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誰かの労いになる一杯を届けたい
下川でのリアルな暮らしぶりを町内の方にお話ししていただくコーナー。今月は起業型地域おこし協力隊「シモカワベアーズ」として移住し、ブルワリーを開業した中村隆史さんです。
私は札幌出身で、もともとは半導体エンジニアとして働いていました。
市街地から離れた場所で、家庭菜園をしていたこともあり、いつかは会社員を辞めて農業をやろうと考えていて。
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新型コロナウイルスが流行り始めたのをきっかけに、本格的に移住先を探し始めました。
新規就農の相談に乗ってくれるところに話を聞きに行く中で、下川町を知りました。ただ、年齢的にもハードルが高いことが分かってきて、六次化も考慮しながら農業以外にも視野を広げて、地域探しを続行していたんです。
それ以前に、すでにオンラインで下川町の移住相談をしていて、当時は決めきれなかったのですが、地域おこし協力隊の枠組みを使って起業できる「しもかわベアーズ」の存在を知りました。
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すでに起業して活躍していた塚本あずささんなどの活動を教えていただいて「いいな」と。起業する上でブルワリーを選んだのは、夫婦でお酒を飲むのが好きだったから。
エンジニアだったこともあり、ものづくりが好きで、お酒を造る人への憧れもあったんです。2021年の夏に、初めて下川町に下見に来ました。
徒歩圏内に、役場や飲食店、病院や郵便局などがあって、飲んだあと歩いて家に帰れるコンパクトさがいいなと思いました。
2021年度採用のベアーズの選考を終え、札幌から引っ越したら、いろんなことが転がるように進んで行きました。
地域の素材でお酒を造りたいとは思っていたので、その素材を集めるために町内の方を紹介していただいたり、お酒を造る工房と店舗を構える物件を探したり。
物件については、地域の方が私たちが移住してきたことを知り、オーナーさんに話を繋いでくれました。
2023年4月には「合同会社しもかわ森のブルワリー」を設立して、2023年9月に直営店の「ビアスタンドエール」をオープンしました。
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数あるお酒の中でもビールを造ることにしたのは、手軽に飲めるから。札幌に住んでいた時、仕事帰りに一杯飲んで帰るのが至福のひとときだったんです。
あの心地よさを、私たちが造るビールでも生み出せたらと思いました。先日、一周年イベントも開催し、多くの方々が駆けつけてくださって、嬉しかったですね。
店名の由来は、農家さんが作ってくれたものへのエールを送れるビールを生み出したいという思いから名付けています。
店舗をオープンするまでにも、たくさんの方に応援していただいたので、それに応えられるビールを提供したいという思いも込めました。
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今後は、ビールの製造過程で出る麦芽粕を利活用したり、ホップを自家栽培したりしたいですね。
下川町が60年以上続けてきた循環型森林経営の考え方にも共感して移住を決めた部分もあるので、町が進めてきた取り組みに学びながら、今後は循環するビール造りにも着手したいと思っています。
Interview:立花 実咲