【7週目】石田さんの、しもかわ町お試し暮らし日記
石田さんは、50代後半の好奇心旺盛なおじさん。
ずっと夢見ていた北海道移住を決意して、東京で長年勤めていた職場を前年度末で早期退職。2022年4月から移住先を探すべく、おひとりで下川町でお試し暮らしを始めました。徒歩と自転車で生活中。
下川町で1ヶ月の暮らしを終え、追加でもう1ヶ月間滞在することに。
長く滞在するからこそ、何を感じ、この先どのような道を進んでいくのでしょうか?リアルな日記を発信してくれます!
これまでの日記や、ご本人が「お試し」の間に知りたいことなど、詳しくはこちらをご覧ください。
下川町や北海道に移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。6月の上旬は東京に戻っており、下川に帰ってきてからの続きになります。(詳しくは5週目の記事参照)
以下、石田さんご本人が書いてくれている日記です。
6月18日(土)
昨日の歯医者さんに処方して頂いたお薬が効いたみたいで朝食に楽しみにしていたjojoniさんのパンもしっかり噛みしめて食べることができました。
jojoniさんのブリオッシュは昨日よりも皮は少し固く感じましたが、中はしっとりしていて小麦の香りが楽しめました。説明書を読んでみると少し蒸してからトースターで焼くとまた美味しくなるそうなのわでそれも試してみたいと思います。結構大きいので2~3日は食べられそうです。
昨日は午後から町の建設水道課の方にお願いして町の公営住宅を何件か案内して頂けることになりました。下川町に移住したくても住まいが見つけられないと困ってしまいます。住宅もいろいろありますから公営住宅がいいのか中古の住宅を購入した方がいいのか実のところまだ何も決まっていません。
下川町の移住交流サポートBOOKには移住まてのステップとして以下のように記載されています。
若干順番は前後しましたが順調に(?)①→④に進んで移住先として下川町を選んだので今度は住まいさがしになりますね😃
今回案内して頂けたのは向陽団地と日昇団地、どちらも平成10年代に建設された団地ですがとてもきれいです。
広さも80㎡くらいあって住み心地はとても良さそうです。ただし、向陽団地は既に入居者が決まっていて、日昇団地は現在修繕中たったのですぐに申し込みはできませんでした。
また、申し込みにはいくつか必要書類があるため滞在中に申し込みをすることは無理なようでした。これから空き家バンクとかも活用しながら住まいさがしにも動きたいと考えています。
それと平行して東京の住まいも分譲マンションを購入しているので売却等の処分をしないと移住できないので東京と下川町の両方での住まいについて動いていくことになりそうです。
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6月19日(日)
昨夜、下川町の恵林館では地域おこし協力隊として活動している安部さんが先月の「バグダッドカフェ」に引き続いて「Sweet Thing」という映画を上映してくれました。
今月の上映会は6月17日(金)と18日(土)で両日とも19時からの上映です。今回は2日目に行きました。
Sweet Thingという映画は2020年の第70回ベルリン国際映画祭でジェネレーション部門の最優秀作品賞を受賞した作品です。
作品はファンタジー映画で、アメリカのマサチューセッツ州に暮らす15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコが主人公。一緒に暮らす父アダムは普段は優しいものの、酒のトラブルが尽きず、ある日ついに強制入院をさせられることになってしまう。他に身寄りのない姉弟は家を出ていった母のイヴの元を目指すが、、、というストーリーです。
