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ベストアライアンスパートナー講座(講座のみ)

ITソリューションベンダー様向けのパートナー構築のためのノウハウを詰め込みました。今まで直販のみでこれから間接販売をされたい方には一から説明しておりますので、バイブルとしてご利用…
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2024年6月の記事一覧

第53回 2-1-4 原価として何を計算されていますか? その2

原価として何を計算されていますか? その2 これから計上するものをどうするか、ご説明します。 1件あたりの原価に追加開発費用・保守費用を見込みで計上します。 例:今後費用な開発費用・保守費用が1,176万とする  今年含め4年で回収(残償却年度が4年)  毎月1本ずつ販売本数が増えると仮定すると  x万✕期中平均6個✕12✕4年+x万✕12個✕12ヶ月✕(1+2+3)=1,176万  ∴ x=1万円 この数式を修正して、余裕を持った開発予算・保守予算を計上し、 原価を計算し

第54回 2-1-5 初期費用の内訳は?

初期費用の内訳は? 前回までは開発の際の原価や保守の費用をどう原価に組み込むかを お話しました。 今回は導入時に必要となる費用を見て行きたいと思います。 初期費用として計上すべきものとしては ・注文頂いた顧客のために出荷に必要な作業工数 があります。 これは自社ソリューションによっては様々だと思いますので 都度お見積りをしてお客様に(販売パートナーを経由して) ご請求することになりますが、 出来れば、初期費用に含めてほしくないものがあります。 それは ・導入費用 ・設定費用

第55回 2-2-1 初期費用は必要?

初期費用は必要? 初期費用についてご説明させて頂きたいと思います。 ランニング費用は月額料金・年額料金から クラウド利用料など運用に必要なものは月額の原価として 計上してください。 計上した資産も月額料金・年額料金から 開発費用等、前回計算した原価も月額の原価として 計上してください。 初期費用はどうする? そうすると、初期費用は不要かもしれませんが、 これはお客様に買って頂くために利用したいと思います。 これからそれぞれ詳細にご説明したいと思います。。(続く)

第56回 2-2-2 ランニング費用は月額料金・年額料金から

ランニング費用は月額料金・年額料金から ランニング費用を考えてみたいと思います。 オンプレ提供型の場合は、 ・問合せ窓口対応費用(サーバー維持費等はお客様負担として) クラウド提供型かつサブスクの場合は、 ・クラウド利用料 ・クラウド保守運用費 ・問合せ窓口対応費用 これらも原価として1件あたりの価格を計算し原価に計上 ・マルチテナント型の場合は、出来るだけ最小構成で計上してください。  ただし、メモリー数・コア数には注意してください。 ・シングルテナント型は注文後用意のた

第57回 2-2-3 計上した資産も月額料金・年額料金から

計上した資産も月額料金・年額料金から 本日はとても重要な計算式のご説明です。 これがなかなか理解されていない会社が多く 特に直販で自社ソリューションを販売されている会社は 出来ていないところが多いです。 自社ソリューションの原価の回収と 自社の粗利をしっかり乗せて 間接販売の際の仕切りを決める必要があります。 計算式にすると  前回解説した開発原価       +  前ページで解説したランニング費用       +  自社粗利       ‖  パートナーへの仕切り価格

第58回 2-2-4 それで初期費用はどうする?

それで初期費用はどうする? 今までかかった原価とこれからかかる原価の回収方法は 前回まででご説明しました。 それでは、「初期費用」としてどう提示するか、になります。 「初期費用無料!」と宣伝するのも効果はありますが、 実は間接販売の場合は、パートナーにメリットが少なくなり 効果は半減します。 この「初期費用」を購入を迷われている方には   例:初期費用300,000円        ‖   ○月末まで契約頂いたお客様は無料に! と購入を決めるためのトリガーに。 そしてなかな

第59回 2-3-1 ソリューションの粗利は?

