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CNN報道を受けて主要通貨に対しドルが続伸、欧州通貨は急落、ドル円は158円台 FX・デイリーレポート2025.1.9(2025.1.8)

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外国為替グループ

 8日の外国為替市場ではドルが続伸した。ドルインデックス(DXY)は、ドイツの経済指標の悪化を受けたユーロの下落や米国債利回りの上昇を受け一時109.38付近まで上昇した。この日、CNNがトランプ次期大統領の事情に詳しい関係筋の話として「計画している関税の導入に法的根拠を与える為に米国家経済の緊急事態を宣言することを検討している」と報じたことで米長期債が売られ、米10年債利回りは4.7%へ上昇した。尚、現在までのところ、この報道に対してトランプ次期政権側からの公式な発表や否定するコメントは出されていない。その後は、ニューヨーク時間帯に労働市場関連の指標が複数発表されたが、雇用統計の発表を週末に控え目立った動きはなく、市場が落ち着きを取り戻していくなかでドル高は一服した。終盤は上昇幅をやや縮小したものの、109台を維持して推移している。
 この日、米ADPリサーチ・インスティテュートが8日発表した2024年12月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は前月比12万2000人増加し、前月の14万6000人増から雇用の伸びが鈍化し、市場予想の14万人増を下回った。

 一方で、米労働省が8日発表した1月4日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで20万1000件となり、前週から1万件減少し、市場予想の21万8000件を下回った。

 ドル円(USD/JPY)は前日までの流れを引き継ぐなか日米金利差縮小期待の後退を受けた円売り・ドル買いが継続しほぼ右肩上がりで円安が進んだ。また、CNNの報道を受けて米国債利回りが上昇したことも対ドルで円が売られる要因となり、報道直後には一時158.54円付近まで円安が進行した。ニューヨーク時間帯以降円安は一服したものの、158円台を維持して推移している。

 ユーロドル(EURUSD)は続落。ドイツの経済指標悪化を受けてユーロ圏経済の減速に対する警戒感が強まるなかユーロが売られたほか、CNN報道をきっかけとしたドル高が圧迫要因となり一時1.0274ドル付近まで下落した。その後はドル高一服を受けて1.0300ドル台を回復したものの、NYクローズにかけて上値の重い展開が続いた。
 この日、ドイツ連邦統計庁が発表した11月の製造業新規受注は季節調整済みで前年同月比マイナス1.7%となり、3.0%の上昇を見込んでいた市場予想に反して低下した。前月比ではマイナス5.4%と前月のマイナス1.5%から大幅に悪化した。また、11月の小売売上高指数は季節調整済みで前月比マイナス0.6%となり、前月のマイナス0.5%から悪化し、0.5%の上昇を見込んでいた市場予想に反し低下した。一方で前年同月比では2.5%となり、市場予想の1.9%を上回った。

 ポンドドドル(GBPUSD)は続落。欧州時間帯にドル高主導で急落し一時1.2320ドル付近まで下落した。英国の財政不安が燻るなか、米国の関税強化を巡る報道を受けて急速にポンド売りが膨らんだ。また、対ユーロでも下落しており、対ドルでの急落時に発生したストップロスが波及したと見られる。

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