2021年10月以降公開の映画、おすすめ原作を集めてみました【読書案内】

こんにちは、miharuです。

映画の原作読むか読まないか論争を以前しましたが(まだ記事を読んでいない方はこちらから!)、

今年の下半期も観たい映画たくさんありましたので、取り敢えず私は原作を読んでおります。もう既に読んでいたものも再読したり。映画公開が楽しみになるね、えへへ。


ということで、ぜひ読んでほしい映画原作を選びました!早速参りましょう!



1.中山七里『護られなかった者たちへ』

10月1日公開、佐藤健さん主演映画の原作です。阿部寛さん、清原果那さんなど豪華キャストが出演しています。著者の中山七里さんは、『さよならドビュッシー』や『ヒポクラテスの誓い』などでお馴染み。

長編ミステリーですが「生活保護」という社会問題に焦点を当てており、深く考えさせられる作品でもあります。

東日本大震災後、復興を辿るなかで起こった連続“餓死”事件。仙台の福祉保険事務所で働く三雲忠勝が、両手足と口の自由が利かない状態で餓死した遺体として発見されるところから話は始まります。

誰に事情聴取をしても三雲に向けられる憎悪や疑惑は一切出てこない。それほど慕われた人物がなぜ異常な最期を遂げたのか、捜査は難航します。そうこうしているうちに2人目の犠牲者が出てしまうのです・・・

誰も間違っていないことがこの話の最もつらいところ。「本当に護るべき人」とは一体誰なのでしょうか。映画の予告編からも伝わる緊迫感、おすすめしたい一作です。



2.司馬遼太郎『燃えよ剣』

ドラマ化もされた『燃えよ剣』がついに映画化!岡田准一さんが土方歳三役を演じ、他にも柴咲コウさんや鈴木亮平さんも出演しています。10月15日公開。

歴史小説になかなか挑戦できていない方にぜひ読んでもらいたい一冊。上下巻あるので少し長いのですが、下巻が特に面白いんです。

土方歳三、という名前を聞いてどんな印象を思い浮かべますか?強くてかっこいい、幕末史を代表する人物、もう少し歴史をかじっている人は、恐れ知らずで周りからも一目置かれる存在、新選組の副局長、などというイメージをお持ちかもしれません。

この本では、土方歳三の人間味あふれる姿が多く垣間見ることができます。ラストシーンは涙すること間違いなし。

因みに、私が歴史小説を好きになったきっかけが司馬先生。ほかの作品も素晴らしい。



3.綿矢りさ『ひらいて』

10月22日公開、山田杏奈さん主演の『ひらいて』の原作です。芋生悠さん、作間龍斗さん(HiHi Jets)も出演。綿矢りささんといえば、『蹴りたい背中』『勝手にふるえてろ』などが代表作。

綿矢さん、小学校のころからファンなこともあり、個人的には途轍もなく楽しみな作品。あの歪んだ愛の心がどう描かれているのか、予告編を見て今からわくわくしています。

「たとえが好き」。クラスメイトの男の子、たとえに恋をする主人公の愛。けれど、たとえには美雪という彼女がいました。

ここまではよくある恋愛シチュエーション。しかし、ここから愛の行動は常軌を逸していきます。たとえの彼女である美雪に近づき、仲良くなり、キスをして、一緒に「寝る」・・・このことを知ったたとえの行動は。そして、愛と美雪はどんな結末を辿っていくのでしょうか。

その行動一つ一つに込められたのは、憎悪なのか、哀しみなのか、辛さなのか。そしてそれらに儚さを感じるのは、彼らの若さゆえなのか。

「どうしてこんなことしちゃうの・・・!」と理解できなくなる場面も少なくないのですが、愛が抱く感情と突発的な行動の危うさにどこか惹かれてしまうのです。気づけば一気読み間違いなし。



4.瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

昨年話題になった名作『そして、バトンは渡された』が映画化。10月29日公開で、永野芽郁さん、田中圭さん、石原さとみさんが出演します。

この原作、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。そういえば私の祖母はこの本きっかけで読書に目覚めましたね。愛しいばあちゃんや。

「私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。」

この文章だけ見ると、どこかワケありな家族像を描き、何か闇があるんじゃないかと感じる人もいるかもしれません。実際、主人公の優子は親が変わるたびに苗字も4回変わっており、「普通」の家族とは確かに少し異なります。

それでも、それぞれの父母は優子に代わらぬ愛情を注ぎ、優子もその愛をひしと受け止めるのです。各々の正義や善意が時には仇となり、すれ違い、溝を生む。それは最も身近な存在ともいえる「家族」の間でももちろん起きますし、家族だからこそ、時には分かり合えないもどかしさが増幅することもあるでしょう。

「家族」という関係、かたちについて、この機会に考えてみてはいかがでしょう。あたたかく、ほっとする物語が好きな方にもおすすめです。

映画では彼らの関係性がどのように描かれるのか、予告編だけではなかなか読めなかったので、本編に期待しておきます。



5.浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』

12月3日に公開が決まった『彼女が好きなものは』の原作。主演は神尾風珠さん、山田杏奈さん。コミック版も読んだのですが、今回は小説をご紹介。

BL好きな三浦紗枝は本屋で偶然、クラスメイトの安藤純にBL漫画を買う姿を目撃されます。「誰にも言わないでほしい」という紗枝の必死な願いを聞き入れた純、彼は自身が同性愛者ということを隠して過ごしていました。

「普通」の恋愛をし、家庭を築くことを夢見る純、純の秘密を知らないまま、次第に彼に好意を寄せていく紗枝。「自分が理解できるように世界を簡単にしてしまう」社会のなかで、彼らの関係性の変化と心の揺れ動きに胸が締め付けられます。

純を取り巻く人々にも注目です。純と体の関係を持つマコトさん、レズビアンのケイトさん、ネットで通じ合った青年ミスター・ファーレンハイト。幼馴染の亮平やクラスメイトの小野など、それぞれの価値観がもつれ合い、それでも最後には向き合おうとする姿勢に涙しました。

主人公は高校生ですが、社会人の皆さんにもぜひ読んでもらいたい一作。それぐらい、深くて哀しくて、愛おしいお話です。



読みたい本、観たい映画は見つかったでしょうか?

まだ書きたい作品がいくつかあるので、第二弾もそのうち・・・


それではまた!

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