FXトレーダーが知っておくべき「つつみ足」の見極め方とトレード

FXにおけるテクニカル分析の中で、ローソク足パターンは重要な役割を果たします。特に「つつみ足」と呼ばれるパターンは、相場の転換点を示すシグナルとして知られており、多くのトレーダーに注目されています。


しかし、つつみ足にはさまざまな種類があり、その見極め方や活用方法については、まだ十分に理解されていないのが現状です。初心者はもちろん、経験豊富なトレーダーでも、つつみ足に惑わされることがあるのが実情です。

本記事では、つつみ足の基本的な特徴や種類、そしてトレードへの活用方法について詳しく解説します。さらに、つつみ足を使う際の注意点や、他の指標との組み合わせ方についても具体的に紹介していきます。

FXトレードの勝率を高めるために、つつみ足を正しく理解し、適切に活用する方法を身につけましょう。

つつみ足とは何か

つつみ足とは、2本のローソク足が連続して現れるパターンの一種です。1本目のローソク足の高値と安値を、2本目のローソク足が完全に包み込む形になっていることが特徴です。

このパターンには、大きく分けて2種類の形態があります。1つは「強気の包み足」、もう1つは「弱気の包み足」です。それぞれの特徴と意味合いについて見ていきましょう。

強気の包み足

強気の包み足は、1本目のローソク足が陰線(値下がり)で、2本目のローソク足が陽線(値上がり)となるパターンです。2本目の陽線が1本目の陰線の高値と安値を完全に上回っていることが条件となります。

このパターンは、下降トレンドの底で出現することが多く、買い圧力の増加と上昇トレンドの始まりを示唆します。つまり、売り方が1本目のローソク足の安値まで押し下げたものの、そこが限界で、買い方が1本目の高値を超えるまで攻め込んだことを意味しています。

弱気の包み足

弱気の包み足は、1本目のローソク足が陽線(値上がり)で、2本目のローソク足が陰線(値下がり)となるパターンです。2本目の陰線が1本目の陽線の高値と安値を完全に包み込むように形成されます。

このパターンは、上昇トレンドの天井で出現することが多く、売り圧力の増加と下降トレンドの始まりを示唆します。つまり、買い方が1本目のローソク足の高値まで押し上げたものの、そこが限界で、売り方が1本目の安値まで押し下げたことを意味しています。

つつみ足の特徴と見極めポイント

つつみ足には、いくつかの特徴的な点があります。これらの特徴を理解することで、つつみ足を正しく見極められるようになります。

反転シグナルとしての役割

つつみ足は、相場の転換点を示唆するシグナルとして機能します。強気の包み足は下降トレンドの底で現れ、弱気の包み足は上昇トレンドの天井で現れることが多いのです。

つまり、つつみ足が出現した場合、トレンドが反転する可能性が高いということを意味しています。そのため、つつみ足を見逃さずにキャッチすることが、トレードの勝率を高める上で重要なポイントとなります。

市場参加者の心理変化を表す

つつみ足は、市場参加者の心理状態の変化を示しています。

強気の包み足が出現した場合、売り方が押し目を狙ったものの、結局買い方が勝利したことを意味します。一方、弱気の包み足が出現した場合は、買い方が天井を狙ったものの、売り方が勝利したことを示しています。

このように、つつみ足は、相場の主導権が変わりつつあることを表しているのです。

価格の大きな変動を示唆する

つつみ足が現れると、それまでの相場の流れが大きく変わる可能性が高まります。

1本目のローソク足の高値と安値を2本目のローソク足が完全に包み込むということは、その期間の価格変動が大きかったことを意味しています。つまり、相場の勢いが強まっているサインなのです。

そのため、つつみ足の出現は、今後の価格変動に大きな影響を及ぼす可能性があると考えられます。

つつみ足のトレード活用法

つつみ足は、トレードにさまざまな形で活用できます。特に、トレンドの反転点を捉える際に有効なツールとなります。

1. トレンド転換の判断

つつみ足は、トレンドの転換点を示唆するシグナルとして機能します。

例えば、下降トレンド中に強気の包み足が出現した場合、そこが底値圏であり、上昇トレンドへの転換点となる可能性が高くなります。一方、上昇トレンド中に弱気の包み足が出現した場合は、天井圏であり、下降トレンドへの転換点となる可能性が高いのです。

つまり、つつみ足の出現は、トレンドの反転を示唆するサインとして捉えることができるのです。

2. 押し目・戻り目のエントリー

つつみ足は、押し目や戻り目のエントリーポイントとしても活用できます。

強気の包み足が出現した場合、それまでの下降トレンドが一時的に反転し、押し目が形成される可能性があります。そのため、強気の包み足の出現を確認後、押し目で買いエントリーするのが有効な手段となります。

同様に、弱気の包みfoot が出現した場合は、それまでの上昇トレンドが一時的に反転し、戻り目が形成される可能性があります。弱気の包み足の出現を確認後、戻り目で売りエントリーするのがおすすめです。

3. ポジション決済のタイミング

つつみ足は、ポジションの決済タイミングを判断する際にも役立ちます。

例えば、買いポジションを保有している場合、弱気の包み足が出現したら、それを売り信号として捉え、ポジションを決済するのが賢明でしょう。一方、売りポジションを保有している場合は、強気の包み足が出現したら、それを買い信号として捉え、ポジションを決済する良いタイミングかもしれません。

