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利き手変換

かつて「本態性振戦」と診断された右手(利き手)の震えが酷くなってきたので、以前とは別の脳神経内科を受診してみた。

その医者が言うには「本態性振戦」ではなく、双極症から来るものなのだと。かつてに較べると互いを庇い合うかのように、医者同志で診断を支持し合う悪しき慣習が消えつつあるように思う。良いことだ。

結局、「メンタルの方の先生と相談してください」ということに。しかし、既に20年近く治らない双極症がすぐさま治るわけもなく、丸投げ感は否めない。
 
とりあえずの対処療法として医者が提案してきたのが「利き手変換」なのは笑える。でも面白そうなので、採用。

さっそく箸を左手に持って夕食を食べてみた。箸先が幾分あいにくいが、思いのほか何とかなった。あえてコツを言うならば、「自分は出来るはず」と信じ込む自己暗示力かと。僕は弦楽器を弾いていたので、左手は弦を押さえると言う役割を果たしていたはずなのである。

著名なギタリストである村治香織さんが何かの番組で「左手は職人、右手は芸術家」と述べていた。

普段の食事で芸術性を求められることは、まず無いので、しばらくは職人として「修行」に励んでみようと思う。


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