ひがし北海道爆走の旅
4月の某日、同僚がゴールデンウイークに北海道に行きたいと言い出した。
雑談ついでに神戸から北海道行きの航空券を調べてみると、日付を選べば3万円台で行けるので、僕が北海道に行きたくなってしまった。
北海道はかれこれ5回以上行ったことがあるが、札幌・小樽・函館とその周りしかほぼ記憶になく、それ以外の北海道に行ったのは小学生の頃に登山で連れて行かれたのが最後の記憶である。
車で寝泊まりしながら移動をすると、安く移動できそうだったので、安くて寝泊まりできそうなソリオを5日間3万円で予約し、地球の歩き方の北海道版を購入した。
1日目
朝 9時過ぎに神戸空港から飛び立つ。
車中泊をするために、海外旅行のときに使う大きいスーツケースに寝袋やマットを詰めているので、朝の満員電車は申し訳なさがある。
定刻通り、神戸空港を出発。いつも通り飛行機は窓側の席を予約したが、曇天のせいで景色は離陸後と着陸前の10分程度しか楽しめなかった。
新千歳空港から送迎のバスでレンタカーの営業所に行く。
予約ではソリオなど。と書いていたが、借りたレンタカーはスイフトだった。スイフトのODOメーターを見たら7km。新車だ。安いという理由で選んだレンタカーが新車なのはラッキーだ。
車を受け取って、夕張へ向かった。途中のセイコーマートで昼食をとる。
夕張市
小雨の中、目的地へ向かう。途中に駅併設の大きいホテルがあってかつてのリゾートを感じる(廃駅になったが)
広大な駐車場(遊園地の跡らしい)を通って、立坑に向かって車を進めると、駐車場に向かう道が閉ざされている。その日は火曜日で休館日ということがわかった。
仕方がないので、夕張市内を少し車を走らせ、シューパロダムと三菱大夕張鉄道跡を見て、網走に向かうことにした。
パーキングエリアや道の駅に寄りながら、約6時間車を走らせた。
途中の道の駅オーロラタウン93りくべつでは、元々駅だった建物を道に駅に転用(最初から駅と道の駅を併設していたのかも)している建物で、今でも線路と電車が止まっている。どうやら運転の体験もできるみたいで、興味はあったが夕方で終わっていた。
車中泊をしようと思ったが、網走で安く泊まれる民宿があったので、今日はそこに泊まることにした。
2日目
網走市
朝から、能取岬の灯台を見にいってきた。
勝手に映画「ハナミズキ」のロケ地と思ってたけど、全く違った。
博物館網走監獄に行く。ブラタモリを観るまで、監獄のある場所で保存していると思っていたが、実際は移築だそう。明治村と一緒だ。確かに、塀は途中で途切れているし、広い網走の市内に対してあまりにも狭い台地なので、あまり監獄向きではないと思った。
外に出ると寒い。北海道を舐めて、冬用のコートを持ってこなかったのがすべての失敗である。持っているダウンとウインドブレーカーを駆使したが、じっくり観るだけの余裕はなかったが、ここに収監されると、この寒さより圧倒的に厳しい寒さが1年の半分はあると思うと絶望できる。(現在の網走刑務所はそんなことは無いらしい。展示にあった。)
昨夜の宿で忘れ物を回収し、網走刑務所の前にある刑務作業製品の売店に寄り、北海道立北方民族資料館に行き、オホーツク流氷館の上にある展望台に登って、モヨロ貝塚に行くという、網走の博物館全部回ることをした。
野付半島
網走を出発したあと、野付半島に向かった。
途中、海沿いの砂州によってできたラグーンの横を通って、2時間ほど北海道らしい道を走り、知床半島の付け根を横切って野付半島に入った。
野付半島は衛星写真で見てみると特徴的な砂嘴だが、実際に走ると、先程走った砂州とほぼ同じ印象で、右手に見える景色も湖なのか海なのかよくわからなくなった。
途中のネイチャーセンターに10分ほど寄って、トドマツや国後島を見て、引き換えすことにした。
根室市