このように、つつみ足は、トレンドの転換点を示唆するだけでなく、ポジション管理の面でも重要な役割を果たすのです。

つつみ足の見極め方

つつみ足を活用するには、それを正しく見極める必要があります。つつみ足には、いくつかの見極めのポイントがあります。

1. 1本目と2本目のローソク足の関係性

つつみ足の定義では、2本のローソク足の関係性が重要です。1本目のローソク足の高値と安値を、2本目のローソク足が完全に包み込むかどうかを確認しましょう。

また、1本目のローソク足が陰線で、2本目が陽線の場合は強気の包み足、1本目が陽線で2本目が陰線の場合は弱気の包み足と判断できます。

2. トレンドの状況

つつみ足は、トレンドの転換点で出現することが多いので、現在のトレンドの状況を把握することが重要です。

下降トレンドの最中に強気の包み足が出現した場合は、底値圏であり、上昇トレンドへの転換点となる可能性が高くなります。一方、上昇トレンド中に弱気の包み足が出現した場合は、天井圏であり、下降トレンドへの転換点となる可能性が高くなるのです。

3. 他の指標との組み合わせ

つつみ足を単独で判断するのではなく、他のテクニカル指標と組み合わせて分析することが重要です。

例えば、移動平均線やRSI、ボリンジャーバンドなどの指標と照らし合わせることで、つつみ足の信頼性をより高めることができます。複数の分析指標が同じ方向を示している場合は、より確度の高いシグナルと判断できるでしょう。

つつみ足を活用する際の注意点

つつみ足は有効なテクニカル指標ですが、それだけに頼るのは危険です。つつみ足を活用する際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

1. ダマシに注意

つつみ足のパターンが出現しても、必ずしも相場が予想通りに動くわけではありません。時にはダマシが発生し、逆方向に動くこともあるのです。

そのため、つつみ足のシグナルを単独で判断するのではなく、他の指標や分析手法を組み合わせて総合的に判断することが重要です。ダマシに惑わされないよう、慎重にトレードを行うようにしましょう。

2. 短期足の信頼性は低い

短い時間足のつつみ足は、相場のノイズの影響を受けやすく、信頼性が低い傾向にあります。

そのため、つつみ足のシグナルを確認する際は、できるだけ長期の時間足で判断することをおすすめします。日足や週足レベルのつつみ足は、より確度が高いと言えるでしょう。

3. レンジ相場では活用しづらい

つつみ足は、明確なトレンドが形成されている相場環境で有効に機能します。一方、レンジ相場のような場合は、つつみ足のシグナルを適切に捉えるのが難しくなります。

そのため、レンジ相場では、つつみ足を活用するのではなく、他の分析手法を検討するのが賢明です。相場の状況に合わせて、最適な分析ツールを使い分けることが重要です。

「底」と「大底」の見極め方

つつみ足の出現は、相場の底や大底を示唆することがあります。ただし、「底」と「大底」を見極めるのは難しい課題です。

「底」とは、一時的な下げ止まりのことを指します。一方、「大底」とは、長期的な下落トレンドの終了を意味します。

つつみ足が出現した場合、それが一時的な押し目なのか、長期的な相場の転換点なのかを見極めるには、以下のポイントに注目する必要があります。

1. 時間足の選択

時間足を変えて確認することで、つつみ足の意味合いを判断しやすくなります。

短期の時間足では、一時的な押し目を示唆するつつみ足が現れやすくなります。一方、長期の時間足では、大底を示唆するつつみ足が現れる可能性が高くなります。

そのため、異なる時間足でつつみ足の状況を確認し、総合的に判断することが重要です。

2. テクニカル指標の活用

移動平均線やRSI、ボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を組み合わせて分析することで、つつみ足の意味合いをより正確に捉えられます。

例えば、長期の移動平均線が上昇トレンドから下降トレンドに転換している場合、つつみ足は大底を示唆している可能性が高くなります。

このように、つつみ足だけでなく、他の指標も参考にすることで、「底」と「大底」の見極めが容易になります。

3. ファンダメンタルズの考慮

相場の動きには、経済指標の発表や政治的な出来事など、さまざまな外部要因が影響しています。

そのため、ファンダメンタルズ分析を併せて行い、つつみ足の意味合いを判断することが重要です。外部環境の変化が、つつみ足の示唆する相場の転換に影響を及ぼしている可能性を考慮しましょう。

「上昇サイン」としてのつつみ足

つつみ 足は、下降トレンドの底で出現する強気の包み足が、上昇トレンドへの転換を示唆する重要なサインとなります。

特に、長期的な下降トレンドの最中に強気の包み足が確認できた場合、そこが大底を形成している可能性が高くなります。これは、売り圧力が一時的に後退し、買い圧力が優位になったことを意味しているのです。

そのため、強気の包み足が出現した際は、次のような手順でトレードを検討するのがおすすめです。

  1. 日足や週足といった長期の時間足で、強気の包み足が確認できるかどうかを確認する。

  2. 移動平均線やRSI、ボリンジャーバンドなどのテクニカル指標が、上昇トレンドへの転換を示唆しているかどうかを確認する。

  3. 直近のサポートラインやレジスタンスラインの動きを確認し、相場の流れが変わりつつあることを確認する。

これらの分析を経て、強気の包み足が大底を示唆する可能性が高いと判断できれば、積極的な買いエントリーを検討することができます。

一方、弱気の包み足が上昇トレンドの天井で出現した場合は、下降トレンドへの転換を示唆しているとみなせます。この場合も、同様の分析を行い、売りエントリーのタイミングを見極める必要があります。

ただし、つつみ足のシグナルだけに頼るのではなく、他の指標や分析手法とも組み合わせて総合的に判断することが重要です。つつみ足は有効なツールではありますが、100%正確な予測をするものではありません。

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