2日目ということもあるのか会場には20人くらいの町民の方々が来られていましたが皆さん楽しまれていらっしゃいました。
お試し暮らし中に顔見知りになった方も5~6人いらっしゃってお話しもできて僕も楽しいひとときを過ごすことができました。
今日は久々に予定がない日曜日です。天気予報では午後から☂️マークが付いているので、午前中のうちにお馴染みの自転車で五味温泉に向かいたいと思います。
往路は向かい風でしたが、それでも30分程で到着できました。約2時間ゆっくりと温泉を楽しみ、そろそろ町に戻ろうとしたら何と雨が降り出してきてしまいました。予報よりもかなり早く降り出しました。濡れて帰れるような雨でもないので少し雨やどりになりました。
小一時間程で雨が上がり、晴れ間が出てきたのですかさず町へ戻ります。でも、雨やどり中に昼ご飯を食べてなかったので急激にお腹が空いてきてしまいました。日曜日なのでお休みのお店もありますがモレーナは開いているのを思い出し行ってみることにしました。
15時前にモレーナに到着です。お店に入ったら昨日の映画を上映してくれた安部さんや、この前一の橋まで自転車で出かけたりんりん倶楽部のメンバーとばったり会うことができました。
そういえば安部さんとは今まで挨拶できていなかったのでここでご挨拶することができました。モレーナでは結構な確率で知り合えた方との再会がありますね。
今日も玉ねぎとひき肉のカレーとアイスコーヒーを頂いて少し遅めの昼食にありつくことができました。
モレーナで昼食中にも雷が鳴り、雨が降りました。今日は天候が荒れている1日です。ただ、今日の雨はすぐに上がるので雨が上がるのを待って帰りました。
モレーナのマリオ🐶は雷が嫌いなようで店内のテーブルの下に隠れて出てきてくれませんでした~(笑)
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6月20日(月)
昨晩から今朝にかけて下川は雷鳴がとどろき、一時どしゃ降りのような雨も降りました。そのため今日予定していたべぇやんの川遊びは中止になりました。
川は雨が降っている時よりも、止んでからの方が増水したりするそうです。そのため朝晴れていても油断して川に入るのは危険だと教えてもらいました。
予定がなくなってしまったので、以前ヤスさんから聞いていた幌加内町にある「道の駅 森と湖の里 ほろかない」まで日帰りで出かけてみることにしました。
ここの道の駅には「幌加内せいわ温泉ルオント」という温泉施設も併設されていて、また、幌加内といえば日本で屈指のそばの産地。温泉とそばが好きな僕には一石三鳥くらいのたまらない場所です。
昨晩調べたところ、温泉の休館日は毎週水曜日、交通機関は名寄駅から旧深名線の代替バスが平日ならば名寄駅8:53発のバスがあり、幌加内の5つ手前にルオント前というバス停があることがわかったので行けそうです。
名寄からのバスに合わせ下川8:05発のバスに乗ります。発車と同時に雨が降りだしますが、名寄市に入ったら止んでいるので下川は今日も雨が降りやすいようですね。
名寄での乗り継ぎも20分なのでまずまずです。ここから約1時間30分でルオント前に到着です。途中ほとんど山間を走行しますが、名寄市と幌加内町の境界や朱鞠内湖畔などは景色が綺麗です。
道の駅に到着したらまず目に飛び込んできたのがソフトクリームののぼり旗。どうやら熊笹のソフトクリームが名物のようなので早速食べてみます。
緑色のソフトクリームはあまり見慣れませんがわずかに笹の香りがしてさっぱりとした後口が美味しかったです🍦
そして温泉は北海道百名山の一つ「三頭山」の麓に湧き出るナトリウム塩化物泉。この泉質は湯冷めしにくいため熱の湯と呼ばれているようです。
