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#4 計画性を持って“その日”を仕掛ける



12月、彼の彼女が来た。彼が突然電話してきて、「僕の彼女といっしょにディナーしない?」と言ってきた。「いいよ」と私は出かけ、その時始めて見た彼女に対して、「勝った」と密かに思った。彼女はおとなしそうで、プレインな中年女性、私はまだ若くはつらつとして、彼をいつも笑わせていると勝手に自己評価をして、うぬぼれていた。

彼は私に「クリスマスやお正月はどうするの?」と気を使ったような言い方をしていた。「家族と会うから」と適当に濁したが、実は、私は日本のダンナとハワイ旅行を計画していたので、そっちの方で気がまぎれていた。


この年、1999年から2000年にかけての年末年始旅行が、私とダンナの最後の旅行になった。「ミレニアム」を祝おうという事で、私達は特別なホテルを予約して、カウントダウンも楽しんだ。ハワイへ二人で行くのは10回目。結婚して5年目から毎年のように連れて行ってくれた。(この優しいダンナさんとの事は別のブログに書き記そうと思う)


1月から2月にかけて、私達のデートは真剣になってきた。彼は貧乏そうなアパートに住んでいる私に対して、「僕の庭にスタジオを作るから僕からアパートを借りない?」などと言ってきた。急速に私達は近寄りだした。


雨が多い2月だった。私達は毎週のようにバレエやシンフォニーに出かけていた。コンサートがあるときは必ず彼は食事に誘ってくれた。私はおしゃれをして出かける機会が増え、このおじ様といっそう(精神的に)近づいた。

あるロシアのピアニストがソロリストで演奏したコンサートにとても感動した。そんな私の様子を見て、そのピアニストのCDを私にプレゼントしてくれた。これが最初の彼からのプレゼントで、私はそのCDを聞きながら、毎日彼の事を思った。



彼が3月にまた3ヶ月ハンガリーに行くと言っている。私はすでにその頃、「この人が欲しい」と思っていたので、それまでに彼の心を私の方に強く向けたかった。



そして、その日はやってきた。運命を変えるのはいつも男と女の関係になる時だ。私は計画性を持って“その日”を仕掛けた。



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