ドル続伸、ドル円はNYタイムで一時153円台まで上昇 FX・デイリーレポート2024.10.24(2024.10.23)
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23日の外国為替市場でドルは主要通貨に対し続伸した。ドルインデックス(DXY)は日本時間帯序盤から米国債利回りの上昇を受けドル買い優勢の展開が続き、米国時間帯には今年7月以来の高値を更新し104.57まで上昇した。NYクローズにかけてドル高は一服したものの、現在も高値圏を維持している。また、この日米連邦準備理事会(FRB)が公表したベージュブックではほぼ全ての地区で経済活動に変化はなかったとしながらも、ほとんどの地区では製造活動が減少しているとした。物価については引き続き緩和しているものの、ほぼ全ての地区でわずかに、もしくは緩やかに上昇しているとした。このベージュブック公表後にドル高は一服しており、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物(フェデラル・ファンド・レート)FF金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )では11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの利下げが実施される確率もわずかながら上昇し93%を付けていたが、その後は再び低下し現在は90.4%。尚、前日は92.5%だった。
円は主要通貨に対し全面安。ドル円(USDJPY)は日本時間帯序盤からほぼ一本調子で円安が進み、米国時間帯には一時153.18円まで上昇した。終盤はドル高が一服したことや介入への警戒感からポジション調整の円買い戻しの動きも見られ、152.60円付近まで下落したが、その動きも一服している。
ロイター通信の報道によると、この日ワシントンで開催された国際通貨基金(IMF)の年次総会で日銀の植田総裁は「基調的なインフレ率は緩やかに上昇している」とし、「インフレ目標を持続的に達成するにはまだ時間がかかる」と述べた。一方で、「不確実性が大きい時は政策変更を慎重に段階的に進めたい」とし、「金利が非常に長期間にわたって低水準にとどまるという期待を抱かせると投機的なポジションが大量に蓄積される可能性がある」と述べ、「円キャリートレードの過剰な積み上がりを抑制するため、金融政策の基本戦略を明確にすることが非常に重要だ」との見解をしめした。また、他国の金融政策が及ぼす影響についての質問に対し「欧米の状況を注意深く見守っている」とし、「中でもここ数カ月は米国経済に何が起こるのかを懸念してきた」と述べた。
ユーロドル(EURUSD)は続落。ドル高が継続するなか、前日に欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーから段階的な利下げを継続することが望ましなどの発言が相次いだことが引き続き材料視されたほか、関係筋の話としてECBの政策担当者らが金利を中立水準以下に引き下げるべきかについて議論を開始したと伝わったことを受け下げ幅を拡大する展開となり、一時は1.0762ドルまで下落した。米国時間帯終盤は下げ止まったものの、米国との金利差拡大が警戒されるなか、戻りは限定された。
ロイター通信はこの日ECB関係筋の話として「ECBの政策担当者らが金利を中立水準以下に引き下げるべきかについて議論を開始した」と報じた。また、この関係筋は「いかなる合意もかなり先になる」と強調したものの、「政策決定を巡る議論の大きな転換を示しており、最終的にECBが利下げを早める、もしくは現在の予想より大幅な引き下げを行う可能性もある」との見解を示したという。
ボンドドル(GBPUSD)は下落した。前日まではドル高に耐性を示し下げ渋っていたものの、この日は米国時間帯に入ると足元のサポートライン1.295ドルを割り込み1.2906ドル付近まで下落した。
(当レポート1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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