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円は日銀の利上げ見送り観測を背景に153円台後半まで円安が進行、一方ユーロは反発 FX・デイリーレポート2024.12.16(2024.12.13)
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
外国為替グループ
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13日の外国為替市場で円は主要通貨に対し下落した。ドル円(USD/JPY)は日本時間早朝から円売りが優勢となり、米国時間帯には153.79円付近まで円安が進行した。日銀が12月の金融政策決定会合で利上げを見送るとの観測や、米国の利下げペースが当初想定されていたペースよりも鈍化するとの見通しを受けて円が売られる展開となった。この日、日銀は12月調査の短観を発表し、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前期から改善したものの、非製造業のDIは悪化した。ただ、全般的には事前予想と結果の乖離が少なく、市場への影響は限定的だった。
日銀が13日発表した12月の短観によると、大企業・製造業のDIはプラス14となり、悪化を見込んでいた市場予想(プラス12)に反し前期から小幅に改善した。一方、先行きのDIは前期の14から13へ小幅に悪化した。大企業・非製造業のDIはプラス33となり、前期の34から小幅に悪化した。市場予想は32だった。非製造業の先行きのDIは前期から変わらず28となった。
米商品先物取引委員会(CFTC)がNYクローズ後に発表したCommitments of Traders (COT) Reportsによると、12月10日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のシカゴマーカンタイル取引所(CME)円先物のネットポジションは25,752枚の買い越しとなり、前週の2334枚の買い越しから23,418枚円買い越し幅が拡大した。ただ、今月9日以降に円安が進んでおり、今週末に発表される17日時点の投機筋のポジションは大きく変動している可能性がある。
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ユーロは反発した。ユーロドル(EURUSD)は前日の流れを引き継ぐなか欧州時間帯序盤には一時1.0453ドル付近まで下落していたが、その後はポンドの下落やポジション調整の動きからユーロが買い戻され反発した。また、ユーロ圏の鉱工業生産が市場予想よりも落ち込まなかったこともユーロ買いを支援し、米国時間帯序盤には一時1.0524ドル付近まで上昇した。ただ、ユーロ圏経済に対する根強い減速懸念や12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では25bpの利下げが確実視されているが、来年以降は米国の利下げペースが緩やかになるとの観測から欧米の金利差拡大が引き続き警戒されており、この日の高値更新後には失速した。NYクローズの時点では下げ止まったものの、1.0502ドル近辺まで上昇幅を縮小した。
ユーロスタットが13日発表したユーロ圏の10月の鉱工業生産は季節調整済みで前月比0.0%となり、0.1%減への悪化を見込んでいた市場予想に反し横ばいとなり、前月の1.5%減から改善した。前年同月比では1.2%減となり、前月比と同様に前月の2.2%減から改善した。市場予想は1.9%減だった。
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一方、ドイツ連邦統計庁が13日発表した10月の輸出は前月比2.8%減となり、前月の1.8%減から減速し、市場予想の2.0%減を上回る落ち込みとなった。輸入は前月比0.1%減で、前月の2.0%増から減少へと転じた。その結果として、貿易収支は134億ユーロの黒字となり、前月の169億ユーロから大幅に減少し、市場予想の161億ユーロを大幅に下回った。
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CFTCがNYクローズ後に発表したCOT Reportsによると、12月10日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のCMEユーロ先物のネットポジションは75,573枚の売り越しとなり、売り越し幅は前週から18,084枚拡大した。前週は57,489枚の売り越しだった。
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ポンドは続落。ポンドドル(GBPUSD)は、前日の軟調な地合いを引き継ぐなか日本時間帯序盤からやや弱含みで推移した。欧州時間帯序盤には英国の10月の国内総生産推計値が2カ月連続のマイナス成長をなったことを受け、ポンド売りが急速に膨らみ1.2622ドル付近まで下落した。その後はポジション調整から1.2660ドル台まで買い戻されたものの、米国時間帯に入ると再び失速し1.2610ドル付近まで下落した。フィキシング通過後も戻りは鈍く、この日の安値圏で週末のNYクローズを迎えた。
英統計局(ONS)が13日発表した10月の国内総生産(GDP)推計値は前月比0.1%減となり、前月の0.1%減から2カ月連続のマイナス成長となった。市場は0.1%増への改善を見込んでいた。
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CFTCがNYクローズ後に発表したCOT Reportsによると、12月10日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のCMEポンド先物のネットポジションは27,125枚の買い越しとなり、買い越し幅は前週から7,799枚拡大した。前週は19,326枚の買い越しだった。
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ドルインデックス(DXY)はNYクローズ時点では107付近で前日からわずかに上昇したものの、ほぼ横ばい。FOMCを今月17-18日に控え積極的な売買が見送られるなか、米国時間帯序盤にはユーロの上昇を受けて一時106.72付近まで下落する場面も見られたが、終盤にかけて買い戻され107付近まで回復した。
尚、シカゴマーカンタイル取引所(CME)グループが30日物フェデラル・ファンド・レート(FF)金利先物の動向に基づき算出するFed Watchによると、13日のNYクローズ時点で12月のFOMCで利下げが決定される確率は96.0%となり、前日の97.5%からわずかに低下したが、今会合での利下げは確実視される状況となっている。一方で利下げが見送られる確率は3.9%となっている。
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(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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