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東京だったらなんでもあるけど、下川では欲しいものを自分で生み出してる|しもかわ人名鑑
こんにちは!今回は下川でのリアルな暮らしぶりを町内の方にお話ししていただく、しもかわ人名鑑。今月は子育てや家事の合間に消しゴムはんこを作り、下川の暮らしを楽しむ高松慧(けい)さんです。
(取材日:2022年4月)
慧さんが作っている消しゴムはんこは下記よりご覧・ご購入いただけます!
名前も知らない下川へ移住
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旭川市の隣りの東川町出身なんですが、実家に住んでいた頃はおしゃれなカフェなどは数えるくらいしかなくて、人がたくさん来るような地域ではなかったんです。
憧れもあって東京で就職しましたが、朝から仕事して帰るのは夜8時くらい。目が回るような生活でしたね。
充実していましたが、忙しい日々を繰り返すうちに「このままの生活じゃ、ダメだな」とも思うようになって。
今後の人生を想像した時に、子育ては地元の北海道でしたいと結婚する前から夫に相談していました。
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そしたら、結婚が決まったあとに「北海道で働くことになるかも」と、知らない間に夫が仕事を見つけてきて。
隣町の名寄市は知ってたんですけど「下川ってどこ?」って感じでしたね。
正式に転職が決まり、結婚して、仕事を辞めて、ぽんと移住してきました。
東京の感覚に慣れきっていて、なんの心構えもなく移住してきたので、正直慣れるまでは時間がかかりましたね。
消しゴムはんこは暮らしのモチベーション
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少し働いたりもしたのですが、下川に暮らし始めてそこそこに子どもを授かって。
子どもが生まれた少し後くらいだったかな。タウンプロモーション推進部で移住サポートをしているゆみこさんに『森のてしごとや』という手作り作家さんたちのグループに声をかけてもらいました。
私にできる手仕事ってなんだろうって考えて、東京生活時代に職場で使うために作っていた消しゴムはんこを、本格的にもう1回始めることにしました。
最初はやっぱり全然上手くできないので、子供が寝たあとやちょっとした隙間時間に、何百個も作って何百個も捨てるほど練習しましたね。
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私自身、『森のてしごとや』の世界に一つしかないかわいい作品を見ているだけでワクワクするので、イベントが開かれるのがすごく楽しみなんです。
だから私も日々隙間時間を見つけて、ちょっとずつ消しゴムはんこを作ることが趣味になりました。
今こっちにきてからやりがいあるのは、そのおかげですね。
東京ではいただいたお給料をその月に使ってしまうくらい浪費家で、ウィンドウショッピングなども好きでした。
でも下川に来てからはそういう場所がないでしょ。
東京だったらなんでもあるから自分で作らなくても手に入るけど、ここでは自分で生み出すしかないなって。
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もともと育児と家事だけだとメリハリがないというか、他に没頭できるものが欲しいなと思っていたので、暮らしの中で、消しゴムはんこは私の一つのモチベーションなんです。
好きで夢中になれる何かがあるってすごくいいですね。
子どもたちが自然相手に遊べるように
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「近くに森がいっぱいあるから森でたくさん遊んでるんでしょ?」って言われがちなのですが、田舎暮らしの人でもあんまり遊べていない気がしています。
「自然相手に遊ぶ」って、意外と難しいですよね。
自分だけで森には行けないし、家族だけで遊んでも発見が少ないなあと思っていました。
そんな時に「森のようちえん」を立ち上げる話を聞いて、上の子が1歳半の時に参加しました。
『森のようちえん』とは、乳児・幼少期の子どもたちへ自然体験の機会を提供する乳児・幼少期教育の総称です。
下川町の森のようちえん『カカラ』では、保護者が中心となり外遊びの見守りや運営を行なっています。
子どもだけでなく大人も自主性や主体性を大切に、「できる人が、できるときに、できることを」しながら、それぞれの個性やスキル、得意なことを表現しあうことを大切にしています。
森のようちえんではプログラムを決めないで、子どもたちが好きなように自然の中で遊ぶ時間を大切にしています。
よちよち歩きのうちはお母さんと一緒にいることが多いんですが、走れるようになると、少し大きい子の後を追いかけてダイナミックに遊び始めるんですよ。
すごくいい関係だなと思って。
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森のようちえんで遊んでいるおかげか、足腰強くなって遊び方もだいぶ変わりましたね。
自然相手に遊べるようになったというか、自分たちで楽しいことを見つけられるように育っています。
なのでコロナ禍になっても、暮らしはあまり変わらなかったんじゃないかな。
外で思いっきり遊べるというのは、田舎ならではの醍醐味ですよね。
消しゴムはんこ作りや森のようちえん カカラでの活動、そして家庭での姿など、たくさん「慧さん」の顔があるようにお話を伺いながら感じました。
夜遅くまで消しゴムはんこを作ったり、カカラで日中身体を動かしたりと、きっとたくさん大変なこともあるだろうけれど、日々の暮らしを楽しんでいる慧さんの目はキラキラとしていました。
「こっち来てすぐに子どもができたから、まだ下川を満喫していないんです。雪板や川遊びなど、落ち着いたら、やりたいことがまだまだありますね。」と帰り際に話す慧さん。
一緒にウィンタースポーツをしたり、焚き火を囲む日も遠くないのかもと思い、私も未来が楽しみになってきました。
text:megumi kojima