日本の東西南北端のどこも行ったことないので、納沙布岬に行こうと思った。
カーナビに経路を入れると、今夜のチェック員時間を大幅に超えた。google mapによると間に合うようなので、途中で引き返すつもりで根室に向かった。
根室の市街地は特に寄ることもなく、納沙布に向かう。
納沙布岬の灯台はすぐ横まで車でアクセスができた。
車を降りると、寒い。風が強くてとにかく寒いので、灯台で1枚写真を撮り、四島のかけはしで1枚写真を撮り、トイレに行き、車の中から歯舞諸島を見た。
この日の夜ご飯は、日本で一番東にあるコンビニ(セイコーマート)でおにぎりを買い、宿に一番近いコンビニ(セイ略)でビールとポテサラを買った。
結果だが、この日がこの旅行で一番車での移動距離が長かった(google map によると417km)
3日目
道東三湖
せっかく、屈斜路湖の近くに泊まったので、屈斜路湖・摩周湖・阿寒湖を巡ってみることにした。
屈斜路湖は温泉に入りたかったが、朝イチだったので、砂湯に行くことにした。
砂湯は湖畔の砂浜から温泉が湧いているらしく、近くに行くと砂浜から湯気が出ていた。湖に手をつけてみても、冷たいと感じない程度にぬるい水で、北海道とは思えないくらいの水温だった。
車で摩周湖に向かう。
摩周湖は切り立ったカルデラの中にある湖でとても湖畔に近づくことはできない。第三展望台からカルデラを覗いた。子どもの頃に来た記憶はあるが、当時の記憶よりずっと大きく、ずっと深かった。
第一展望台のほうが、全体を見渡せるそうだが、駐車場で500円とられるので、パスすることにした。
最後、阿寒湖に向かう。
阿寒湖も子どものころ来た記憶はあるが、特に覚えていない。阿寒湖の温泉街の近くを歩いたが、3つの中でいちばん温泉街が充実している。(もっとも摩周湖には無いが)
ザ・観光地の温泉街を少し歩き、コンビニ(セ略)で昼ご飯を食べて釧路の市内に向かうことにした。
釧路市
釧路市はずっと行ってみたい場所の一つだった。中高生のころ、釧路コールマインという現在の日本で唯一稼働中の海底炭鉱がある街だからだ。
炭鉱の近くに行く前に、釧路湿原の近くにいった。博物館の屋上から、湿原を見渡し、湿原の上に作られた木道を歩くことにした。
日本の多くの平野ではこのような湿原は専ら水田として利用されているが、北海道は寒すぎて開発しきれなかったからか湿原として残っている。平らな土地に森林が日売ろがっているのも、本州ではほとんど見ることができない北海道ならではという感じがする。
(最近のニュースで釧路湿原でソーラーパネルがうんたらというのもあるけどね。)
次に、太平洋炭礦 炭鉱展示館に行った。ここに入ろうと思うと、建物には鍵がかかっており、どうやら向かいの体育館の隣にある葬儀場(?)の事務所に居るおじさんがリモートで管理をしている。
ゴールデンウイークの真っ只中ではあるが、名簿を観る限りこの日は僕が5人目のようだ。まあ、こんな小さな博物館と思って中に入った。
中に入ると、全体的に古さを感じる展示で、10分もあれば一周見れると思った。が、地下に続く階段がある。この階段を降りると、そこには炭鉱を模した機械が置いてあった。
かつて炭鉱の街であった宇部市出身の僕は、手彫りの炭鉱を模した石炭博物館は地元で行ったことがあるが、そことはまた違う機械化された炭鉱で見ていて面白かった。
最後に、釧路市立博物館に行き、宿にチェックインしてから泉屋のスパカツを食べて市内を散策した。この旅行で唯一、JRの釧路駅も見に行くなどした。
4日目
大樹町
ずっと「だいじゅ」と呼んでいたが「たいき」が正しいらしい。
MOMOロケットに関する展示があると知ったので、行くことにした。小さな博物館だが、MOMOロケットに関する展示や隣接するJAXAの気球を使った大気調査についての展示があった。
ここから20分くらい離れた旭浜に行くことにした。
