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22/10/01 照井利幸「独響 Sound of Silence 」
一昨日は仕事後、照井利幸「独響 Sound of Silence 」
を観に葉山のDays386へ。
たった1本のエレキギターから、全部違う楽器なんじゃないかと思うような質感の異なる音色が生まれていく。 寡黙に演奏に徹する姿に確かに感じる迸る情熱。やがて収録したものと思われる街の雑踏の音がかかると、お店の外の雑踏音も混ざりだして現実と音楽の境目が曖昧になる。その曖昧さも心地よくて、「これうるさいよね」と本人がつぶやいて思わず笑いを誘った、ご自身の座る古い椅子の軋む音さえ紡がれゆく音楽の一部になっていたような気がした。
照井利幸ソロはもう10年近く観ているけど、
ブルースハープを吹く照井さんを観たのは本当に久々か、もしかすると初めてかもしれない。絹のように柔らかく、湧水のように澄んで、野生の獣が獲物を狙う鋭さも感じる…他の誰かでは観た事も聴いた事もない音だった。
初期Signalsの大好きな曲も聴けて久々に身体を揺らす感覚が懐かしかった。
あっという間だと感じたのに30分くらい経っていたり、時間が物凄く経ったような大きなうねりを感じたのに全然時間が経過していなかったり…自分が目の前で観ているのは照井さんが楽器を演奏している姿なのに、まるで白いキャンバスにいくつもの絵を描かれているのを観るような不思議な感覚になった。演奏を終えて立ち去る姿に、なんとなく最近観たゴッホの「麦刈る人のいるサン=ポール病院裏の麦畑」が重なったのは、あながち気のせいでもないかもしれない。 絵画のようでもあり、映画のようでもあり、でもそれは確かに音楽だった。
Days386は平成最後に照井さんを観た場所でもあり、この建物の佇まいがとても好き。 2年以上経ってあの頃とは変わった世の中の流れの中、変わらずに深く鋭くあり続ける照井さんを観て、自分も同じ表現者として、何が大切な事なのか…それを再確認した夜だった。
お店のハンバーガーも自家製ジンジャーエールも美味しかったな。
今度は喫茶で来よう。
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