露天風呂は十和田石が使われていて豪華な雰囲気です。真冬には雪深い特徴を活かした豪雪露天風呂が楽しめるようなので是非とも真冬にも来てみたいと思います。
そして、お楽しみの昼食は迷うことなく幌加内そばです。同じ建物内のSoba Dining そばの里で冷たいそばのおろしそばを大盛りで頂きました。おろし以外にも薬味もあり歯ごたえもあってとても満足できました。
帰りのバスまでは約2時間30分ありましたので温泉もそばもソフトクリームもお土産を見ることもできたので日帰りでも十分楽しむことができました。
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6月21日(火)
滞在しているヨックルにいられるのも今日を入れてあと4日になりました。25日(土)にはチェックアウトになります。
住まい探しも続けていますが、現状ではそんなには簡単なことではありません。今週末まで探しても見つからない場合は一旦東京に戻って引き続き家探しを続けたいと思います。
そんな時にタウンプロモーションのスタッフの方からLINEを頂きました。空き家担当の方からお見せしたい物件があるので見てみませんか?と連絡を頂きましたので説明を聞かせてもらうことにしました。
午後にコモレビに伺ってみたら先週キャンプ場で夕御飯をご一緒された方が道内を回られて戻って来ていらっしゃいました。
少しお話しをお聞きしてみたらどうやら下川町を気に入られたらしく、その方は町中からは少し離れた場所の公営住宅を気に入られたようでした。
空き家担当の方にお話しを伺ったところご紹介頂ける物件は町中の中古住宅でした。1LDKで少し小さめのようです。
現在の東京のマンションは3LDKで家具もそこそこあるので引っ越せるかはわかりませんがとりあえず明日一度内覧させて頂けることになりました。
いろいろなチャンスを生かしていかないと前には進まないと思うので一つ一つやっていこうと思います。
そして今日はしばらくお休みしていた矢内菓子舗の営業再開日です。先日のjojoniさんのパンとは違い惣菜パンも沢山あるので寄ってみました。
1週間お休みしていたので待ちかねていらっしゃったお客様も沢山いらしたと思いますし、午後なのでラインナップは少なめでしたが生クリームあんパンとハムピザを購入できました。明日の朝食が楽しみになりました。
せっかく矢内菓子舗まで出かけたので近くのヨナタンストアーと下川神社⛩にも行ってみることにしました。
ヨナタンストアーは謎が多いお店でいつ開いているのかもちょっとつかみにくいんですが、場所はわかっているので営業中を期待して出かけます。
青いそりが出ていたら営業中なんですが、、、残念ながら今日はお休みのようです(涙)
そのため近くの下川神社⛩で住まい探しがうまくいくようにお参りしてヨックルに戻ってきました。
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6月22日(水)
たっぷりと楽しめると思っていた下川町でのお試し暮らしも残り3日、カウントダウンが始まった気分です。
そんななかで今日は空き家担当の方がお声掛け下さり中古住宅の内覧ができることになりました。
場所は下川町の一等地と言っても過言ではない国道沿いで、お隣がnicot、Qマートも至近距離という便利さです。
内覧に備えて現在の自分の東京のマンションにある家具等を洗い出してみました。
大まかなものでもかなりあることがわかりました。これ以外にもCDやレコード等のソフトウェアもあるのである程度の広さは必要だと思います。
それと北海道で暮らすなら以前から抱いていた大きいダイニングテーブルを使いたいという夢もあります。果たしてこれらの思いが叶うのでしょうか?
