ビットコインは10万ドル台回復、米利下げ観測で上昇幅拡大 暗号資産市場全般も堅調 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.12(2024. 12.11)
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市況概況(ビットコイン)
11日のビットコインは反発。BTCUSDは日本時間帯序盤から堅調に推移した。前日まではデリバティブ市場を中心に瞬間的に下振れるなど不安定な相場環境となっていたが、この日はほぼ右肩上がりの展開となり、米国時間帯には節目の10万ドルを突破し終盤には101,750ドル付近まで上昇した。上場投資信託(ETF)への資金流入が続いていることや米消費者物価指数(CPI)が市場予想通りの結果となり、今月のFOMCでの利下げが確実視される状況となったことが支援要因となった。また、世界最大のヘッジファンドBridgewater Associatesの創業者の投資家レイ・ダリオ氏が「主要経済国のほとんどが債務問題の増加に直面するなか、債務資産を避けながら金やビットコインなどのハードマネーに投資する」と述べたと伝わったことも投資家心理を好転させ買いを促す要因になったと見られる。
一方でこの数日間の上下動で先物市場ではロスカットを含み大量のポジションが清算されたにもかかわらず、未決済建玉が再び増加している。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間12日午前6:00時点でビットコイン先物未決済建玉は618億7000万ドルとなり、11月22日のピーク時の640億3000万ドルに接近しつつあり、先物主導でボラティリティの急激な上昇を引き起こす可能性も高まっている。
日本時間午後に出揃った11日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億3955万ドルとなり、9営業日連続での流入となった。米国での政権移行が近付くなか、トランプ次期政権による暗号資産や関連業界への支援策や規制緩和期待感から証券市場を通しての資金流入も活発化している模様。
また、米労働省が11日発表した11月のCPIは季節調整済みで前年同月比で2.7%上昇となり、前月の2.6%上昇から伸びがやや加速したが、市場予想の2.7%上昇と一致した。前月比は0.3%上昇で同様に前月の0.2%からやや加速したが、市場予想の0.3%上昇と一致した。変動の大きい食品とエネルギー成分を除くコアCPIは、前年同月比3.3%上昇し、前月からの伸びに変化はなく、市場予想の3.3%上昇と一致した。前月比も前月から変化はなく0.3%上昇で市場予想の0.3%上昇と一致した。
この結果を受けて、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が上昇した。シカゴマーカンタイル取引所(CME)グループが30日物フェデラル・ファンド・レート(FF)金利先物の動向に基づき算出するFed Watchによると、12月のFOMCで25bpの利下げが決定される確率はCPI発表直後から上昇し、日本時間12日午前6;00現在で98.6%となった。尚、CPI発表前は86.1%だった。一方で利下げが見送られる確率は前日の11.1%から1.4%へ低下した。
11日のBTCJPYは日本時間帯序盤から堅調に推移した。BTCUSDの上昇に連動したほか、欧州時間帯以降は外国為替市場で円が対ドルで下落したことが支援要因となり、米国時間帯には節目の1500万円を突破し一時1550万円付近まで上昇した。ドル円は、日銀が利下げを急いでいないとの報道を受けて152円台後半まで円安が進んだ。ブルームバーグは11日、日銀関係筋の話として、日銀は消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっているなかで、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識していると報じた。一方、今後公表されるデータや為替相場の動向次第では、来週の金融政策決定会合での実施の可能性もあるという。
市況概況(イーサリアム)
11日のETHUSDは反発した。日本時間帯序盤は3660ドルを抵抗に上値の重い展開となっていたが、午後に入ると暗号資産市場全般の上昇に連れ高となり、以降は堅調に推移した。ETFへの資金流入が継続していることが引き続き支援要因となったほか、米国の利下げが確実視される状況となり、米国時間帯終盤には3830ドル付近まで上昇した。尚、日本時間午後に出揃った10日のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス3億574万ドルとなり、12営業日連続で流入し最長記録を更新した。
11日のETHJPYは反発。ETHUSDの上昇や外国為替市場で円が対ドルで下落したことが支援要因となり、米国時間帯終盤には580,000万円付近まで上昇した。
市況概況(リップル)
11日のXRPUSDは続伸。日本時間未明にリップル社のCEO(経営最高責任者)ブラッド・ガーリングハウス氏がXに「同社のRLUSDステーブルコインはニューヨーク州金融サービス局から最終承認を得た」と投稿したことをきっかけに上昇に転じると、日本時間早朝には2.4255ドル付近まで上昇した。その後は利益確定の売りに押されつつも底堅く推移すると、米国時間帯には米CPIが市場予想と一致し、今月のFOMCでの利下げが確実視される状況となり、利下げを期待した買いに支えられ一時2.4700ドル付近まで上昇した。その後は終盤にかけてやや伸び悩んだものの、この日の高値圏を維持している。
11日のXRPJPYはXRPUSD連動して続伸した。リップル社のRLUSDステーブルコインのニューヨーク州での承認が引き続き支援要因となったほか、外国為替市場での円安進行も支援要因となり、米国時間帯終盤には371円付近まで上昇した。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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