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【本紹介】

「文字の消息」澤西祐典

今の私たちの生活にはあらゆる文字で溢れていますよね。この物語は文字通り、文字で溢れている世界で暮らしている夫婦と息子の元婚約者さんとの手紙のやり取りで進められています。

「そちらはまだ文字が降っていないのですね…」こんな手紙が来たら、ん?と思ってしまいますよね。元婚約者さんは何かの間違い?と思いますが文章は続き…雪が降るように文字が降り続いているのです。窓をあけて空気の入れ替えをしたくても、外から文字が入ってきてしまうので、そんなに開けらません。気をつけないと蝶番に文字が挟まって、窓が閉まらなくなったりしてしまうのです。
そして定期的に屋根に積もった文字を下ろさないと、家が潰れてしまうのです。
他人の家に捨てようとすれば、不法投棄で処罰されてしまう…。少しでも文字を減らそうと、食べる人まで出る始末。奥さんは少しでも文字を減らそうとしたからなのか、ただ手紙を送りたかったのかは、読み取れなかったのですが部屋や庭等から集めていた文字を送り続けるのです。
溢れる文字の中でどうなっていくのでしょうか。

全3作が収められているのですが、2作目の「砂糖で満ちてゆく」がとても面白かったです。「文字の消息」を読んだモチベーションで読んだこともあると思いますが、最後のページでゾクっとさせられる事間違いないと思います。
あえて内容は控えますね。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。


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