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事業再構築補助金の闇③重複案件ルールについて

シリーズ2本目の前回は、「国庫及び公的制度からの二重受給(旧:重複案件)」について、公募要領の変遷を中心に見ていきました。

第8回公募要領(P22)

それでは3回目ですが、第8回公募から追加された「~公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬~」の部分について

①これは具体的にどういうことなの?
②これはいつの申請者(採択者)に適用されるの?

にフォーカスしてみていこうと思います。

その前に、事業再構築補助金のよくあるご質問も確認しておきましょう。

というように書かれています。

つまり、補助事業(新たに補助金を受けて行う事業)の売上の中に、国が助成する事業(国費が入っている事業)については、補助金の対象外ということが書かれています。

でも、そもそも

国が助成する事業ってなに?

となりますよね、
私はこのように捉えています。
「国の助成なしの単独では、採算が合いずらい事業、もしくは事業そのものが成り立たない事業」

例えば医療。
病気になり病院へ行ったときに100%自己負担だとしたらどうでしょう?
病院へ行きたくても、お金が払えなくていけない人がでてくるのではないでしょうか?
所得等に応じ、3割負担や2割、1割負担、高額医療費制度などの上限があるため、現在の医療制度は成り立っています。
その背景には国や地方自治体の助成する仕組み(国民皆保険制度)があります。

介護も同様でしょう。
介護が必要になった場合、全額自己負担であれば、介護サービスを受けられる人がかなり限られてしまいます。
当然、介護状態になれば、年金などを除けば、定期的な収入が少ない方も多いでしょう。
そのために、1割などの低い自己負担で介護サービスが受けられる介護保険という仕組みが作られています。

あと2つ事例をあげます。
次は障がい者福祉です。
これも介護と同様に、障がいを持つ方が必要なサービスを受ける場合、その全額を自己負担することが可能なケースは多くないと思います。
放課後等デイサービス、障がい者向けグループホーム、就労支援事業など、自治体や国が一定の助成(財源の負担)を行って制度を作っているからこそ、制度が成り立ち、そこでサービスを提供する事業者が存在できることになります。

そして最後は保育。
一部高額なインターナショナルスクールや国の補助がない学童保育などは除かれますが、幼保無償化もあり、多くの保育園、幼稚園には、国の補助(国庫負担)がある状況です。

以上のように、一定の国の関与がなければ成り立ちにくい、保育(保育園)、医療、介護、障がい福祉の分野は事実上、国が助成する事業に分類されるケースという理解になります。


これが、

①これは具体的にどういうことなの?

の答えです。

第8回公募要領に「~公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬~」が追加されたことにより、保育、医療、介護、障がい福祉に関する事業は事業再構築補助金の対象外

になりました。
そして、重要なことなので、何度も書きますが、このルールは

第1回の申請者(採択者)にも適用されます。

第1回の申請者(採択者)も補助対象外(補助金返還対象)です。

交付決定済でも交付取消、補助金を受領していても、補助金返還となります。

次回はもう少し具体的にどのような事業が補助対象外になり、補助金の返還を求められるのか、詳しく見ていきます。


過去記事リンク
事業再構築補助金の闇① 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇② 重複案件ルールについて


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