#104 雑記 - 毎日投稿64日目

沈むと普段聞かない音楽を聞こう、調べようみたいな気持ちが湧いてこないけど、今日は「いつも」から少しだけ離れた曲を聴いて過ごしてた。

山下達郎 - 「蒼氓」・「踊ろよ、フィッシュ」

監督のモリカツは今年の4月~5月にかけての緊急事態宣言下で撮りためた無人の東京各地の映像に楽曲を重ね合わせた。人々が消え、静寂に包まれた街に楽曲が溶け込み、恐怖すら感じさせる映像美は圧巻の一言。まさにコロナ禍のあの時期でしか撮影することが不可能だった、資料としても貴重な映像である。

TOWER RECORDS 公式サイトから引用

山下達郎さんの曲はもちろん知らなかった訳ではないけど、深く慣れ親しんだかと言うと大袈裟になる。
この「蒼茫」「踊ろよ、フィッシュ」も曲は知っていた。ただMVは2020年に制作されたそう。(引用元の「今年」は2020年)
「蒼氓」では渋谷、新宿、池袋、上野、新橋、品川など、都外に住んでる人にもどこかしらには馴染みがありそうなターミナル駅が異様なほど静まり返った映像が続く。普段人に溢れて見えづらいけど、雑踏を剥いだターミナル駅の佇まいはゾッとするほど美しい。一種の退廃を感じさせる場所は個人的に行くのも見るのも大好きで、コロナ禍のお台場なんかはまさに絶好だった。決して望ましい時間ではなかったけど、人に溢れて普段は見えない表情を見られたのは貴重だったと思う。
静かに眠るターミナル駅やその周辺の景色は楽曲の進行と共に徐々に明らんで朝になり、物悲しさと生きる希望を求める歌詞の世界を表している。映像と歌詞が今の気持ちにピッタリとハマっていて、スッと入ってきた。
その後立て続けに流れる「踊ろよ、フィッシュ」では、石田ゆり子さんの日常的な、暖かな雰囲気の映像が続いて、蒼氓の少し寒々しい空気感からの緩急に安心できた。

刺激が強いと拒否反応が出るけど、刺激が無さすぎても沈み込んでいくだけなので塩梅が難しいので、今日はいい具合にハンドルを握れたかもしれない。

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