米雇用統計を控えるなかドルは続伸、ドル円は円安一服 外国為替(FX)・デイリーレポート2024.10.4(2024.10.3)
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3日の外国為替市場では引き続きドルが上昇。米雇用統計の発表を控え、全般的に様子見ムードが広がるなか、中東情勢の緊迫化を背景としてリスクオフトレードによるドル買いが継続した。また、欧州通貨の下落や11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退していることもドル買いの支援要因になった。
一方、ドル円(USD/JPY)は急激な円安の動きは一服したものの、147円台を回復する場面も見られた。日銀の野口旭審議委員が長崎市で開催された金融経済懇談会で、「緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要」と述べ、追加利上げに慎重な姿勢を示したことや日銀が公表した2024年第2四半期の需給ギャップ試算値がマイナス0.55となり、前期からマイナス幅は縮小したものの、17期連続でマイナスとなったことが円売りを促す要因になった。ただ、全般的には米雇用統計の発表を控え、積極的な売買は手控えられ、146円台後半で方向感を探る展開となった。
また、米国時間帯には失業保険申請件数やISM非製造業景況感指数がそれぞれ発表されたが、まちまちの内容だったこともあり、市場への影響はほとんど見られなかった。尚、米労働省が発表した9月28日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで22万5000件となり、前週から6000件増加し、市場予想の22万件を上回った。また、米供給管理協会(ISM)が発表した9月の非製造業景況感指数は54.9となり、前月の51.5から上昇し、市場予想の51.7を上回った。1日に発表された製造業景況感指数は製造業の減速が示されたものの、非製造業は堅調に推移している。
ポンドは下落した。ポンドドル(GBPUSD)は、イングランド銀行(BOE)のベイリー総裁が英国メディアに対し、「インフレの動向次第で一段と積極的に利下げに動く可能性がある」との発言したことを受け急落した。これまでBOE、ベイリー総裁ともに利下げに慎重な姿勢を示してきたこともあり、ややパニック的な売りに米国時間帯には一時1.30900ドル付近まで下落した。尚、同総裁は「中東情勢の緊迫化により、市場への深刻な影響が懸念されており、事態が悪化した場合は制御できなくなる恐れがある」と語った。また、この日S&Pグローバルが発表した9月の英サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.4となり、速報値の52.8から下方修正されたほか、前月の53.7から低下し、市場予想の52.8を下回ったこともポンド売りを促した要因になった。ただ、景気判断基準の50を引き続き上回っている。
ポンド円(GBP/JPY)は192.105円付近まで下落した。米国時間帯は下げ止まったものの前日から2円弱水準を切り下げている
ユーロドル(EURUSD)は続落。10月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測や、ユーロ圏PMI改定値がサービス部門は底堅さを示したものの、前月から低下し先行に不透明感が広がったこともユーロを圧迫した。S&Pグローバルが公表した9月のユーロ圏HCOBサービス部門PMI改定値は51.4となり、速報値の50.5から上方修正され、市場予想の50.5を上回った。ただ、前月の52.9からは低下した。また、ユーロ圏HCOB総合PMI改定値は49.6となり、速報値の48.9から大幅に上方修正され、市場予想の48.9を上回った。一方で、前月の51.0から低下し景気判断基準の50を割り込んだ。
ユーロ円は161円台後半から162円付近で膠着し、方向感を探る展開になった。
(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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