私とSteely Dan
Steely Danが好きだ。
いろいろ好きな音楽はあるけれど、何が好きなのかを聴かれると「Steely Danかな、ああいう感じのジャンルが好き」と答えるようにしている。Steely Danは私が好きな系統の音楽要素を内包していて、かつ(世界的に見れば)名の知れたバンドだからだ。
ちなみにこれは同世代(20代)にはこれっぽっちも通じず、「あ、それジョジョのキャラに出てくるわ!あれバンドだったんだ〜」と言われたら(ひとまず話が広がって良かった…)とホッとするといった感じ。
今のところかなり年上の方と、英会話教室のカナダ人の先生にだけ「なるほどね〜!」というリアクションをもらえている。
20歳になる前日夜、つまり、19歳最後に聴いたのは「Hey nineteen」だった。(余談だが、Steely Danの歌詞はなんでこんなにもイタい男性視点なんだろう?)
Steely Danに関しても、私が無意識のうちに出会ったアーティスト。はっきりと「ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーとがタッグを組んでやっていて…」みたいなことを知ったのは中学〜高校生くらいの頃だったように思う。
その頃は「私が家でよく聴いている(流れている)好きな音楽はどうやら流行っているJ-POPとは全然違うし周りの同級生は誰も聴いていない」ということにやっと気がつき、父に「こういう感じの曲が好きなんだけど、CDで体系的に聴きたい」とものすごくふわっとした協力を要請した時期だった。
父は私がおそらくこれまで聴いてきたであろう、ドライブによく持って行っていたCDを出してきて聴かせ、私は「これこれ!この曲!」と答えた。
そこから派生して私が好きそうなアーティストやアルバムを選んで説明してもらい、中でも特に気に入ったのがSteely Danだった。
そんなふうにして通学電車でSteely Danを聴くド田舎の高校生が生まれ、2017年にウォルター・ベッカーが急逝した際には大学のキャンパスで私だけが悲嘆に暮れていた。もっと人口が多い・カルチャーの多様な地域で生活していれば共通の趣味を持つ友人ができたのかもしれないなあと思うことが未だにある。
Steely Danの何が好きなのかを問われても上手く答えられない。「聴けば心が踊り、生活が潤う」としか言いようがないのだ。
音楽的な特徴に触れながら話せば「ブラックミュージックのリズム感、ジャジーなメロディ、シンプルで余計なことをしていない・音数が少ないからこそ生まれるタイム感」といった感じになるのだろうか?(言葉の定義が合っている自信がひとつも湧きませんw)
でもまあそんなことを言葉で説明したとして、彼らの音楽を聴いてしまえばただの若造の陳腐な評論にしか成り得ないな…と落ち込んでしまう。
まあとにかく私はSteely Danが好きで、「家でよく流れている好きな音楽」から「選んで聴いている好きな音楽」へと適切にバージョンアップさせられたことを本当に幸運で素敵な思い出として心に刻んでいる。ただそれだけなのだ。
何度かスーパーやコンビニで「Peg」が流れるのを聴いたことがあります。昔は音響さんがサウンドチェックをするのにSteely Danを流していたのだと聴いたことがあるので、その名残なのかなあ。
スーパー特有のピコピコした音のPeg、なんだか変な感じがして笑ってしまいます。