用語集: 「ポストリベラル」
今回は「ポストリベラル」について見ていきましょう。
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「ポストリベラル」: 近年、特に2016年のアメリカ大統領選挙以降、頻繁に耳にするようになった言葉です。しかし、その意味は必ずしも明確に定まっているわけではなく、様々な解釈が存在します。
ポストリベラルが意味すること
リベラリズムへの反動: まず、ポストリベラルは、従来のリベラリズムに対するある種の反動であると捉えられます。グローバル化、移民問題、経済格差など、現代社会が抱える様々な問題に対して、リベラリズムが十分な解決策を示せていないという批判があります。
多様な意味: ポストリベラルという言葉は、政治的な左翼と右翼の両方から用いられています。
左派の視点: 左派の視点から見ると、ポストリベラルは、ネオリベラリズム(市場原理主義)への批判、経済格差の是正、社会正義の実現などを目指す考え方です。バーニー・サンダースのような政治家が代表例として挙げられます。
右派の視点: 右派の視点から見ると、ポストリベラルは、グローバリズムへの批判、国民国家の再建、伝統的な価値観の重視などを目指す考え方です。ドナルド・トランプのような政治家が代表例として挙げられます。
ポストリベラルの特徴
多様性: ポストリベラルは、一つの思想体系というよりも、むしろ多様な思想や運動の集合体です。
反エスタブリッシュメント: ポストリベラルは、既存の政治体制やエリート層に対する不信感を共有しています。
ポピュリズムとの関連: ポストリベラルは、ポピュリズムとの関連性が指摘されることがあります。ポピュリズムは、民衆の感情や不満に訴え、既存の政治体制を打倒しようとする政治運動です。
ポストリベラルが意味するものの複雑さ
ポストリベラルという言葉が複雑な意味を持つのは、以下の理由が考えられます。
リベラリズムの多義性: リベラリズム自体が、様々な解釈が存在する多義的な概念です。
政治状況の変化: 政治状況は常に変化しており、ポストリベラルの意味もそれに応じて変化します。
思想的な多様性: ポストリベラルを支持する人々の間にも、様々な思想的な背景を持つ人々が存在します。
まとめ
ポストリベラルは、現代社会が抱える様々な問題に対する一つの解答として注目されている概念です。しかし、その意味は必ずしも明確に定まっているわけではなく、様々な解釈が存在します。ポストリベラルについてより深く理解するためには、それぞれの文脈における具体的な議論を注意深く検討することが必要です。