
否定疑問文 【英語や中国語と日本語とのズレ(要注意)】
【はじめに】
英語の答え方といえば、
「Yes, I do」とか「No, you aren't」とかだったよね。
でも実際は日本語と同じで
「Yes(うん)」「No(ううん)」だけで答えることも多いはずです。
で、ここでやる「否定疑問文」は、
「Yes」なのに「ううん」だったり、
「No」なのに「うん」だったりする、
超混乱するパターンです。
授業ではあんまり出てこないから、
正直そこまで重要視してない人が多いけど、
本当はコミュニケーションにかかわる大事な文法です。
英語や中国語と、
日本語とのちがいに触れていくからね。
ちなみに「否定」の反対って知ってる?
否定の反対は「肯定(こうてい)」です!
否定しない文のこと(普通の文のこと)は肯定文って言うからね。知っといてね!
(普通の疑問文はできておく必要があるので、
Does sheとかWas sheとかが不安な人は
先に「一般動詞」「be動詞」をやっておくこと)
ーーーーーー
【否定疑問文】
Do you know it?
君はそれを知ってる?
を、否定疑問文にしたかったら
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
こうすればいいだけ。
なーんだ。
ここまでは全然難しくないよね。
ここまでは、ね。
ーーーーーー
【否定疑問文の答え方】
否定疑問文で難しいのは、答え方。
なぜ難しいか。
日本語と英語にズレがあるからです。
[日本語の否定疑問文]
それ知らないの?
→うん、知らないよ/いや、知ってるよ
よーく見てみて。
いたって普通の日本語だけど、よく見てみると
「うん(肯定)、知らないよ(否定)」
「いや(否定)、知ってるよ(肯定)」
っていうふうに、
肯定と否定が混じってるんだよね。
これ、英語にはありません。
「No, I do」(否定と肯定)とか
「Yes, I don't」(肯定と否定)っていうのは、ないってことです。
え、じゃあどうするの??って思うよね。
日本語では普通のことが、英語では普通じゃない。
とりあえず肯定文のほうから復習しときます。
Do you know it?
君はそれを知ってる?
→Yes, I do. / No, I don't.
うん、知ってるよ/いや、知らないよ
で、英語に「No, I do」みたいな
否定肯定混じってるのがない、ってことは、
否定疑問文の答え方は、こういうことになる。
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
→Yes, I do. / No, I don't.
??、????/??、????
答え方はさっきと同じになるはずです。
これをどう訳すのか!
ここがこのページの一番のポイントだ!
・・・
注目してほしいのは、
「Yes」と「No」じゃなくて、
「I do」と「I don't」の方なの。
なぜか。
ここが日本語と同じだから。
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
→Yes, I do. / No, I don't.
??、????/??、????
「I do」ってことは「肯定」ってことだ。
「I don't」ってことは「否定」ってこと。
「知ってる」
「知らない」で言うと?
「I do」→「知ってる」
「I don't」→「知らない」ってこと。
だから、
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
→Yes, I do. / No, I don't.
??、知ってるよ/??、知らないよ
が確定します。
改めて、日本語で
「君はそれを知らないの?」って聞かれたら?
「うん、知らないよ」か「いや、知ってるよ」だったよね。
ということで。
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
→Yes, I do. / No, I don't.
いや、知ってるよ/うん、知らないよ
が確定します。
日本語は「肯定」と「否定」が混じってる。
けど、英語は混じらない。
「Yes」「No」に注目して、もっかいよく見てね。
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
→Yes, I do. / No, I don't.
いや、知ってるよ/うん、知らないよ
「I do」や「I don't」側が日本語と同じってことは、
「Yes」や「No」側は日本語とちがうってことです。
「Yes」なのに「いや」って訳す。
「No」なのに「うん」って訳す。
これ、頭で分かっても、やっぱりむずかしいです。
だからとりあえず「I do」「I don't」側で考えるようにしようね。
・・・
じゃあいくつか練習だ。
Doesn't she like music?
彼女は音楽が好きじゃないんですか
(好きなら→she does)
(好きじゃないなら→she doesn't)
Yes, she does.
いや、好きだよ
No, she doesn't.
うん、好きじゃないよ
好きなら(肯定なら)、
先に「___ , she does.」って書いて、
あとから「she doesってことはYesだ」って書くイメージです。
そうすれば間違えない。
Aren't you a cook?
君は料理人じゃないの?
一回考えてみてね。
料理人なら?
料理人じゃないなら?
Yes, I am.
いや、料理人だよ
No, I'm not.
うん、料理人じゃないよ
もうひとつ。
Wasn't he here then?
彼はそのとき(then)ここにいなかったの?
(be ある・いる)
(いたときは?
いなかったときは?)
Yes, he was.
いや、彼はいたよ
No, he wasn't.
うん、いなかったよ
こんなふうに、
必ず「I do」「I don't」側で考えること。
そうすれば間違えないから。
ーーーーーー
【実際の否定疑問文】
ただ、実際は
「Aren't you tired?」「Yes.」とか
「Don't you like this?」「No.」だけで答えることが多いです。
とりあえず、
そういうときは自分で答えをのばす。
「Aren't you tired?」
「Yesだから→I am(あ、疲れてるんだな)」
「Don't you like this?」
「Noだから→ I don't(あ、好きじゃないんだな)」
こんなふうにやれば、
テストは乗り切れます。
ーーーーーー
【実際は首を動かすだけ=コミュニケーションの失敗が起こりやすい】
ただ、これは会話で使う文だから、
「答えをのばす」なんて時間の余裕はないわけだ。
「Aren't you tired?」「Yes.」だけで
「疲れてないの?」「ううん」を理解しなきゃいけない。
それどころか!
