サンクスギビング・デーを迎え全般的には様子見、日本時間29日早朝の取引では東京のCPI上昇を受け円買いが優勢 FX・デイリーレポート2024.11.29(2024.11.28)
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市場調査室
外国為替グループ
28日の外国為替市場では円は小幅に下落した。ドル円(USD/JPY)は前日までの円買いが一巡し、150.50円を下値支持に安値修正から日本時間帯序盤には151円台を回復した。米国のサンクスギビング・デーの祝日を迎え、全般的に見送りムードが強まるなかポジション調整的な円売りが優勢になった。その後、欧州時間帯には一時151.95円付近まで円安が進む場面も見られたが、米国の市場参加者が極端に減少するなか積極的に売買を仕掛ける動きは見られず、以降の時間帯は151.50円付近の狭いレンジ内で膠着する展開となった。
追記
総務省が発表した2022年基準の11月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.6%の上昇となり、前月の1.8%上昇から伸びが加速した。生鮮食品を除くCPIも前年同月比2.2%の上昇となり、前月の1.8%上昇から伸びが加速したほか、市場予想の2.1%上昇を上回った。また、生鮮食品及びエネルギーを除くCPIも前年同月比1.9%上昇となり、前月の1.8%上昇から伸びが加速した。この結果を受けて29日の東京時間帯序盤から円が買い戻され円全面高となっている。12月の日銀金融政策決定会合での利下げに対する警戒感が強まり、円買いの動きが再開している模様。一方で、同じく総務省が発表した10月の完全失業率は季節調整済みで前月の2.4%から2.5%へ上昇した。
ドルインデックス(DXY)は日本時間帯序盤の取引スタート時に106.15付近まで水準を切り上げ、欧州時間帯には106.41付近まで強含む場面も見られたが、米国の祝日を迎え積極的な売買は見送られており、全般的に106台前半で膠着した展開となった。
ユーロドル(EURUSD)は小幅に下落した。ドル安一服や12月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ観測を受けユーロ売りが優勢となり、欧州時間帯には1.0527ドル付近まで下落した。また、ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中央銀行総裁が27日のパリでの講演で「ECBは12月の理事会でより大幅な利下げの選択肢を残しておくべき」との見解を示したこともユーロ売りを促す要因になった。ただ、その後は米国の祝日を迎え様子見ムードが強まるなか積極的な売買は見送られ1.0548~1.0557ドル付近で膠着した展開となった。
この日、ドイツ連邦統計庁が発表した11月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比で2.2%上昇となり、前月の2.0%上昇から伸びは加速したものの、市場予想の2.3%上昇を下回った。食品とエネルギー価格を除いたコア指数は3.0%上昇となり、前月の2.9%上昇からから伸びが加速した。欧州連合(EU)基準(HICP)では前年同月比2.4%上昇となり、前月の2.4%上昇と伸びは変わらず、市場予想の2.6%上昇を下回った。また、欧州委員会が発表した11月のユーロ圏の経済信頼感は95.8となり、前月の95.7から上昇し市場予想の95.1を上回った。一方で消費者信頼感は-13.7で前月の-12.5から悪化した。市場予想は-13.7だった。
ポンドドル(GBP)は小幅に上昇。日本時間帯から欧州時間帯序盤にかけては前日の上昇を受け利益確定の売りが優勢となり、一時1.2645ドル付近まで軟化する場面も見られたが、その後は徐々に買い戻され1.2690ドル付近まで上昇した。ただ。全般的には米国の祝日を迎え様子見ムードが強く小幅なレンジ内での動きにとどまった。
(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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