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ライブと私【Ovall Still Water release tour】

Ovallのライブを見に行った。

前にOvallを見たのは2020年秋の「Ovall + Michael Kaneko Tour」。
この頃はコロナ禍真っ只中でありつつも、少しずつイベント等が開催されるようになってきているといった頃合いだった。私は心の弛みを得ると共に、機会があれば捕まえておかないと、と躍起にもなっていた。そこに「次」の確約など、存在しなかった。
大きくて実態のない何かに空白だらけにされてしまった日々を経験して、簡単にひっくり返ってしまった世界を呆然としながら生き抜いたあとにふっと訪れた凪のようなタイミング。2組とも好きなので、全力で捕まえに行って楽しんだライブだったことをよく覚えている。あれからもう4年も経っていたんだ。

さて、前置きはこんなもんにして、2024年に戻ってこよう。
今回はNew Album「Still Water」のリリースツアー。とはいえ事前に告知があったように、アルバム以外からも新旧さまざまな曲を演奏してくれた。(まだツアー途中なので、セットリストには言及しません)

私はライブの間、もうとにかく楽しくて楽しくて、何度も心の底から笑ってしまった。漫才を見ているときと同じ顔をして、爆笑さえしていたかもしれない。

踊る、揺れる。
そこに意志なんてない。
こんなやべえ音を浴びせられてじっとしていられる?

楽しい、かっこいい、なんて素敵な夜なんだろう!
四方八方から私に染み入ってくる、かっこいい音たち。この感覚をずっと覚えていたいと心から思った。
でもそう思ったのは、そんなことできっこないってわかっているから。
私はこの刹那的な躍動を心に刻んで、反芻して、血肉にかえてじわじわと吸収する。何度も、いつまでも。

問答無用で私を取り囲んで、ひたひたにしてくれる喜び。楽しさ。
ライブに来る理由って、これなんだよなあ。
音楽の尊さを噛み締める。
チケットを取った過去の自分に心底感謝した。ありがとう。

関口さんが弾く、上品なのにアグレッシブなギター。軸になるmabaさんのドラム。(なんであんなにかっこいいドラムを叩きながら素敵な歌声で歌えるんだろう?)
心臓をえぐるように響く鈴木さんのベース。「うわ、心臓持っていかれた」と結構本気で思った。
でも持っていかれたその心臓を動かしてケアしてくれているのも彼らだ、と思った。
アルバムではゲストボーカルの方が歌っている曲もOvallバージョンで聴くことができて、「こっちもとてもかっこいい…!」と思いました。

本当に満たされたライブで、楽しくて、幸せで、力が漲る感じがしました。水を得た魚ってこんな感じなのかな。
かっこいいのはもちろん、演奏技術が半端じゃなくって、これまで彼らが積み上げてきたものをこんなに簡単に聴かせてもらえちゃっていいのだろうか、とさえ思いました。きっと私が想像するよりずっと繊細で手間のかかる積み木を経て、この境地に達しているのだと思うから。
こんなに素敵な音楽を届けてくれて、本当に本当にありがとうございます。

良い日でした。本当に!

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