好きな曲で振り返る「アイカツ!」アニメシリーズ 第1回:無印1~50話
2年程かけて、「アイカツ!」アニメシリーズを全部見ました。
無印→スターズ→フレンズ→オンパレード、そして先日最終回を迎えたプラネットまで、5シリーズ全410話+劇場版4本。
最初は「女児向けアニメか~~ハマれるかな~~」とか言っていた僕も、今では虹野ゆめちゃんの鼻声っぷりを真似しながら「STARDOM!」を口ずさむタイプのアイカツおじさんに成長しました。ねえよそんなタイプ分け。
せっかく見たのにロクに感想も残してこなかったな……と反省してみるものの、今さら細かく振り返って感想書いていくのも面倒。
ということで、ここでは個人的に好きな楽曲を各シリーズから挙げつつ、その曲に関連するアニメ本編のおもしろポイントやエピソードについて、基本不真面目に、ときどき真面目に振り返っていきたいと思います。
まずはアニメ第一弾となる「アイカツ!」(2012-2016年、以下「無印」)、1~50話から。
Signalize!
無印初代オープニング曲。
当時の僕のアイドルアニメ歴はアイマス・デレマス・ラブライブ1期ぐらいのもので、「READY!!」も「Star!!」も「僕らは今の中で」も、なんというかこう、アイドルアイドルしたオープニング曲じゃないですか。
未来に向けてパーン!やってくぞオラオラ!的な。
「アイカツ!」はそれらの作品と比べると、小さなお友達向けにも作られているわけですから、オープニング曲もキラキラした感じを予想していたんですよね。
ところがどっこい「Signalize!」、歌詞もサウンドも全体的に暗いし切実です。
残酷な夢が夢で夢になるんだ
ほら挑戦待ってるよ
純粋を歌おう歌え歌いたいんだ
もう絶望なんてしない
女児向けアイドルアニメのオープニング曲で「残酷」とか「絶望」とか言っていいんだってなっちゃった。
畑亜貴先生、平易な語彙をドラマチックに使うのが上手すぎるのよ。
映像も夜のテイストが強め。
サビに至っては、宇宙をバックに横並びで踊る3人というシュールさです。
そんなこんなで一気に心を引き込まれた僕。
この曲の根底にある「切実さ」がシリーズ全体を象徴するものだということを知るのは、まだ少し先の話です。
Move on now!
同じく第1話。
トップアイドル・神崎美月さんがだいぶ怖い顔面の3Dモデルで披露するのが、この「Move on now!」です。
PVではなぜか紫吹がモブ引き連れて歌っとりますが。
神崎美月さん、アイドル界の将来を見据えて様々な形でMove on nowしていくわけですが、行動原理が微妙に筋通ってなくてずっと面白い感じが好きです。
喧嘩が強そう過ぎて、フルネーム+さん付けで呼ぶことを余儀なくされています。
強気にMove ハートにKiss このまま未来も変えれそう
夢見る自分で恋したい だって私が私のヒロイン
あと冒頭のラップパートの歌詞、神崎美月さんらしくてとても素敵だなと思うのですが、何一つ韻を踏んでないのが面白いです。
アイドル活動!
まだまだ続く第1話。24分間でどれだけ名曲流すつもりだ。
人生初のステージとなる編入試験オーディションでうっかりスペシャルアピールを出してしまい、その類まれなるアイドル力を見せつける主人公・星宮いちごさん。
やっぱり「才能のアイドル」と言うよりは「センスのアイドル」なんだよなあ。
やってみたら割と色々できちゃうタイプなんですけど、そのやり方に必ず彼女なりの哲学やアイディアが付随していて、でも考えること自体は無意識にやってるもんだから天真爛漫さも残るという。なるほど主人公じゃん。
あと、「おしゃもじをマイクに持ち替えて」というセンテンスが印象的に使われる割に、マイクを持たずに早速手ぶらで歌ってるの好きです。
仲間だって時にはライバル
真剣勝負よ!
「Move on now!」、「アイドル活動!」、そしてEDの「カレンダーガール」と、第1話は田中秀和大爆発スペシャルですね。
「アイドル活動(アイカツ)ってこういうものだぜ!」的な楽曲は以降シリーズを通して何曲も作られることになるわけですが、やっぱりこれが一番かっこいいのよ。
Prism Spiral
僕のシリーズを通しての最推しアイドルは霧矢あおいさんです。
聡さ故におちゃらけた態度を取ることを選択していて、聡さ故にちょっと損しがちな霧矢あおいさん。
星宮いちごさんの良き理解者ポジションでありながら、実は星宮いちごさんの天真爛漫さに誰よりも救われている霧矢あおいさん。
めちゃくちゃ好き概念です。
飛び込んだロマンス
まあるく響きあう
たいせつなキラキラを
抱きしめてMy heart
照らせ!
そんな彼女にソロ曲を歌わせると、なんとなく歌のおねえさん感があってとても魅力的。あんたまだ中1でしょうがって感じだ。好き。
あと、2番のサビ後の間奏がかっこいいですよね。女児向けアニメ楽曲でカットアップすな。好き。
Angel Snow
おとめちゃんこそ「才能のアイドル」って感じ。
ゆるふわっとした路線ですが絶対めちゃくちゃ頭良いと思うのよね。
麻雀とか強そうじゃないですか。
ふたり出会ってから はじめての冬に
白い息ココロうきうき
ポッケに入った手を ムリに引っぱりだして
ぎゅっと握って 大好き! ってテレパシー
そんな彼女の持ち歌は、恋人と迎える初めての冬を喜ぶかわいらしい歌詞。う~んティーンエイジャー。
僕ももう年なんですかね。最近この曲を聴くと眩しすぎて泣いてしまいます。
Trap of Love
そう 大胆な私になるから
あなたの好みの 背伸びのヒールで
平凡な日々を駆け出せば
すべてがきらめき灯す
ねえ 大胆を私に教えて?