こういう会話は、いちいち言葉にしないで
「うなづく」「首を横に振る」で「Yes」「No」を表すことも多い。
これは、日本語話者には感覚的にとってもむずいです。
これ好きじゃなかったよね?→うなづく
これが「好きだよ」っていう意味だって、とっさに分かる???
超むずかしいと思います。
・・・
なんでこんな分かりにくいんだろうと思って、
chatGPTに聞いてみたところ、
なんと中国語も含め、
「英語・中国語型」の答え方のほうが多いそうです。
日本語のほうが少数派なんだってさ。
実際、日本語のできる中国語の話者の人と話してて、
上のような混乱が何度か起きました。
「これ好きじゃなかったよね」
「(首を振る)(なのに好きじゃなさそう)」
みたいなね。
それで「YesとNoが逆なのかもね」って聞いてみたところ、
あまりピンと来てませんでした。
・・・
つまり、日本語を習うときに「Yes」「No」が逆になることがあるって、
あまり強調されてないみたいなんだよね。
でもこれ、コミュニケーションでめっちゃ大切だと思わない?
日本に仕事しにきてて、
「これまだ教えてなかったっけ?」「いいえ」って言ったら、
(教わってないと思って「いいえ」って言ったのに)教えてもらえない。
みたいなトラブルが発生するはずです。
そしてそれは日本語から英語、中国語も同じで、
否定疑問文は、なんか「ちょっとした文法の一部」と思われてる。
でもコミュニケーションで「Yes」「No」って、
むしろ一番大事なはずだよね。
もっと学校とかで強調して、
「このズレはみんなが知ってる」くらいの常識にしないと、
いろんなところでコミュニケーションの失敗が起こる気がします。
みんなはとりあえず、
「I do」「I don't」側から考えるのでいい。
いいんだけど、もうちょっと慣れたら、
「Yes」「No」だけでパッと判断できるようにやっておくのがいいと思います。
海外で
「これって割引にならないんですよね?」「Yes」
は割引になるんだからね。
ーーーーーー
【 why don't you / why don't we 】
否定疑問文は基本的に終わりなんだけど、
よくでる「why don't you」「why don't we」だけやっときます!
Why don't you read this book?
なんでこの本を読まないの?(直訳)
この英文、直訳するとこうなるんだけど、
「なんで読まないの?」ってことは
「読まない理由がないよね!」ってことなんだ。
だから「why don't you」は
「してみたら?」「するのはどう?」っていう意味になる。
Why don't you read this book?
この本を読むのはどう?(読んでみたら?)
Why don't you join a fan club?
ファンクラブに入るのはどう?(入ってみたら?)
「why don't we」は「自分」も入ってるから、
「しようよ!(しない理由ないじゃん)」って感じになります。
Why don't we have lunch together?
一緒に昼ご飯を食べるのはどう?(食べようよ)
Why don't we meet at the cafe?
あのカフェで会うのはどう?(会おうよ)
こんな感じ。
「するのはどう?」だと「why don't you」「why don't we」どっちもいけるからお得かな。
ーーーーーー
ということで、
問題ではあまり出ないけど、
実は大切なはずの否定疑問文でした。
下の練習、スラスラ答えられるようにしとこうね。
[英文稽古]訳は下
(英文と日本語訳を交互にスラスラ言えるように練習)
問題①:否定疑問文の難しいところは?
問題②:否定疑問文を訳すときのポイントは?
問題③:why don't you / why don't weはなんて訳す?
Do you know it?
Don't you know it?
いや、知ってるよ(英語に)
うん、知らない(英語に)
Doesn't she like music?
(好きなら?)
(好きじゃないなら?)
Aren't you a cook?
(料理人なら?)
(料理人じゃないなら?)
Wasn't he here then?
(いたなら?)
(いなかったなら?)
「Aren't you tired?」「Yes」(日本語に)
「Don't you like?」「No」(日本語に)
Why don't you read this book?
Why don't you join a fan club?
Why don't we have lunch together?
Why don't we meet at the cafe?
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[次のページ]感嘆文
[英文稽古・訳]
問題①:否定疑問文の難しいところは「YesとNoが日本語とズレるところ」
問題②:否定疑問文を訳すときのポイントは「I do」「I don't」側から考える
問題③:why don't you / why don't weは「するのはどう?」
Do you know it?
君はそれを知ってる?
Yes, I do. / No, I don't.
うん、知ってるよ/いや、知らないよ
Don't you know it?
君はそれを知らないの?
(知ってるなら)
Yes, I do.
いや、知ってるよ
(知らないなら)
No, I don't.
うん、知らないよ
Doesn't she like music?
彼女は音楽が好きじゃないんですか
(好きなら)
Yes, she does.
いや、好きだよ
(好きじゃないなら)
No, she doesn't.
うん、好きじゃないよ
Aren't you a cook?
君は料理人じゃないの?
(料理人なら)
Yes, I am.
いや、料理人だよ
(料理人じゃないなら)
No, I'm not.
うん、料理人じゃないよ
Wasn't he here then?
彼はそのとき(then)ここにいなかったの?(be ある・いる)
(いたなら)
Yes, he was.
いや、彼はいたよ
(いなかったなら)
No, he wasn't.
うん、いなかったよ
「Aren't you tired?」「Yes(いや)→I am(疲れてる)」
「Don't you like this?」「No(うん)→ I don't(好きじゃない)」
Why don't you read this book?
この本を読むのはどう?(読んでみたら?)
Why don't you join a fan club?
ファンクラブに入るのはどう?(入ってみたら?)
Why don't we have lunch together?
一緒に昼ご飯を食べるのはどう?(食べようよ)
Why don't we meet at the cafe?
あのカフェで会うのはどう?(会おうよ)
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