本の紹介(パトリシア・ハイスミスと宮内悠介)
お久しぶりです。ひとまず生きてます。
少し躁気味です。
おかしなことを書いて、やらかしそうです。脳内のモノも含めて下書きは増えていくのですが、あとで悔やむのも嫌なので当たり障りの無いことを。
最近読んだ本の紹介など。
パトリシア・ハイスミス著『11の物語』(ハヤカワ文庫)。短篇集です。表紙が僕を含めて集合体恐怖を持つ人には微妙に掠りそうですが、中身の「ゾワっとする感」には遠く及びません。著者はよほどカタツムリが嫌いなのか、11篇のうち2篇でカタツムリを悪役に仕立てています。
それよりも「恋盗人」「すっぽん」「アフトン夫人の優雅な生活」がお勧めです。特に「アフトン夫人の〜」は現実、認識が如何に脆いものかを改めて教えてくれます。
実はまだ残りの4篇は読んでないのですが、とりあえず良かったので紹介しました。でも、鬱の時には良く無いかも。
あと最近ハマっている作家に宮内悠介がいます。まずは『超動く家にて』(創元SF文庫)という短篇集から手を付けました。ときどき買っている電子工作の最古参雑誌『トランジスタ技術』を題名に含む「トランジスタ技術の圧縮」を収録しているからです。以前にもご紹介したかもしれませんが、「アニマとエーファ」はとても興味深いものでした。AI(とは明示していませんが)と心理学を扱っています。
著者自身も語っていますが、シリアスと(真面目に)ハチャメチャが混在している(それで彼はバランスを取っているらしい)のも取っ掛かりにはよろしいかと。
その次に読んだ『エクソダス症候群』(創元SF文庫)は著者の初長篇だそうです。開拓期の火星で唯一の精神病院を舞台に物語は繰り広げられます。かなり陰惨な話が続くので、鬱期の方にはこれまたお勧めできませんが、著者は相当量の資料を読み込んでおり、現在の精神疾患、精神医療に対する彼なりの意見を明確に打ち出している点に好感が持てました。