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キュンタうちわ ー新潮文庫の100冊のおまけー

どの本を買った時にもらったのかわからないが、プラスチック製のうちわ型しおりが、この夏の間、手元にあった。「新潮文庫の100冊」のキャンペーンとして配っていたものらしい。

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正確には「キュンタうちわ しおり」というらしい。幅8cmぐらいの小さなうちわである。うちわとして使えるギリギリの厚み(硬さ)があり、実際に使える。もちろん少しの風ではあるが、夏の暑い時期には涼を求めて、煽ぎながら本を読んでいた。

もともと新潮文庫にはスピンが付いていて、しおりは不要といえば不要である。しかも私はノベルティやオマケが嫌いである。何かのついでに付いてくるもので、その人が使うか使わないかを無視して配布される。こういったものは、使われることなく捨てられる、使ってもすぐダメになる、大事にされないといった無駄なモノになる可能性が高いと思うからである。ノベルティを無闇に配ることは、プロモーション上必要なことかもしれないが、資源、気候変動のことを考えると無駄な行動だと思う。

しかし、今回のキュンタうちわは使う気になり、実際に愛用している。

実は、新潮文庫を買った時、店員さんがうちわを本に挟んで渡してくれたので、キュンタうちわが挟んであることに気づかずに家に帰った。もし、店員さんが、うちわを挟まず、「どうぞ」と手渡ししてくれていたら、丁重にお断りしていたと思う。

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偶然、ノベルティをもらったかたちで家に帰り、本を開いてはじめてキュンタうちわを発見した。一瞬、なんだこれはと思ったが、すぐに、うちわであり、しおりであることが理解できた。しおり兼うちわとは、夏の読書のために良いものをもらったと思い、それから使い続けている。ひと夏超えても、まだまだ使える。

今年の夏もとにかく暑かった。片手で持つハンディ扇風機だけでなく、ヘッドホンのようなタイプを肩にかけている人が道ゆく風景も珍しくなくなった。作業服に扇風機が付いていて体を膨らませた工事現場の人もよく見かける。

本を読むのは、屋外のような酷い暑さの場所ではないけれど、今年はいろんなところでキュンタうちわをゆらゆらとさせながら読書をした。本の世界、読書の空間により浸れる気がした。

読者の行動を考え、使うものを考え、きちんと使用に耐える仕様で配られたキュンタうちわは、ノベルティ、オマケ類の中で、群を抜いてお気に入りにである。新潮文庫さん、ありがとう。

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なにやらキャンペーンをやっていたようだが、気づいた時には申し込み期間を過ぎていた。しかし、純金のしおりが当たるというのはどうなんでしょう?

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