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実はとても浅い!?生理の歴史。生理が「当たり前」になるまで

とても浅い?! 生理用品の歴史

テレビで生理用品のコマーシャルが流され、ドラッグストアにはナプキンからタンポンまでずらりと並ぶーーーそれは私たちにとってごく当たり前の風景だけれど、実はごく最近のこと。人類の歴史のかなり長きにわたって、生理は「隠すべきもの」とする社会が多かったのです。

現代日本では考えられませんが、少し前までは、生理のときに女性を隔離する時代もありました(今でもネパールの一部などでは、違法とされているものの生理小屋にこもる風習が残っています)。現代のように便利な生理用品もなく布や紙で処置していた時代には、女性たちはかなりの不自由を強いられていたことでしょう。

そんな不自由は、なんと第二次大戦後まで続きます。それまでは、生理になると股の部分にゴムを貼ったショーツを履き、脱脂綿を当てていたというからなんとも心もとない。ムレるしフィットしないし、脱脂綿が落ちることも珍しくなかったというから、当時の女性たちのストレスは途方もなかったのではないでしょうか。


生理用品が変えた、女性の社会進出

現代的な生理用品の誕生は、女性の社会進出を後押しすることとなりました。おりしも高度経済成長期、男性と肩を並べて働くようになった女性も少なくありません。

また、生理用品がより薄く軽くなったことは、ファッションにも変化をもたらしたと言われています。たとえば体にフィットしたジーンズやミニスカートの流行にも、生理用品の進化が大きく貢献しているよう。

それと並行して「生理=恥ずかしいもの」という意識も少しずつ変化を始めます。生理用品メーカーによるキャンペーンも功を奏して、女性たちに「生理は当たり前のもの」という意識が芽生えるようになってきました。

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フェムテックの時代。「快適さ」が照準に

それから数十年、生理用品はさらに進化を遂げました。日本ではまだマイナーではありますが、さまざまなタイプのタンポンも登場しています。紙ナプキンもオーガニックコットンを使ったもの、布で繰り返し使えるものなど、機能だけでなく女性たちのライフスタイルや好みにあったさまざまなタイプが展開されるように。それにつれて女性たちの意識はさらに変化し、より快適な生理用品が求められるようになってきました。

たとえば膣内に入れて使う月経カップや、紙ナプキン不要な吸収タイプの生理ショーツなど、プロダクツのバリエーションは増える一方。また、生理不順や月経過多を解消したい女性のために、ピルなど婦人科での治療も多く行われるようになってきました。「きちんと処置したい生理」から「快適に過ごせる生理」へ。女性たちの意識は、これからも変化していきそうです。