勝つためのFX取引術 - マルチタイムフレーム分析

FX取引において、勝率を上げるためには、相場の動きを様々な角度から分析することが不可欠です。その中でも注目されているのが、「マルチタイムフレーム(MTF)分析」です。MTF分析とは、異なる時間軸のチャートを組み合わせて相場の状況を把握する手法で、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなど、あらゆる取引手法に応用できる万能の分析方法と言えるでしょう。


本記事では、MTF分析の基本的な考え方から、実際のチャート分析の方法、そして取引手法別の活用法まで、FX初心者でも理解しやすいように詳しく解説していきます。相場の流れを見逃さず、勝率を高めるための必須テクニックを身につけていきましょう。

MTF分析とは? その基本的な考え方

MTF分析の核となるのは、「複数の時間軸のチャートを組み合わせて相場の状況を把握する」というアプローチです。一般的に使用される時間軸は、日足、時間足、分足などがあり、それぞれ特徴的な動きを示します。

MTF分析では、まず長期的な視点から相場の大まかな傾向を掴み、その上で短期的な値動きの分析を行います。つまり、日足や週足といった長期足から中期足の1時間足、そして短期足の5分足や1分足といった具合に、時間軸を絞り込んでいくのがポイントです。

この手順を踏むことで、相場の大局観と局所的な動きを同時に把握できるようになります。長期的なトレンドと短期的な変動を総合的に判断することで、より精度の高い取引判断が可能になるのです。

MTF分析の基本ルール

MTF分析には、以下の3つの基本ルールがあります。

  1. 実際の取引時間軸に関わらず、常に長期足から分析を開始する

  2. 短期足よりも長期足を重視する

  3. 長期足の動きを踏まえて短期足を判断する

つまり、取引タイミングが短期的なスキャルピングであっても、まずは日足や週足といった長期足から相場の大きな流れを把握し、その上で1時間足や5分足といった短期足の動きを分析するのが基本的な流れなのです。

この3つのルールを守ることで、相場の全体像を見落とすことなく、適切なタイミングでエントリーできるようになります。FX初心者の方は、まずはこの基本ルールを理解し、実践することから始めましょう。

長期足から中期足、短期足へ - MTF分析の手順

MTF分析を行う際の具体的な手順は以下の通りです。

  1. 長期足(日足・週足・月足)の分析

    • 相場の大きな流れ、トレンドの方向性を把握する

    • 節目となる重要な水準を確認する

  2. 中期足(1時間足・4時間足)の分析

    • 長期足のトレンドに沿った値動きかどうかを確認する

    • 短期的な調整局面の有無を確認する

  3. 短期足(5分足・15分足・30分足)の分析

    • 中期足のトレンドに沿った値動きかどうかを確認する

    • エントリーのタイミングを探る

このように、時間軸を段階的に絞り込んでいくことで、相場の全体像と局所的な動きを同時に捉えることができます。長期足から中期足、短期足へと分析の視点を移していくことが、MTF分析の基本的な手順なのです。

取引手法別のMTF分析の活用法

MTF分析は、様々な取引手法に応用できる万能な分析手法です。ここでは、代表的な3つの取引手法別にMTF分析の活用法を見ていきましょう。

スキャルピング

  • 短期足(1分足、5分足)で値動きの瞬間的な変化をとらえる

  • 中期足(15分足、30分足)で短期的なトレンドを確認する

  • 長期足(1時間足)で大局観を把握する

デイトレード

  • 中期足(4時間足)で相場の主要な動きを分析する

  • 短期足(15分足)でエントリーのタイミングを探る

  • 長期足(日足)でトレンドの方向性を確認する

スイングトレード

  • 長期足(日足、週足)で中期的なトレンドを把握する

  • 中期足(4時間足)で短期的な調整局面を確認する

  • 短期足(1時間足)でエントリーのタイミングを検討する

このように、取引手法に応じて、分析の重点を置く時間軸が異なってきます。MTF分析の柔軟な活用が、勝率向上につながるのです。

実践例:MTF分析でドル円相場を読み解く

ここでは、実際のドル円相場の動きをMTF分析の観点から解説していきましょう。

まず、長期足の日足チャートを見ると、2021年1月のバイデン政権発足以降、ドル円相場は上昇基調にあることがわかります。この長期的な流れを把握することが重要です。

次に、中期足の1時間足チャートを見ると、この1週間は113.50円~115.70円の範囲で上下動を繰り返す、いわゆる「レンジ相場」の様相を呈しています。

最後に、短期足の10分足チャートを確認すると、2月4日の米雇用統計発表を受けて一時的な円安ドル高の動きがあったものの、その後は115.20円付近を挟んだレンジ推移となっていることがわかります。

以上のMTF分析の結果から、以下のような相場観が導き出せます。

  • 長期的には上昇トレンド継続

  • 中期的にはレンジ相場

  • 短期的には一時的な円安ドル高の修正局面

ここで、長期的なドル高基調を踏まえつつ、短期的な円安の修正場面でドルを売る、といった具合に、MTF分析に基づいた取引戦略を立てることができるのです。

MTF分析の活用ポイント

MTF分析を活用する際のポイントは以下の通りです。

  • 長期足から分析を始め、徐々に短期足へと視点を移す

  • 長期足と短期足の方向性が一致しているかを確認する

  • 短期足の値動きに惑わされずに、長期的な視点を忘れない

  • 各時間軸のチャートを並べて確認する

FX初心者は、しばしば短期的な値動きにとらわれがちです。しかし、MTF分析を活用することで、相場の大局観を見失わずに適切なタイミングでエントリーできるようになります。

また、MTF分析は取引手法に関わらず、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなど、あらゆる状況で活用できるのも大きな特徴です。FXトレードの勝率を高めるための必須テクニックだと言えるでしょう。

おわりに

本記事では、FX取引における強力な武器「マルチタイムフレーム(MTF)分析」について詳しく解説しました。

MTF分析の基本的な考え方、具体的な手順、そして各取引手法への応用方法まで、FX初心者の方でも理解しやすいように丁寧に説明しました。

相場の大局観と短期的な変動を同時に捉えられるMTF分析は、FXトレードの勝率を飛躍的に高める必須テクニックです。ぜひ本記事の内容を参考に、MTF分析のスキルを身につけていきましょう。

ここから先は

0字

¥ 550

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?