ドルはPPI受け軟化、一方ドル円は日銀の過度な利上げ観測が後退し158円台を回復 FX・デイリーレポート2025.1.15(2025.1.14)
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投資助言部
外国為替グループ
14日の外国為替市場でドルは主要通貨に対し下落した。ドルインデックス(DXY)は東京時間帯から欧州時間帯にかけては前日のNYクローズにかけての下落が一巡し、109台中盤の狭いレンジ内で推移していた。ただ、ニューヨーク時間帯序盤に発表された米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ると過度な米国の利下げ後退観測が幾分和らぐなかドル売りが優勢となり、終盤の取引では109.20付近まで下落した。また、翌日には米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、直近の上昇に対するポジション調整的なドル売りも出ていた模様。
この日、米労働省が発表した12月のPPIは前年同月比3.3%上昇となり、前月の3.0%から伸びが加速したが、市場予想の3.4%上昇を下回った。前月比は0.2%上昇と前月の0.4%から伸びが鈍化し、市場予想の0.3%上昇を下回った。食品とエネルギーを除くコアPPIは前年同月比3.5%上昇となり、前月から変化はなく、市場予想の3.8%上昇を下回った。前月比は0.3%の上昇を見込んでいた市場予想に反し0.0%と横ばいとなった。
また、トランプ次期大統領は14日、自身のSNS・Truth Socialを通じて「税など外国からのすべての歳入を徴収するために外国歳入庁を創設する」と発表した。
一方でPPIが市場予想を下回ったことでドル安に振れたものの、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物フェデラル・ファンド・レート(FF)金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )に大きな変化はなかった。日本時間15日6:00の時点で3月の米連邦公開市場委員会で利下げが決定される確率は79.8%で前日の80.2%からわずかな低下に留まった。1月のFOMCでの利下げ見送りはほぼ織り込まれており、97.3%となっている。
ドル円(USD/JPY)は東京時間帯序盤に日銀の氷見野副総裁の講演中に上下に振れる場面も見られたものの、講演内容的に目新しいものはなく、市場への影響は限定的だった。ただ、金融政策のスタンス判断については「タイミングの判断が難しい」との認識を示したことで日銀の利上げに対する過度な警戒感が後退し全般的にやや円売りが優勢となった。市場では金融政策決定会合を前に副総裁の講演予定を組み込んだことで、日銀が利上げに向けて何らかの方針変更を示唆するのではないかとの警戒感が強まっていた。欧州時間帯以降はドル安に振れたものの、円買いの動きは見られず、ニューヨーク時間帯終盤には158.20円付近まで円安が進行した。
ユーロドル(EURUSD)は反発。東京時間帯から欧州時間帯にかけては1.0253ドル付近で膠着した展開となっていたが、ニューヨーク時間帯序盤に米PPIが市場予想を下回るとドル安主導で反発し、終盤には1.0308ドル付近まで上昇した。ただ、ユーロ買いを支援する直接的な材料はなく、8日以降の膠着レンジへ回帰したものの、現在までのところは安値修正の範囲内に留まっている。
ポンドドドル(GBPUSD)は上値の重さが目立った。欧州時間帯には英財政への懸念から再び軟化し1.2140ドル付近まで下落した。その後はドル安主導で反発したものの、前日の高値には届かず、1.2210ドル付近でNYクローズを迎えた。
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