれませんが、マニュアル内にメモとして残っていると、次回以降に役立つことが多いです。
こうして作られたマニュアルは、次回の仕事のときに最初のタスクリストとして機能します。さらにそのタスクリストには、最初から前任者の経験談が反映されいる気の利いた内容になっています。
マニュアルの共有と改善
さらにマニュアルは同僚や部署内で共有しておきましょう。よいマニュアルがひとつあるだけで、仕事の引き継ぎはもちろん、一部作業を割り振るときにも説明を簡潔に済ませられます。
また次回の仕事の時に、マニュアルをもとに仕事を進めつつ、さらなるポイントや注意点をマニュアルに追記していくことで、マニュアルの内容は改善されていきます。そして長いスパンでみれば、マニュアルの改善は仕事に対する生産性の改善にも寄与します。
仕事がおわった直後にマニュアルとしてまとめるのは面倒な作業です。しかしそのひと手間を惜しまないことが、結果として次の仕事を楽に早くこなす秘訣になります。最初のひとの産みの苦しみはありますが、タスクリストとログを活用して、ぜひマニュアルをまとめてみてください。
いま残したマニュアルに対して、将来の自分や同僚から感謝されるときがきっと来るでしょう。