9:30に売主さんと現地で待ち合わせです。担当の方からの情報では敷地面積は370㎡、延床面積は46.98㎡、間取りは1LDKです。平成11年築なので中古住宅としては新しい方だと思いました。
室内もきれいでお風呂もユニットバス、トイレも水洗でウォッシュレットも完備です。8畳間の和室と12畳くらいの広さがあるLDKでした。石油ストーブとエアコンも設置済で特に手直しの必要がないくらいの物件です。
家の前も広々としていて車が3台くらいは置けそうでした。裏には庭があり畑をやることもできそうです。
ただ、自分の家具等を考えるとどうやっても置ききれず、物件としては申し分ありませんが、荷物を整理しないといけないという条件がついてしまいました。
広さも東京のマンションよりも狭いので可能であれば同じくらいの広さの住宅を探したいというのが正直な気持ちでした。
内覧後に担当者の方が今まで取引が成立した物件をいくつか車で回って頂き、今後中古として出される予備軍の住宅とかも見ることができました。
やはり物が物だけにタイミングもあると思いますので今回内覧した物件は見送り次のチャンスに備えることにしました。
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6月23日(木)
残り2日となりました。明日は荷物の片付けや滞在先のヨックルの掃除等もあるので何か動けるのは今日が最後になりました。
旅行で北海道に来ると車が利用できないと移動手段としては鉄道とバスを利用することになります。
今回も下川と名寄の往復については毎回路線バスを利用してきましたが、鉄道に乗れる機会があまりなかったので今日は朝から宗谷本線を利用して乗り鉄をしてみることにしまた。
本当なら稚内まで行きたいところなんですが、宗谷本線はここ何年かで駅が廃止されたり、列車の運行本数も少なくなってしまいました。
特急列車を利用すれば名寄と稚内を往復することも可能ですが、鈍行列車で往復しようとすると名寄駅を8時前に出発する始発の鈍行列車で出発しても日帰りはできなくなってしまいました。
仕方ないので今日は名寄と旭川の往復を鈍行列車を利用して出かけたいと思います。旭川と名寄の間なら1日12往復の列車がありますし、路線バスもあるので往路は列車、復路はバスで帰ってくるということもできます。
今回は鉄道旅をしたいので往復とも列車です。
名寄駅10:00発の快速なよろ4号に乗車しました。宗谷本線も最近は新しい車両が増えてきましたが、今日の車両は懐かしいキハ54形です。
固定されたシートに扇風機が付いている非冷房車両です。窓が開けられるのでディーゼルエンジンの音やにおいもして一層旅を感じられました。旭川駅には11:29着。
旭川での用事はないので急げば11:30発の名寄行でとんぼ返りもできますが、いくらなんでも旭川駅滞在時間1分は短いので約1時間後の旭川駅12:33発の名寄行普通列車で戻ります。
約1時間をKIOSKを見たりセブンイレブンで飲み物を購入してすごします。12:25に帰りの列車が入線してきました。
残念ながら最新型のH100形でしたが乗り心地はいいので再び乗車します。帰りは普通列車なので往路は停車しなかった駅にも停車します。
各駅に停車しながら名寄駅には13:55に到着です。
往復約3時間、鈍行列車でのゆったりした北海道の旅はくつろぎの旅になりました。鉄道好きにとってはとても楽しいひとときとなりました。
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6月24日(金)
2か月にわたり行ってきた北海道下川町でのお試し暮らしも今日が最終日となりました。
最初、縁もゆかりもなかった下川町でどうなるものか不安もありましたが、タウンプロモーション推進部の皆さんの温かい支援や、たくさんの親切な町民の皆さんに支えられ、とても楽しく有意義なお試し暮らしを体験することができました。
そして自分の中で描いてきた北海道での暮らしが下川町でなら実現できると思えるようになれたのも大きな収穫です。
実際に移住するためには住宅の確保をはじめとして、もっと地域に馴染んでいくことも必要で、場合によってはアルバイトとかも経験しながらもっと積極的に溶け込んでいくことも必要ではないかと思っています。
今回のお試し暮らしは、4月25日からというどちらかといえば暮らしやすい時期での実施でした。
雪の季節の北海道の暮らしは簡単なものではないかもしれませんが、それでも北海道で暮らす多くの道民や、下川町の皆さんは厳しい環境の中でも生き生きとそして楽しみながら暮らしていらっしゃいますし、タノシモカフェ等でもお聞きしてきましたが「冬は一度経験すば慣れる」という言葉を糧として自分もやってみたいと思えるようになりました。
まだまだ移住してくるまでにはいくつかのハードルを越えなければいけませんが自分として一つずつ判断をして実現に向けて進んでいきたいと思います。
今回7週間もの間このような日記を書けたことは僕にとっては画期的なことでしたが、日記を書くことで自分のモチベーションが上がったり、後から見返しできることが結構役に立つこともありました。
移住を検討されていたり、興味を持たれていらっしゃる皆さまにとって少しでも一例としてもらえたら幸いです。
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これまでのお試し暮らし日記はこちら