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【本紹介】


「彼女の色に届くまで」似鳥 鶏

今、たった今読み終わった所です。感情が高ぶっているこの瞬間に、残しておかないと…と思い綴ります。(落ち着かなきゃ…💦)
銀座で画廊を営んでいる父親の元で、小さい頃から絵画が身近にあった緑くん。周りよりちょっとだけ特別な環境整備にあった彼は絵を描けば小学校の時から賞を取り、将来は有名な画家になると思っていた。母親が早くに亡くなった事もあり、大人びていた彼は、周りの友達とコミユニケーションを積極的に取ることもなく、高校に進学した1年生の春に彼女を見つける。雨の降る昇降口で
…。彼女は千坂 桜。

話は緑くんが所属している美術部だったり、父親の手伝いで大御所の女性画家の接待をしたりだと、絵画に絡む内容で進められています。所有者が大切にしている絵画が破損されたり、紛失したりすることに巻き込まれ、緑くん、千坂さん、友人の風戸くんが解決していくもの。ミステリー要素がとても面白く、それぞれの話に出てくる絵画が挿絵になっていて、更に具体的に想像しながら読んでいけます。第1章から最終章まで5話で描かれていますが、伏線回収のオンパレードで最終章では、「この為の今までだったのか!」と全部マルっと回収されます。

緑くんが絵を描く事には誰にも負けない、自分はやれる!絶対有名画家にと思って1人戦っていながらも、高校生活こんなんでいいのか…とクラスに馴染めていない自分に葛藤したり、千坂さんに芽生える恋心…よりも勝る圧倒的な才能を感じた描写。本当に読み応えがあり、後半は号泣でした。

私も小さい頃から絵を描いていたし、美術部にも入っていたから、読んでいて「放課後、美術部から見えた景色はあんな感じだったなぁ…」とか何ならその時の埃っぽい空気感や絵の具の匂いまで思い出されました。泣
今、学生の方はもちろん 学生だった方々にもきっと心動かされる作品だと思います。
ぜひぜひ、おすすめします。

最後まで読んで頂きありがとうございました。




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