[ざっくり知りたい]生命保険料控除
生命保険料控除とは
生命保険料控除とは、保険料を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることです。簡単に言うと「保険に入っていたら節税できるよ」ということです。
ちなみに所得控除とは
所得控除とは、所得税額を計算するときに納税者の個人的な事情を付け加えるためのシステムです。
医療費控除、社会保険料控除、 生命保険料控除、 寄附金控除、配偶者控除、基礎控除。。。などなど15種類あります。
ここで、所得税の計算の流れをめっちゃざっくり説明します。
①所得は10種類。それぞれをルール通りに算出。
②算出した10種類の所得の金額をルール通りに足したり引いたりする。
③所得控除の登場!②からマイナスする。
④③に税率をかけて税額を算出。
⑤税額控除の登場(④からマイナスする)。
⑥所得税額の判明!
つまり、所得控除は何が良いのかというと、所得税の対象になる金額を小さくするのに役立ってくれることです。
生命保険料控除の金額
生命保険料控除に戻ります。
所得控除の1つである生命保険料控除には、さらに3つの分類があります。↓
①一般生命保険料控除・・・終身保険、定期保険、養老保険、学資保険などが対象
②介護医療保険料控除・・・医療保険、介護保険、がん保険などが対象
③個人年金保険両控除・・・個人年金保険がなどが対象
それぞれ控除の対象となる条件や注意点がありますので、詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1141.htm)
気になる控除額ですが、いつ契約したかによって、下記のように異なります。
・2011(H23)年12月31日以前契約分(旧制度)
・2012(H24) 年1月1日以降契約分(新制度)
②の介護医療保険料控除が登場するのは新制度からです。
<2011(H23)年12月31日以前契約分(旧制度)>
<2012(H24) 年1月1日以降契約分(新制度)>
また、上限額は下記の通りです。
※新旧どちらもに契約がある場合は、どちらかのみでも併用でもOKです。
ここでは、数字を覚える必要はありません。保険料の金額によって控除額に傾斜がついていることがわかれば十分です。
生命保険料控除をどう使うか
所得税には累進課税制度が採用されています。所得が大きくなるほど税率が高いステージに移動=税金をたくさん払う、ということです。
だからこそ、所得控除を活用して所得を小さくすることが、お得だと言えます。
ならば他の所得控除にも着目すべきでは?と思うかもしれませんが、実は他の所得控除は、コントロールが難しいものばかりです。そもそも所得控除の制度の目的が、「納税者の個人的な事情を加味するため」であり、個々人の家族の事情や置かれた立場に応じたものが多く、自分でどうこうできるものではないのです。
いっぽう生命保険料控除は、対象の保険に入っていれば使えますし、保険が必要になって検討するときに、控除額と節税の関係を調整することができるのです。(保険料あと何万円までは適用範囲だな、とか、介護医療の枠がまだ空いてるな、とか、、、)もちろん節税目的で保険に入るのは違いますよ!
例えば、保険に入っていなくて、所得控除が社会保険料控除(5万円)と基礎控除(48万円)しか使えない人がいたとします。この人の所得控除額は5万円+48万円=53万円です。
この人が老後のお金をつくりたいなぁと思い、年間12万円(毎月保険料1万円)の個人年金保険に入ったとします。病気にも備えたいので、同じく年間12万円(毎月保険料1万円)の医療保険にも加入しました。
生命保険料控除額は、2012(H24) 年1月1日以降契約分(新制度)の表に当てはめて計算すると、個人年金保険料控除から「4万円」、医療介護保険料控除からも「4万円」となります。
よって、この人の所得控除は5万円+48万円+4万円+4万円=61万円と分かります。マイナスできる金額が増えました!
もちろん保険に加入して保障を持つということで、その分出て行くお金は増えています。でもこの控除額によって、累進課税制度における低い方のステージに移動できるなら、税率を下げれるので、お得ですよね!
申告の方法
保険会社から、毎年秋〜冬に「控除証明書」が届き始めます。
会社員の方は、年末に会社で年末調整の紙を書かされますよね。その年末調整の紙に控除証明書に書いてある金額を書き写し、貼り付けて提出するだけです。
自営業の方は、確定申告の紙に書き写しましょう。控除額の計算については、インターネット上で計算してくれるシュミレーターのようなものもあるので、難しくありません♪
まとめ
今回は自分の勉強も兼ねて生命保険料控除について書いてみました。
日々この言葉に触れていながら、FP1級に合格していながら、中身をよく理解できていない自分がいたので、今回色々と調べて実用的に感じられるように書くことで、勉強になりました。
コメント等お待ちしております。さらに情報をアップデートできれば、と思います。