ここは、第二次世界大戦のときに作られたトーチカが今でも残っている場所だ。狭い道を進んでいくと、海岸が開ける。海岸では釣りをしている人が数名と、トーチカを見に来ている人が数名。トーチカはぽつぽつと見える範囲で数個はあるが、歩きにくい砂浜なので、同じトーチカを見に来ているようだ。
幕別町
ナウマンゾウの博物館に行った。ナウマンゾウ自体は日本全国で出土しているが、津軽海峡を超えて出土したのが珍しい。そうだ。
上士幌町
タウシュベツ川橋梁を見に行きたいと思った。
鉄道記念館みたいなところがあるので、そこに行けば情報が手に入ると思い行くことにした。そこで、パンフレットを手に入れ、タウシュベツ川橋梁に向かうことにした。
このあたりに来てからずっと、スマホは圏外のままである。
タウシュベツ川橋梁を対岸から見れる展望台に行き、その後タウシュベツ川橋梁に向かう林道の林道の入口まで来た。
林道に入ろうと思うと、ゲートがある。
他の観光客っぽい人はゲートを超えて歩いているので、付いていくことにしたら、車で走っている人がいる。あ、ゲートは車で抜けれるのかと思い、ゲートまで引き返すと、そこでゲートは鍵で固定されており、開けれそうにない。日暮れも迫っている。ここから往復8kmくらい(google map が開けないので感覚値)歩くのは日が暮れそうで怖いので、今回は諦めることにして、ドライブをして宿に向かうことにした。
後でわかったことだが、事前に予約をして行けば車で行けたらしい。
この日の宿は夜に自家製の果実酒や、とれたての牛乳が飲めた。牛乳は新鮮で美味しいが、少し獣臭がして、苦手な人は苦手なんだろうなと思った。
5日目
池田町
最終日、池田町のワイン城に行った。ここは町営で町の産業としてワインを振興しているための施設らしい。お土産とかこつけて自分が飲みたいワインを買うことにした。
車で来たので、試飲ができないのが少し心残りではある。
隣にあるドリカムの衣装展示している資料館?にも行ってみた。こういった場所には珍しく、入場無料で所狭しと衣装が並べられていた。
帯広市
最後の町は帯広市。十勝地方の中心的な町である。
ビート博物館に行くことにした。
レンガ造りの博物館なので、古くからの建物をリノベしてを期待したが、実際は比較的新しい。サトウキビは何度もみたことがあるが、ビートは(レプリカだけど)初めて見た。
館長がワンオペで受付からガイドからしている。館長、丁寧なおじいちゃんながらかなりアツい方で、
茶色い砂糖(三温糖)が体に良いと選んでいる人が多いが、カラメル化しているだけで、実際の栄養はグラニュー糖や上白糖と変わらない。ということをアツく語られた。
恥ずかしながら、僕もその話は知らず、なんとなく白い砂糖に忌避感を持っていた。
最後に帯広競馬場に行くことにした。
これまで、競馬場の近く(自転車圏内)に住んでいたことはあるが、競馬場に行くのは初めてだ。
まず、豚丼を食べた。
豚丼を食べ終わったらちょうど1レース目が始まったので、レースを見てた。ばんえい競馬は映像を含めて初めて見たが、レース展開もゆっくりで駆け引きが分かりやすい。僕は一番うしろで山を登るのを諦めかけた馬を応援していた。
もう1レースを見て、レンタカー返却の時間が迫る新千歳空港に戻ることにした。
新千歳空港
新千歳空港はこれまで何度も来たことがあるが、未だに晩ごはんを何食べるかわからなくなる。今回は松尾ジンギスカンを食べたが、そもそもジンギスカンそんなに好きじゃないってジンギスカンを食べるたびに思い出している。
まとめ
道東5日間。長くもなく短くもなく丁度行きたいところに行けて良かった。北海道はもっと行きたい場所があるので、次は道北か、旭川〜富良野か、道南かどこかを選択したいと思う。あと、車中泊のグッズはもっと揃えたいと思った。
次の長期旅行は夏休みに。ではまた。