これじゃ足りないの まだ引き寄せたい
もう 冗談じゃすまされない想い
手と手が触れたら It's Trap of Love.
名曲~~!!
てかこの曲PVないんかビックリした。
紫吹蘭さんも好きです。面白くて。
クールに振る舞ってみるものの、いちご・あおいへの好き好きオーラが隠しきれずにいじられてる辺り、最高にキュート。
あおいに「いよっ!美しき刃!」とか言われてて欲しすぎるでしょ。
真夜中のスカイハイ
「イケナイ刑事」の挿入歌として登場。
あおいツインテール違和感あるわね。
分かってもらえる人が少なそうでアレなんですけど、この曲2ndアルバム「ひとりあそび」の頃の柴咲コウが歌ってそうで好きです。
具体的にどの曲に似てるってわけじゃなくて、本当にただただ歌ってそう。
夜っぽい雰囲気のポップさとか、歌詞のふわっとした感じとか。
つかず離れずの指先
かけひきは星降る夜に
少しの嘘を添えて
軽く踊ろうか?
ほらね?(ほらねじゃない)
後はホーンセクションかっこいいよねっつって。
やっぱり田中秀和なのよ。
放課後ポニーテール
みんなといると優しくなれる いつもホントにありがと
ポニーテールの影を揺らして きっとずっと忘れない
みんなで一緒にオトナになろう 毎日が駆け足の青春
ホントはゆっくり焼きつけたいのに
カーッ!なんですかこの歌詞!
10代の頃にしか持ち得ない感情や感覚ってありますよね。
いつまでも同じ毎日が続くように見えるけれど、実は卒業というタイムリミットは少しずつ確実に迫っていて、たまに考えるとめちゃくちゃさみしくなっちゃう~~みたいなね!
おじさんを殺す気ですか?
おとめちゃんのソロ曲として登場し、後にぽわプリでも披露されることになる「放課後ポニーテール」ですが、歌ってる誰ひとりとしてポニーテールじゃないの面白いです。
じゃあ誰が歌えばいいのよって話をすると、無印50話までの主要キャストでポニーテールって神崎美月さんぐらいしかいないという恐ろしい事実に行き当たります。似合わなさすぎる。
Wake up my music
毎日違うわたしに 気づいてるかな
あなたと歌うわたしが いちばん綺麗
なんて……なんて良い曲なんだ……
大好きすぎて、自分の結婚披露宴で流しました。全員で集合写真取るときにこれ流れてんの。人生のピークの1つじゃん。
マスカレードの代表曲がこれだったり、神崎美月さんの代表曲が「Move on now!」だったり、無印以外ではラブミーティアの代表曲が「Believe it」だったりするの、すごく良いですよね。
ドストレートなアイドルソングじゃなくて、ちょっとオシャレな感じの曲でヒット飛ばしてレジェンドになったんだねっていう。
いちあおにこの曲歌わせたのも最高です。文句が何もねえ。
fashion check!
ファッションチェック!フー!
自分のプロデュースの方向とは明らかに違うのに、ユリカ様がこの曲歌ってるの、プロって感じがしてとても好きです。
考え方や立ち居振る舞いがどこぞのトップアイドル(と書いて「神崎美月さん」と読む)より断然プロ寄りなんだよな。
人間ができている。
新しい自分と 馴染みのアタシと
おしゃれのパレードは行く
この歌詞めちゃくちゃ素敵だなって思う。
新しいことにチャレンジすることは、今までの自分を捨てることとは違うんですよね。
Take Me Higher
でった~~~!!出ました!!!トライスター!!!
紫吹が秒で辞めたトライスター!!!
神崎美月さんやること為すこと本当に全部面白い。目が離せません。
どんな惑星だって ひとりぼっちで
輝けるわけじゃない
もしも天国のなかで遊んでも 退屈に思うはず
けして完結しない欲望のなかで 生きるのを愛してる
歌詞が神崎美月さんそのものなんだよな。
ネタ概念としてもガチ概念としても本当に大好きです神崎美月さん。推せはしませんが。
最高にかっこいいこの曲ですが、神崎美月さんが制作にも参加してたら面白くないですか?
「これ……イントロ部分で『トライスター』って言ったら盛り上がるんじゃないかしら……」と提案する神崎美月さん。
「『ファム・ファタルの引力』ってめちゃくちゃかっこよくない……?」と力説する神崎美月さん。
んで、横で「Cool!」とか適当な相づちを打つ一ノ瀬かえでさん。見てえ。
ふざけたことばかり書いてますが、蘭の「これで二度目なんだ…親友と別れるの」は無印1stシーズン屈指の大好きなセリフです。
見返したくなってきたな無印。
カレンダーガール
無印1~50話、「カレンダーガール」の壮大なPVみたいなところありますよね。
何てコトない毎日が かけがえないの
オトナはそう言うけれど いまいちピンとこないよ
49話かけて描かれてきた「何てコトない毎日」を見てるもんだから、そんなん50話号泣するじゃないですか。涙腺どっかいきました。
この全体としてグッとまとまっている感じが好きで、やっぱり無印50話まではぶっちぎりで特別です。
というわけで、今回はここまで!
次回、無印51~101話編でお会いしましょう~~
いつでもアツく、アイドル活動!