『外からのおカネやモノに依存しない』経済の地産地消サーキュラーエコノミー
つくば市議会議員選挙に挑戦中の『ふじきじゅん』です。
さて、私自身もそうですし、多くの人が最も関心を寄せるテーマの一つは経済の問題ではないでしょうか。経済は自分たちの将来の不安に直結しますし、今の生活の豊かさにも影響を与えます。
さて経済政策というと、これまでは、外部からの補助金や投資、商業施設の誘致や新築住宅の建設に頼る傾向がありました。
どうやって新しいマンションを建ててもらうか、どうやって新しいショピングモールを建ててもらうか、そんなアイディアばかりでした。
でも、皆さんお気づきだと思いますけれど、そうした物質的な成長には限界がありますよね。
そもそも、これまで散々投入されてきたお金や資源は、私たちの暮らしを豊かにしたのでしょうか?
もしその実感がないのであれば、お金はどこかへ漏れ出し、資源はゴミとして捨てられているのです。
大量生産・大量消費、そして使い捨ての時代はもう限界に来ていると思います。
サーキュラーエコノミー=循環型経済とは
サーキュラーエコノミーとは、循環型経済のことで、私たちがすでに持っている資源や私たち自身の活動を、身近なコミュニティの中で循環させ、価値を増やしていくことです。
例えば、誰かにとってのゴミが、別の誰かにとって宝物となることがあります。しかし、お互いにその存在を知らなければ、コストと環境負荷をかけてゴミは捨てられ、別の誰かは外からモノを購入することになります。
こうした無駄を生じさせないためには、とにかくマッチングが重要です。コミュニティ同士のつながりが重要です。
「今はSNSで何でも情報が集まり、すぐにでもつながれる時代」なんてよく言われますが、皆さんの実感はいかがでしょうか?
本当に必要な情報が集まり、心地よいと感じるコミュニティに出会っていますでしょうか?
サーキュラーエコノミーの例 『竹炭』
つくばに限らず、放置された竹林が荒れて、公道や近隣の家屋にも迷惑をかけているという状態が日本中で見ることができます。
竹は成長力が早く、管理されないとすぐに荒れてしまいます。同時に竹はたくさんの水を必要とするので、他の植物が必要な水や、本来は地下に染み込んでいくはずの水を奪ってしまいます。
つくばにはそんな竹林を整備している人たちがいます。
そこで課題になるのは、伐採した後の竹の処理です。体積が大きくかさばってしまうため、スペースが十分になければ、クリーンセンターに持っていくなどして処理するしかありません。
個人的な話で恐縮ですが、私は伐採した竹を使って、庭の外構の柵の軸などに利用しています。減容のために炭にされた竹、いわゆる竹炭も、喜んでもらいに行って、庭の土にまくなどして大地の空気と水の循環改善に使わせてもらっています。
誰かにとってゴミだったものが、ある人にとっては宝物になる
というわけですね。
サーキュラーエコノミーの例 『廃棄食材レストラン』
次に、フランスの週末レストランの例を紹介します。
このレストランでは、地元の食料品店やスーパーから提供を受けた廃棄寸前の食材を活用し、週末限定で営業をしています。
その食材を使ってメニューを組み立てるのですが、当然手に入るものは毎回変わりますので、メニューもライブ・即興で組み立てることになります。
もうひとつ特徴的なのは、自由料金制を導入している点です。
食材を廃棄する代わりに、それを使って料理を提供し、食べた人が自分で価格を決めて支払うというシステムです。
負担できる人はより多く、それなりの人はそれなりに、というフェアなシステムです。
こうした活動により、廃棄食材から新たな価値を創造し、同時にレストランで働く人も完全なボランティアでなく、正当な報酬を得ることができるというサーキュラーエコノミーのよい例です。
ここでも重要なのは、誰かにとってゴミだったものが、ある人にとっては宝物になる点です。
サーキュラーエコノミーの例 『時間銀行』
お金だけが経済ではありません。
スペインのある地域では、それぞれの時間を通貨に見立てて、地域住民が時間を交換する仕組みである『時間銀行』があります。
スペインでは、2008年の金融危機以降、高失業率に苦しみ、従来の雇用関係に依存しない生き方や働き方を模索する動きが起こりました。そのひとつが『時間銀行』です。
この仕組みが素晴らしい点は、まず、一人ひとりの時間が等価であるということ。つまり、誰かの1時間は別の誰かの1時間と交換できるということです。
地域住民は、自分が地域コミュニティに提供できる何かしらのサービスを登録し、または他の人が登録したサービスを利用します。
参考書籍に書いてあり、素敵だなと思った事例が、障害を持った人もこの仕組みに参加し、自分が支援を受けるだけでなく、誰かに価値を提供できる存在であると気づいた、という部分です。
地方自治体としてできること
最後に自治体の役割と可能性について考えてみましょう。サーキュラーエコノミーを実現するにあたって自治体ができることは沢山あります。
コミュニティとコミュニティのマッチングを支援する
物理的なスペース(地域の公民館やコミュニティセンター)を提供する
広報活動を支援する
そして、一番大きな影響力を行使できるのは『購買』です。
自治体は非常に大きな購買力持っていて、その購買力をもって地元産業を直接支援することができます。
例えば、学校給食に使用する食材を地元産のものにするなどです。
ちなみに、私の住んでいるつくば市では、金額ベースでは45-46%が地元産を使用しているとのことでした。
この割合をさらに上げていく、国の「みどりの食料システム戦略」に準拠して有機農産物の購入量目標を25%とするなどさらにアップデートすることができます。
加えて、地域の生産者が作付計画を立てるときに参考になるように、自治体が過去のデータから分析した、次年度の調達予定の量や品目、金額などのガイドを示すことも重要だと思います。
安定した需要が見込めれば、地域の生産者さんもそこに向けて生産計画を立てることができます。
このように自治体は、地域内での経済循環を促進し、持続可能な発展を支えることができる大きな存在なのです。
大変なコトではなく楽しいコト
こうした新しい経済モデルへの移行は大変なコトと思われるかもしれません。しかし、さまざまな国や地域の例を見てみると、参加している人たちの創意工夫で街や暮らしが豊かになっていくプロセスをみんな楽しんでいるように見えます。
物質的な豊かさから生きる喜びへとシフトし、外からのおカネやモノに依存しないことによって究極の自由を得ることができます。
一緒にワクワク取り組んでくれる仲間が増えると良いなと心から願っています。
※10月25日11:23追記
サーキュラーエコノミーでワクワクしたい人は、ぜひ以下の書籍を手にとってみてください。