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【ショートショート】『ストレッチに使えるクギ』

この釘は見た目はいたって平凡で、他の釘と変わりませんが、この釘にはとんでもない特徴がありす。

この釘を人の身体に打つと素早くツボを検知してストレッチできるというものです。

この釘の効果は抜群でその釘が効かない人はいません。 どんなに体が硬い人でも効き目に変わりはありません。ただしこの釘を使うにあたっての注意事項は1人の人間に同時に打つことができるのは2本までと決まっています。


「なるほどねー。」とお母さんが説明書を読み終えて釘を眺めていた。


僕は聞いてみた。
「2本までって言ってるけど、5本入ってるよね? どうしてかな?」

お母さん「残り3本は予備だから。」

僕「2本までしか打っちゃダメなものが5本もあるって、そんなに無くす人いるの?」

お母さん「うっかり屋さんのために余分に入れてくれてるんじゃないの。」

僕「いやいや、うっかり屋さんのために数はきっちりしないとだめだよ。」

お母さん「はいはい。あなたは我が家のしっかり者だからこの釘を管理してください。」

僕「急いでるから、自分でやってよ!今日はヒロとご飯食べて来るから夜遅いよ!」と言って僕は家を出た。


そこへ お父さんがやってきた。

「ヒロは出かけたのか?」

お母さん「うん。友達と洋服買いに行くって! 今日は遅いらしいわよ。」

そう言ってお母さんは用事を思い出して立ち上がった。

お父さん「おい、こんなところに釘なんか置いてたら危ないよ。」

お母さん「あーそれちょっと置いといて!後で片付けるから!」

「しょうがないなあ。いつも出しっぱなしなんだから。」
と言ってお父さんは慣れた手つきでテーブルの上を片付けて、お母さんが置きっぱなしにしている釘を、DIYボックスの釘入れにバラバラと入れて蓋をした。

(おわり)


仲間とショートショート作家の会を結成しました😎

これから毎週投稿します!

記念すべき第5弾です🎉✨✨

お読み下さりありがとうございました🥰

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