ドルはニューヨーク時間帯終盤に失速、ドル円は一時156円台後半まで円高が進む、氷見野日銀副総裁の講演に注目が集まる FX・デイリーレポート2025.1.14(2025.1.13)
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13日の外国為替市場ではドルは終盤に失速した。週末の米雇用統計で労働市場の強さが改めて示されたことを受け米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が引き続きドル買いを支援する要因となり、欧州時間帯序盤には一時110.17付近まで上昇し、2022年11月以来の高値を付けた。ただ、その後は米長期金利の上昇が一服するなか伸び悩む展開となり、ニューヨーク時間帯終盤には109台半ばまで失速し、この日の上昇分をほぼ失った。この日は特に重要な経済指標の発表もなく、週末の流れを引き継ぐ格好となったが、終盤は急激なドル高への警戒感からポジション調整的なドル売りも出ていた模様。
尚、米ニューヨーク連銀が13日発表した2024年12月の消費者調査によると、1年先の期待インフレの中央値は3.0%で前月から変わらなかったものの、3年先の期待インフレは前月の2.6%から3.0%へと上昇した。一方、5年先の期待インフレは前月の2.9%から2.7%へ低下した。短期や中期の物価上昇に対する警戒感が強まる一方で長期の物価上昇への警戒感は後退した。
ドル円(USD/JPY)は東京時間帯からやや円買いが優勢となり、米国時間帯には一時157円台を割り込み156.90円付近まで円高が進行した。米雇用統計通過後のポジション調整から円が買い戻されたと見られ、その後は157円台中盤を回復している。一方で先週末にブルームバーグが関係筋の話として「日銀は物価見通しを上方修正する可能性がある」と報じており、市場では日銀の金融政策決定会合を控え利上げへの警戒感も高まっている模様。尚、14日には日銀の氷見野副総裁の講演が予定されており、講演内容によっては円が大きく変動する可能性がある。
米商品先物取引委員会(CFTC)が13日に発表したCommitments of Traders (COT) Reportsによると、1月7日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のシカゴマーカンタイル取引所(CME)円先物のネットポジションは20,189枚の売り越しとなり、前週の8,443枚の売り越しから11,746枚売り越し幅が拡大した。
ユーロドル(EURUSD)は前週末の流れを引き継ぐなか欧州時間帯序盤に一時1.0178ドル付近まで下落した。欧米の金利差拡大への警戒感が引き続きユーロを圧迫したものの、ニューヨーク時間帯に入るとドル高一服を受けて下げ止まり、終盤にはドル安主導で1.0242付近まで上昇した。ただ、調整の範囲内の上昇に留まっている。
CFTCが13日に発表したCOT Reportsによると、1月7日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のCMEユーロ先物のネットポジションは64,124枚の売り越しとなり、前週の69,564枚の売り越しから5,440枚の売り越し幅が縮小した。
ポンドドドル(GBPUSD)は前週末の流れを引き継ぎ一時1.2097ドル付近まで下落したが、その後はドル安主導で切り返し、ニューヨーク時間帯終盤には1.2170ドル付近まで上昇した。
CFTCが13日に発表したCOT Reportsによると、1月7日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のCMEポンド先物のネットポジションは14,506枚の買い越しとなり、前週の20,835枚の買い越しから6,329枚買い越し幅が縮小した。
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