中学生の頃、僕は読んで面白かった本をよく父に報告していた。そうすると父は嬉しそうな顔をして、「俺も持ってる」と僕に本を渡してくれたり、同じ作家の違う本を薦めて貸してくれたりした。それが、中学の同級生の他愛のない会話や馴れ合いが退屈だった僕にとって、たまらなく幸せだったからだ。 いま、通い始めた学校で本の装丁を作りなさいという課題が出た。どんなジャンルの本でも良く、フォントの勉強を生かして作りましょう、とのことだった。 課題を出されて、いちばんに思い浮かんだのが金城一紀の「G
美人を優遇したり収入をみたり身長を見たり恋愛遍歴をみたりインスタに投稿してる写真を見たり。 付与されたものや持っているものに何か意味を見出して、自身存在の意味を求めてる。そうじゃないと、自分の存在がつまらなくてやるせなくて、悲しいまま死んじゃうから。 でも結局ただ生きているだけなんだ。 人に言われるこうしたほうがいいああしたほうがいい、ああそうすればよかったって人生で死ぬほど直面してきたけどもうやめようと思った。そう思うなら今からでもやればいい。別にやりたくなければやら
大好きな教授と友人たちにあった 彼らといると、僕は大きな海の中に、ぽつりと浮かんだ一部であって、ちっぽけだけど、ちゃんと世界の一部であることを思い出せる。 僕の変化など大したことではなくて、ただ、幸せであるかどうか、そして他人の幸せを喜べるか、それだけが重要な気がする。 僕が、僕自身が誇りを持てる軸を取り戻せる場所。 昼から先生が豪華なランチを振る舞ってくれて、日本酒の飲み比べセットなんてものも出してくださったから、今ほろ酔い状態で新宿を歩き回って、帰路についている。
僕は、何においてもあまりレビューサイトが好きではないんです。映画、飲食店、本、音楽、、、、怪しい海外のサイトから服を買うときなどは買った人のレビューを遡ってみて検討してしまいますが(笑)特に芸術にまつわるレビューは、昔に比べてうんと読まなくなりました。なぜなら、書き手の言っていたことを先入観に作品を見てしまうからです。自分が、その人の言っていたように見えるよう準備をしてしまう、というか。上手い言葉が見つからないんですが、自分に合わない度数の眼鏡をかけて景色を見ると、歪んで見え
私はだれのものでもない。 知らないだれかと結び付けられて、君はこういう人だ、そういわれることほど退屈なことはない。 何も知らないのだ、君も私も。それが怖いから嘘をつく。それが怖いから仮説を立てて世界を作る。みんなそうして生きている。 笑ってごまかせばごまかすほど、君の好きな君自身もすり減っていって、何もできなくなるよ。私はその怖さを知っている。 だから、だれからも定義されないように生きる。 ときに繊細に、ときに凶暴に。 生きている私にとって一つだけ確かなことは、年
多分社会的に死んでしまうことが怖いから僕は頑張るんだろーな。とか。思いかけてきてる。 誰にも必要とされなかったり、残念な目で見られることがいちばんの恐怖になってる。生きてる上でいちばん怖いのがそれ。 自分が必死になってることとか、打ち込んでることに対して興味を示されなかったり変だとか言われたりしたことが人生の中で人より多すぎたのかしら。確かに僕は物事に出会ってから夢中になるまでのスピードが人より早くて、それに深くまでのめり込もうとする。結構それってみんなそうなのかと思ってたけ
内定式が終わった。 朝、絶対間に合わないと思ったけど間に合った。奇跡である。出発時間に目覚めるなりシャツ、ジャケット、スカートを履いて、ストッキングは時間がかかるから昨日まとめた提出書類のファイルと一緒に鞄へぶち込んだ。到着した駅のトイレで履けばいい。とにかく家に出て、バスと電車をかいくぐって、集合時間につけば良いと極限まで思い詰めた結果だった。 バスは到着時間がまちまちだ。正直平均的に考えて間に合わない時間に乗った。しかし乗客が少なかったおかげで本来乗るはずの電車に間に合っ
目を覚ましたら朝の5時 観ていたはずの映画は途中で記憶が途切れていた いつもと違う重たい布団と、突然僕の前に現れた朝の時間に戸惑っていた。こんなにきっかりと目が覚めてしまうことって滅多にないのだ。 いつものように、僕はなんの抵抗もなくもう一度夢の中へ戻ろうと硬く目をつぶっていた。でも、その時一番に求めていたのは睡眠ではなく、夜風だった。重たい布団の中にこもった熱を冷ましたいのと、なんだか埃っぽい古びた空気が漂っている気がしたのだ。 部屋の窓は二重窓で、目立った様子を見せないよ
