2021シーズンのルートインBCリーグ代表の私が期待する事 PART2

ルートインBCリーグ代表の村山哲二です。

開幕して1か月。緊急事態宣言化で、各球団は制限された中で、精一杯の運営を行っています。リーグ事務局が東京に拠点を置いている事から、県を跨いでの移動を最小限に抑えなければならない状況化にあり、今は特別な要件が無い限り視察を控えている状況です。

視察が限られる中、2021シーズンの最初に期待して欲しい2名の選手を紹介します。

ルートインBCリーグの魅力の一つが、様々なストーリーを持った選手達が集まるリーグだと言う事です。

普段から懇意にして頂いている横浜DeNAベイスターズの三原球団代表から、以前、興味深い話を聞いたことがあります。

“ベイスターズにルートインBCリーグ出身選手が複数名いるけど、みんな人気があって、グッズも良く売れる。
理由は、普通の選手達にはないストーリーがあるから。
NPBにドラフト指名を受けて入団してくる選手は、ほぼ全員が、甲子園ではスーパースター、大学でも神宮で大活躍、社会人野球でも都市対抗で活躍して、それぞれのカテゴリーで日の丸を背負った選手達ばかりだ。
しかし、独立出身の選手達は、怪我等、様々な理由で野球界のレールから1回外れた選手達が、もう一度奮起して、独立リーグという新しいレールに乗ってこの世界にやってくる。ファンはその選手のストーリーを良く知っていて、応援していただけるのだと思う“

　そんなストーリーを持った選手の一人目。

今年36歳、リーグ創世記から活躍を続け、今年リーグと同じ15年目のシーズンを迎える群馬ダイヤモンドペガサスの主砲、外野手兼任打撃コーチの井野口祐介選手です。

　シーズン開幕直前、同じく15年目のシーズンを迎える新潟の稲葉選手と3名で対談を行いましたが（2021シーズンの選手名鑑必読！）、そのインタビューで彼は、とても印象に残る「言葉」を残してくれました。

　“いつまで選手を続けるのかという質問を頻繁に受けますが、それは私にとって、あなたはいつまで生きますか？と同じ質問です。野球が好きで、まだまだ成長したくて、今よりももっと遠くに打球を飛ばしたいと思って、日々成長を続ける為に努力を重ねているからです”

　シーズンが始まって1か月、井野口選手は絶好調。23打数10安打16打点（5月5日現在）打率0,435で、堂々のリーグ4位につけています。
　しかし、彼の本当の凄さはこの数字ではありません。彼は群馬ダイヤモンドペガサスの選手達の「心」と「身体」に大きな変化をもたらしているのです。近年の群馬打線の恐ろしさはまさに彼が率先してトレーニングを行っており、若い選手達がベテランの彼に啓発されて取り組んでいる成果が出ています。
　速水、鹿沼、中道に新人の有馬と霜田が相手投手陣に襲い掛かる姿が見ていて本当に迫力満点。今年もその中心には井野口祐介がいます。
　今年も成長を続ける群馬の打線と井野口祐介に期待してください。

　2人目は今年、大ブレークが期待される新人です。大橋武尊　東京都出身の19歳、とんでもないスピードスターが出現しました。

驚愕のスピードは、出場10試合で決めた盗塁数は何と19個。1試合平均、2個の盗塁を決めています。しかも失敗はわずか１（5月5日現在）。私がインターネット解説をした試合でも、1試合で4つの盗塁を平気で決めて見せました。
　彼の武器は足だけではありません。シートノックで彼のバックホームの肩の強さに驚きました。異次元の足と肩でダイヤモンドを駆け巡る、高校野球未経験のスピードスターの出現です。
高校生の時に単独で渡米してIMGアカデミーで野球を学び、今年、帰国して茨城に入団。その才能を遺憾なく発揮しています。

彼のプレーを視察したパ・リーグのスカウトから話を聞きましが、足が速い選手と肩が強い選手、そして年齢が若い選手は、NPBで活躍できる可能性が大いにある。今日は彼のスピードを見れたことが何よりの収穫だった。千葉ロッテで活躍を続ける和田康士朗にその姿が被ると。

その日、計測された2塁盗塁タイムはなんと3,17秒。全くの未完成品で且つ粗削りですが、末恐しい選手が現れました。

36歳、15年目の主砲が牽引するチーム。19歳のルーキーがダイヤモンドを駆け巡るチーム。

それぞれの選手達が、それぞれのストーリーを背負って、自身の目標に向かって懸命にプレーをする。選手が懸命に成長しようと努力を重ねる姿を地域のファンが応援する。

それがルートインBCリーグです。12県で、地域の皆様に支えて頂きながらそろぞれの夢を叶えようとこの場所に集った選手達に、エールを送って頂きたいと思います。そして、みなさんの気になる選手、気になるチームを是非、このルートインBCリーグに投稿してください。