スギになりたいクマ
こんにちは。テディベアデザイナーの宮尾です。
5体のテディベアのうち、4体目をご紹介します!
生息場所:FabCafe Kyoto (HP)さん
今回の「5体のテディベア」プロジェクト発端のきっかけとなったFabCafe Kyotoさんは、広々とした1階のカフェ店内でお茶をしたり仕事をしたり工作をしたり、何かと自由な過ごし方ができるカフェです。
ここではたくさんの面白い人と出会いました。いろんなアイディアも創作意欲もわいてくるような場所なのですが、時間帯によっては会社のオフィスのような賑わいがあったり、かと思えば静かな音楽が流れる落ち着いたカフェの一面もあったり、私には正反対に感じる空間が融合しています。
そんなFabCafe Kyotoさんでは、プロジェクトに関する制作拠点として利用していたこともあり、ここの人と関わることがとても多かったので2体のテディベアを制作させていただきました。
そのうちの1体が「スギになりたいクマ」です。
落ち着いたカフェの一面にフォーカスをして、カフェ利用の常連さんやスタッフさんの夢など、世間話から得たインスピレーションからデザインしました。
「スギになりたいクマ」
誰からも愛されるtypical テディベアな見た目に、杉苔に似たすこし硬めな感触の毛。
どこにいても馴染んでしまえるようなテディベアは、いつか大きな杉の木になることを夢見ています。
カフェでのお気に入りの場所は日当たり良く花壇が見えるソファで、周りの音を聞きながらゆったりと季節の移り変わりを眺めます。
人の手のひらに収まるほど小さなテディベアは、見る人を癒すようにそっと耳を傾けてくれているように思えます。
制作について
「スギになりたいクマ」は多くの人が親しみが持てるテディベア、というのをコンセプトに制作しました。
大きくて長寿な杉の木は、長年人々の暮らしを見守ります。
そんな杉の木になりたいクマなので、詰め物はアンティークベアのように木毛を採用しました。
メイン生地のモヘアの少し硬めな毛と、木毛のガサッとした硬い感触がよく合います。
このショートモヘアはすこし癖がかかっており、杉苔にすこし似ています。
同時期に、杉苔は杉の葉に似ていることからこの名前になったという話を聞いたこともあり、他の選択肢は思い浮かびませんでした。
上記までは普通のテディベアの作り方ですが、杉の木になりたいなら、きっと立ち姿はまっすぐでしっかり立っているはずだと考え、足の底に磁石を仕込んでいます。
ただ普通に足の裏に丸い磁石を入れるだけでは、楕円形の足の裏からポコっと磁石の形が出てしまい、かといって生地を分厚くすると磁力が弱まってしまうため、足の裏の型紙合わせた土台を作ることにしました。
土台は、磁力が弱まらない程度の薄さ・磁石の形が表に響かない程度の強度である必要があります。
デザインや厚みを調節3Dプリンドすることが最適そうだったため、やわらかめのTPU素材で今回は制作をしました。
(私には未知の分野だったため、詳しい方々に相談して出力してもらいました)
結果的にはいい感じに出来上がったと思います。組み合わせる生地やベアの大きさによっても調整が必要そうなので、これがベストかはわかりませんが、今後も試していきたいと思います。