台風が接近する中、山の落とし物を探しに
コトの始まり
前日、早池峰山と対峙する薬師岳に登った。河原の坊駐車場から小田越までの舗装路2.1kmをランニングシューズで走って上がり、薬師岳を小走りでピストンした。
約7kmの行程を標準ペースの170〜190%のハイペースで駆け抜けていて、それはもう汗まみれだった。
いくつかある道路から清流が近いポイントをみつくろってみたが、どこも駐車するには狭小で、結局、稗貫川(北上川の支流)の近くにある小さな公園で、川にドボンするコトにした。天然の水風呂は最高に気持ちが良く持参したゴーグルをつけて全身何度か浸かってスッキリできた。
2024/08/23(金)追記：上流部は正しくは岳川でした。自然保護委員の方に教えていただきました。
とても満足して小さな公園の駐車場に戻り、着替えた際に、ズブ濡れだった海水パンツをうっかり車の屋根に置いてしまった。仕舞うコトを忘れ走り出し、気付いたのは既に秋田に入ってからだった。
置き去りの海パン。
登山した日の午後の予定には無事間に合い、夜の懇親会も存分に謳歌して、翌日の秋田を満喫した。心残りは唯一「海パン」だけだった。
200km走って海パンを探しに
16:00頃にはやりたかったコトも全て終えて、帰途の時間だった。向かう先は早池峰山の麓だ。海パンが待っていてくれるコトを願って。
岩手県道25号紫波江繋線のツイスティロード、折壁峠を越えるとそこは台風だった。
しばらくすると電波がなくなり、Googleマップがのっぺらぼうになった。台風の暴風と低い雲に濃い霧で地図を失ってしまった。
突然、緊急速報メールが立て続けに入ってくる。花巻市の隣町の宮古市周辺エリアだからだろう。次々に重度の避難指示を受信した。
雨は弱まったり強まったりしていたが、雲と風が強い。やっと県道25号から早池峰ダムまで下り、大きめの道と合流した。
海パンはどこに？
場所は大迫町内川目というエリアだ。岳地区山村公園(以下の2枚目の現在地)が忘れた場所だ。入念に前日通ったルートを走り、道路端や茂みに海パンがないか確認する。
残念ながら、海パンはなかった。
駐車場の中にあると思っていたが、水をたっぷり含んだ状態で車の上に置いて走ったので、ゆっくり走行していた時には落ちなかった可能性を考えた。加速した際に落ちた可能性が高い。通り沿いに出てみる。
海パンがあった。
駐車場の入り口から50m、道路際の反射板のポールの下にあった。花巻市消防団第九分団第五部三班の棟の前に車を停めさせていただいて、無事ピックアップした。
前日のミス、200kmの山越え、丸出しな再会、色んな思いが過った。多分、早池峰から帰ってきた方が、道路上の海パンに気付いて、分かりやすいようにポールにかけてくれたのが、風で下に落ちたのだろう。
拾って掛けていただいた方、ありがとうございます。
早速、活躍している。
用事も片付いたので、道の駅はやちねでトイレに寄ってから460km走って帰った。花巻インターから乗る前に見た空が荘厳だった。
夕飯は何を食べようか考えて、東北道菅生パーキングエリアで「仙台麻婆焼そば」を食べた。山椒が効いていてロングドライブのための刺激をチャージできた。
走り終えトリップメーターを見ると655.4kmだった。良く走った1日だった。
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