音楽も仕事もご縁を大切に、気づいたら15年|しもかわ人名鑑
今回は下川でのリアルな暮らしぶりを町内の方にお話ししていただく、しもかわ人名鑑。今月は中古住宅や土地の売買を仲介する空き家事業からギター演奏まで幅広く活躍する徳間和彦さんです。
(取材日:2022年4月)
仕事でもつながりを感じる町
下川にはもともと縁もゆかりもなくてね。今の仕事の面接時に初めて来たんです。
気づいたら15年経ってました。
起業や新規事業の立ち上げのお手伝いをする組織で、僕は町からの委託業務を受けて調査業務などを担当することが多かったかな。
ちょうど下川町が環境未来都市を目指していた頃で、徹夜もするくらいたくさん仕事がありました。
下川での仕事は、人とのつながりを感じることも多いです。
小さい町だからか、掛け持ちで仕事をやっている人がたくさんいますね。
なにか物事を進める時に「以前はありがとうございました。またお願いします!」って違う案件でも繋がりを活かせるんです。
一生に一度の家探しのお手伝い
5年ほど前からは流動化していない空き家を売却に出してもらい、買い手に繋ぐという空き家事業に携わっています。
これまで関わってきた仕事とは違う業種だったので、最初は建築のことも不動産のこともわからなくて。
どうやって人と人との折り合いをつけるかが空き家事業の鍵なので、これまでなんとかやってこれました。
買う人にとって、家を買うことは一生に一度かもしれないからね。
売る人にとっても思い入れのある家だから、お互いが納得して契約できた時には、とてもやりがいを感じます。
下川って全国や北海道の平均より新築の割合が少ないんですよ。昭和くらいに建てた物件が多いというか。
だからこれからの空き家事業は質の良い家をどれくらい流動化できるかが鍵だと思っています。
これから中古の家を買う方は、高くても、築年数が浅い家をおすすめしています。
10年〜20年で断熱性能が進化してるから、壁の中・窓の厚みなど全然違うんです。
下川町くらい寒い地域だと暖房費もかかるし、大事なことですね。
コロナ禍で始めたリモート演奏と動画編集
高校で始めたギターは、生まれの釧路でも、学生・社会人の東京でも、下川に来てからも、ずっと音楽仲間に恵まれて続けています。
これまでは札幌や旭川に呼んでもらって演奏していたのですが、コロナ禍以降は仲間と自宅からリモートセッションをしています。
リモートで各自が撮影する時ってたくさん編集が必要なんですよ。
まず曲の構成を考えて完成イメージのデモ音源を作成します。その音楽に合わせて一人一人演奏と撮影するんです。
集めた音源をバランスが良くなるようそれぞれ編集して、その後音と演奏している動画を繋ぎ合わせる動画編集を行なって、やっと1つの動画になります。
それらの編集は僕がコツコツと行なっています。
根気がいる作業ですけど、完成した時にはやっぱり達成感がありますね。
動画はYoutubeで公開しているのですが、多いものは1万回近く再生されたものもあるんです。
外国の方からのコメントもたくさんいただいて、世界は繋がっていると感じますね。
地域×音楽で豊かな時間を提供
ギター演奏をやっていることは最初黙ってたんですけどね、いつの間にか町内の人にバレちゃいました。
音楽をやってるならと「バイオマスライブ」というBDFという自然に優しい軽油代替燃料を使った啓発的なライブも任せてもらって。
小さな地域だからか運営側としても声をかけてもらいました。演奏はやるけど企画は素人なのにね。
バイオマスライブは、エゾカップというチェーンソーアーティストの世界大会の裏で開催していたんですが、どちらも森林とか環境に繋がることですよね。
一緒にやりたいねって話が出て、雑貨マーケットなども合わせた「森ジャム」というイベントになりました。
実は森ジャムの初代実行委員長も任せていただいたんですよ。
そのほかにも、下川の冬のお祭り「アイスキャンドルミュージアム」などのイベントでも演奏しました。
当時は音楽を聴きながら食事ができるような空間って画期的でね。
町民の皆さんにも豊かな時間を提供できたのかなと思います。
お客さんからかけていただく「最高でした」の声がとても嬉しくて、これが音楽演奏の醍醐味だと感じています。