見出し画像

とある日のパスタランチ

彼女とどういう経緯でそうなったかは忘れたが、「なんかランチはパスタ食べたいよね」ということで原宿でパスタ屋を探し、SPAGOという良さそうなお店を見つけた。外観はベージュの石が乱雑に積み上げられた柱で店を支えてるようなお洒落な雰囲気(お洒落とは一体...)。僕は冬季限定の牡蠣のトマトソースパスタを注文した。「牡蠣」と「限定」に弱いので、その2つのワードを出されるともうなすすべ無しである。彼女はキムチとベーコンと卵パスタというとても家庭的なパスタを注文した。こういうところの家庭的なパスタは爆発的なおいしさがあるから本当に侮れない。

厨房で細いけれど、少し日焼けてて血管が浮き出ていて力強そうな腕を持ったおじいさんがフライパンを振っていたのが印象的だった。そのまま厨房を眺めていると調味料の入れ物に枡を使っていたりところとごろ日本を感じる部分があって、イタリア料理の伝統に忠実な作り方や考え方と違って物腰柔らかいところがなんか良いなぁと思ったりした。

テーブルに注文したパスタが運ばれてきた。牡蠣が結構入ってて嬉しくなった。まずは牡蠣だけで一口目をいただく。少しピリ辛なトマトソースの味と牡蠣の奥深い癖のある味が混ざり合い美味しすぎて顔が歪んだ。僕の牡蠣が好きなポイントを語らせてもらうと、ミルキーなのはもちろんなのだが、磯の香りや海水のようなしょっぱさを微かに感じ、まるで海を味わってるかのような気持ちになれるところが好きポイントである。
そんなこんなで舌鼓を打ちながらペロッと平らげた。彼女もおいしいって言いながらペロッと平らげてた。自分のパスタに夢中で彼女の方あまり見てなかったかも、ごめんよ。
店を出ながら美味しかったなぁと感傷に浸りつつ、リピートすることを決定した。

いいなと思ったら応援しよう!