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クローン病と腸透過性増加の関係について

今回はこちらの記事をシェアします。

タイトルは「Increased Intestinal Permeability is Associated with Later Development of Crohn’s Disease」です。論文の要約のみとなります。

目的
腸透過性の増加はクローン病と関連していますが、これらがクローン病の原因であるのか結果であるのかは明らかではありませんでした。 腸透過性の増加がクローン病に関連するかどうかを判断するために、研究を行いました。

研究方法
クローン病患者(2008年から2015年までに収集)の無症状の一等親(6〜35歳)1420例で、募集時にラクツロース/マンニトール比(LMR:lactulose to mannitol ratio)の尿中排泄によって測定される腸管透過性を評価しました。 その後、参加者は2008年から2017年までクローン病の診断のために追跡され、追跡期間の中央値は約8年でした。 研究期間中に中央値2.7年後にクローン病を発症した50人の参加者のデータと、2017年10月まで無症状のままであった1370人のデータを分析しました。コックス比例ハザードモデルを使用して、LMR基準値に基づいてクローン病の時間関連リスクを評価しました 。

結果
異常なLMR(> 0.03)は、追跡期間中のクローン病の診断に関連していました(ハザード比、3.03、95%CI、1.64〜5.63、P = 3.97×10-4)。クローン病の診断の3年以上前にテストが実施された場合でも、この関連は有意なままでした(ハザード比、1.62、95%CI、1.051–2.50; P = .029)。

結論
腸透過性の増加は、クローン病の発生と関連しています。 これらの調査結果は、変更された腸のバリア機能が病因に貢献するモデルをサポートします。 異常な腸バリア機能は、クローン病発症のリスクマーカーとして役立つ可能性があります。

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腸透過性(Intestinal Permeability)とは
0.4 nm 以下の分子やイオンは,腸管内腔から上皮細胞間の密着結合を介して血流へ漏出します。ラクツロースのみが細胞間隙から吸収されるため,ラクツロース/マンニトール比によって腸透過性を表すことができます。


参考までに。

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kotaro
更新がんばります。