ソリューションの粗利は? 前回まで原価についてご説明しました。 原価が決まれば次は自社粗利 粗利は企業の血液になります。 第2、第3のソリューション開発のための資金に充当することが出来ます。 社内で一番高い粗利を設定 自社ソリューション以外にも様々な活動により 売上を上げておられると思いますが、 自社ソリューションは社内で一番高い粗利を設定して欲しいと思います。 多く売ると給与が上がる仕組みの導入も検討したいと思います。 ポイントは社員が誰もこのプロジェクトに参加したい

第60回 2-3-2 原価が決まれば次は自社粗利

原価が決まれば次は自社粗利 原価が決まれば、次は自社の粗利を決めます。 粗利は企業の血液と言われます。 粗利が多ければ多いほど資金が増え、社員に払える給与も増えます。 販売に携わる営業や役員の給与はこの粗利から支払うことになります。 と言いながら多すぎると価格が上がり、 お客様が期待する交換比べ費用対効果が悪いソリューションになります。 最低定価の25%は確保したいと思います。 もし機能不全やバグによるリスクを考慮すると、 35%は確保したいと思います。 しっかり付加価値を

第61回 2-3-3 社内で一番高い粗利を設定

社内で一番高い粗利を設定 さて、粗利はいくら乗せればいいでしょうか。 その前に なぜソリューションを作ったか を考えてみましょう。 以下のどれかに該当するのではないでしょうか。 ・お客様より受託したから ・ニーズがあるのではとアイデアが浮かんだから ・売れていてるソリューションを見て 結局、儲かるしくみが欲しかったから だと思います。 社内で最も高い粗利を設定すると、 社員はその部門に異動したいと思い、 異動後は思った以上に仕事をして貰えるようになります。 ここで事例紹介

第62回 2-3-4 受託開発・SES(準委任)との違い

受託開発・SES(準委任)との違い 最初から自社ソリューションを作って販売したい、と 思っておられない企業は、受託開発やSES(準委任)で 売上を上がられている企業がほとんどだと思います。 受託開発・SES(準委任)との違いを見てみますと まず受託開発のメリットとして ・受注する金額が大きい ・粗利が稼げる が挙げられます。 しかし、デメリットとしては ・検収後入金のため資金回収に時間がかかる ・お客様の要望にどう応えるかでリスクが発生する があります。 また、SES(準委

第63回 2-4-1 パートナーの粗利は?

パートナーの粗利は? この章ではパートナーの粗利についてご説明します。 パートナーの粗利は重要 パートナーの粗利はとても重要です。 粗利が大きければ大きいほど、パートナーは販売しようとします。 定価で販売したいと思ってもらう 企業規模が大きくなればなるほど売上主義から粗利主義に 会社は方針を変えます。 ストックビジネスの割合を増やす企業も増加しており、 従来よりもサブスクでも粗利が多いと受け入れられます。 他のソリューションよりも粗利が大きいと思ってもらう 基本的には

第64回 2-4-2 パートナーの粗利は重要

パートナーの粗利は重要 パートナーの粗利はとても重要です。 なぜなら、粗利が大きいほど、売る気になるからです。 パートナーの販売する製品の売価を見てみますと 原価はもちろん低くしたいと考えます。 販管費では、間接人件費、営業人件費、ともに低くしたいと考えます。 要は手間がかからない方がいいということになります。 そして営業利益(粗利)は大きい方がいいと思います。 手間がかからず粗利が大きい商材にする必要があると 理解いただけましたでしょうか。 次に定価で販売してもらう必要が

第65回 2-4-3 定価で販売したいと思ってもらう

定価で販売したいと思ってもらう 他の取り扱い商品に比べて粗利が多いと思って貰う まずは定価の○○%が仕入れ金額と魅力ある粗利として見せる必要があります。 販売の手間がかからない工夫が必要 また、粗利が大きくても、営業の手間がかかると 結局、販管費が大きくなりますので、 営業の手間があまりかからない売り方を考えます。 例えばですが、 ・販売店様向けソリューション紹介資料 を用意 ・製品紹介・デモは当初はメーカー(自社)が担当 ・カストマイズ等の相談はメーカー(自社)もしくは

第66回 2-4-4 他のソリューションよりも粗利が大きいと思ってもらう

他のソリューションよりも粗利が大きいと思ってもらう パートナーにとって、「粗利が大きい」ことにより 下記の事が言えます。 ・(定価に対して)仕入額が安い また、販売頂くためには ・手間がかからない ・定価で販売できる「価値のある」オンリーワンソリューションであること が重要になります。 そして、パートナーが本来担いでいる ・他のソリューションと抱合せで販売が出来るので、結果的に粗利が増える 観点も重要になります。 第二部第四章「パートナーの粗利は?」のベアパコポイント