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これを聴いてる「俺かっけー」とかなんかそういう感情

TaiTan:異才のラッパークリエイティブディレクター

TaiTanさんは、Dos Monosnというグループのラッパーだ。それ以外にも、クリエイティブディレクターとしても幅広い活動を展開している。これまで3枚のアルバムリリース、台湾のIT大臣オードリータンや、小説家の筒井康隆とのコラボレーションも行っており、Podcast『奇奇怪怪』やTBSラジオ『脳盗』ではパーソナリティもつとめる。

初めてTaiTanさんを知った放送

私が初めてTaiTanさんを知ったのは、渡邉康太郎さんとのRadioでした。

この放送の特に後半。Podcastを通じて目指したい世界の話がおもろかった。TaiTanさんは、ご自身をストレンジャーであり、世間との「ヨレ」や「ズレ」が逆にメリットでなると強調しています。そんな彼はオワコンメディアに注目するのですが、コロナ渦に入ってた時のタイミングで注目したのたのがPodcastでした。当時、シーンに勝者がいない状況だったとか。そんなシーンで自分は新しいプレイヤーになれないか?と考えてた述べています。

Podcastでは、単に有益な情報を伝えるだけではなく、その伝え方やテンション感が重要だと彼は語ります。100の有益な情報をただ伝えるだけでは、相手に伝わらない。そこには、感情に訴える何かが必要だと語ります。情報性に振り切る立場の人をコメンテーターと、情感に振り切るお笑い芸人の間に位置するプレイヤー。TaiTanさんの試みは、その新しいプレイヤー像を模索するものでもあります。

スタジオボイス的なるラジオ番組

そこで彼が参照するのは、かつての雑誌『スタジオボイス』。
着眼しているのが、中身ではなく、その存在。別に読んでないけど、所有していたり、それに触れているみたいな時間に着眼している点にすごーく、ユーモアを感じました。TaiTanさん曰く、「これを持っている「俺かっけー」とかなんかそういう感情」そのノリや感情をラジオ番組に取り入れることで、新しい形のラジオを作りたいという思いがあるそう。

スタジオボイス的なるものがあった時の自分の感情をラジオというメディアで再現することを目指しているという。
これは大学生の頃、サークルの先輩の家に遊びに行ったとき、部屋にDJブースがありレコードが何十枚も置いてて、タバコを吸いながらコーヒーを淹れられた時の感覚かな、と想像した。そこにいる自分、「いるだけでなんか俺かっけーかも」と思えた時間。
社会人になってから、あの感覚を思い出したくてYouTubeで当時の曲を聴いたりしても、あのとき、集まった人達と過ごしたトロ味のある空間は戻ってこなかった。彼の話から、自分は勝手に刺激を受けてそんなことを考えた。

そうしてファンになって、彼のPodcatsによって創り出したい世界感が反映されていると思った放送が、流通空論の第10回目。

ここで、東京カレンダーの編集長に失礼のないように、丁寧に「港区女子(笑)」という話や、ついに東京カレンダーが下北や三宿まで降りてきたか的な話をする。この放送はかなりお互い腹を割ったトークに感じたし、逆に東京カレンダーの編集意図も伝わってよかった。

私は決してイケてるグループ側ではなかった。しかも地方出身なので東京のこともあまり詳しくない。しかし、これを聴いている「俺かっけー」的な、なんかそういう感情なった。
Podcatsは耳からの情報だけで無限の妄想を膨らまらせる。
これからもTaiTanさんの番組を聴いて「これを聴いている「俺、何かかっけー」」時間に浸りたいし、TaiTanさんの試みを心から応援したい。

終わり

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