気がついたら駅のホームで1時間弱眠りこけていた 上り電車で行き先を過ぎてしまって、下り電車に乗り換えると、今までしらなかった穏やかな風景を見る すかすかの座席の一番端っこを座って、各駅停車で向かった学校の最寄駅 そこに、朝の憂鬱な気持ちは1つもなかった 憂鬱なブルーが、高揚の青にかわった 昨日おばあちゃんと夜遅くまで話して3時に眠って、7時に起きた おばあちゃんもすこし寝坊しちゃってた 急ぎ足で向かう足音、快速急行が私をすっとばす音
窓辺 家の鍵 朝と夜 ブルーライト 催促のはがき 預金残高 手つかずの日記 映画のパンフレット 月 肌 腫れた瞼 銀のネックレス 他愛もないチャット 許せない言葉 新しいイヤホン 吉祥寺 Mura masa リニューアルして再販売されただいすきなパン おやすみの挨拶 忘れない言葉 帰り道欲しかったプロテア 映画 ネットフリックス フィービーブリジャーズ ささやくような歌い方 シネマ バス停までのダッシュ スーツ 眠れない習慣 思い出す人 タイマー 下手
へろへろに疲れた火曜日 迫り来る締め切りと、積まれていくタスク、 気にすべき世間体と、後回しできないプライド。 ぶつかるだけぶつかり合って砕け散り、 その破片は僕のからだに、心に、積もる。 機関車に積まれた石炭みたいに、そいつをいつでも燃料にして走り続けることができればいいんだけど、なかなかそんなふうにはいかない。 今日、大変だねえと言い合いながら美春と帰った。美春が今日の授業で起きたことを話してくれたんだけど、いつも授業に出席してないひとから言われた言葉に、怒りを通り
なんだか今日も眠れないね。 脈絡のない一方的な会話に身を浸して、私は今日を次々ころしていくよ。 大丈夫かな大丈夫かなと、考えるほど大丈夫じゃなくなって、少し前、人に迷惑をたくさんかけた 人のために頑張るんじゃないんだからさ、もっとゆっくりいこうよって言ったら、少しずつだけど、ちゃんと良くなってきた そのとき、きみは大丈夫、って言ってくれたきみのこと、私はずっと忘れないよ 英単語とかさ、覚えようと思ったことはすぐ忘れちゃうのに、些細な心の動きは永遠に覚えてたりするからび
私は寒かった。 爪の先まで凍ってしまいそうなくらい寒かった。 夕暮れどきの景色とは一変、 亡霊のように見える家は黒く塗りつぶされていて、私の視界に立ちはだかる。 夜のベランダは切ないから嫌いだ。 君が後ろからくる。 「寒くない?」と問いながら いつしかこの問いも投げられなくなった 私は煙を吐いて、少しずつ景色を描く 都会でも星が見えるなんて誰が言ったんだろうな。嘘つきにもほどがある。 後ろからの重圧といっしょに、ぬくもりがのしかかる。 生きててよかったと思う瞬
私は、高校生の時、今しかないと大人に言われ、羨ましいと言われ続けていたから、人生の盛りは、青春は、高校時代なんだとおもっていた。 でもそれは違っていたって、私は自分の人生をもって感じることができたから、ちゃんと伝えて生きたい 所詮、20年生きただけで祝われるってウケるな、って感じだし、よく生きたねっていうニュアンスだとしても、いきなりセンチメンタルすぎてなんなのって思う。 これからも私が私のために生きなきゃいけないのには変わりがないし、しかも昨日、かつてのつながりの中に、新し
誰のかもわからない遺骨を、拾い集めるみたいな朝だったわ。なんだか真新しい感じがして価値がある気もするけれど、そこに意味なんて全くないの。 外に出た瞬間、わたしは絶望したわ。ひさびさに早起きをしたというのもあるけれど、今年に入って一番寒い朝だったの。 ありえないことって、本当に起こるのよね。わたしはびっくりしてしまった。こんなんじゃ、特別になるに決まってる。二人にとって忘れられない記憶になるって直感して、絶望した。夜ずっと起きていたのに、外は気づかないうちにカーテンの裏で明
今この空気も、私が思ってることも、タバコ臭い匂いも、愛のある発言も、全部僕の五感がくまなくキャッチして脳に取り込んで、自動的に言語化されれば良いのに。私は、地下にある赤い空間の中にあったとき、何度もそう、直感的に思った。それは録画や録音によって2回目に再生されて解釈したものじゃなくて、初経験のものとして。(初経験と2回目3回目じゃあ、全然違うって話がノリさんも言ってたから。) 結局は、夢を叶えるか叶えないかの問題になってくるんだよ。 本当にごめん!男はね、しょうもない