中島敦「山月記」 自尊心とか羞恥心とか
数年ぶりに山月記を読んだ。
出会いは私が小学生の頃。同じ町出身で、京都大学を出て、大阪の大きな会社に勤めている、当時30歳ぐらいの人が、ウチに遊びにきた。遊びに来たと言っても、私の父と2人、居酒屋で飲んで、大虎となってウチに来たのである。(今思うと実に山月記である。)その京大卒が、酔っ払いながら、日本語ではないような、でも中国語でもなさそうな言葉で、詩のようなものを私に向かって暗唱し始めた。何を暗唱してるのかきいたところ、「中島敦の山月記を知らんのか!」と怒られた。当時、私