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読書ノート3冊目 太宰治『斜陽』

没落貴族が、変化が激しい世の中で、どういう生き方をしていくか、という話。独特な文章ですが、情景描写が美しく良かったです。

太宰治めちゃくちゃ読みやすいですね。すらすら読めちゃいました。

この小説にはかず子、お母さま、直治、の貴族だった一家が出てきます。
かず子視線で貴族の言葉で語られます。


同じ家族でも3人の生き方、それぞれの人生観など、だんだん分かっていくのが面白い。3人とも同じ貴族だが、この激動の時代をどう生きていくかは考え方が全然違う。良い悪いは別として、三人とも、生き方はかっこいいと思いました。

没落貴族の話なので、当然お金の話は出てきます。というか、この小説の不幸さは、お金がないことから来ている気がします。
お金がなくなればなくなるほど、不幸になっていく。こんな至極当然のことが、どうしてこんなにつらいのか。

金が欲しい。さもなくば、眠りながらの自然死!

結局今の日本人の悩みなんて、金か、人間関係かじゃないですか?
でしかも、そういう悩みって胸にこびりついてすっきりしない、もやもやみたいなものじゃないですか?そういったことの描写が多くて、すごい引き込まれるし、面白い。

「僕は、貴族です。」の一言ががものすごく印象的です。

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