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【みんな騙された!】THE FIRST SLAM DUNKのヒロインは春子さんでも彩子さんでもない。(ネタバレ注意)

初代スラムダンクのヒロインは、
ゴリの妹である赤木春子であると私は
思う。

スラムダンクファンの中では未だに論争で
話題となる、春子さん、彩子さん
どちらがヒロインなの??

どちらも美人でしかないと思う。
大学のマネージャーと言ってもしっくりくるような
不思議な雰囲気を感じる

実はその答えは
エンディング『あなただけ見つめてる』
の映像で表現されている。

YouTubeの動画でも確認できるので、
是非見てもらいたい。

何と女性は、
赤木春子しか出てこないのだ。

サビではこちらの画像を含めた、
音ハメ4連発での春子さん推し。

とりあえず筆者である私は
映像と音楽が、心に刺さって、何度でも聞いてしまうくらいではあるが、ここからが本題となる。

どんな漫画でもドラマでも、

主人公が気になっている人、
もしくは好きな人が『ヒロイン』という設定。

これはもはや鉄則であろう。
見ている人間もわかりやすく、
物語に没頭しやすくなる。

そして今回の
THE FIRST SLAM DUNKの映画では
主人公がリョーチン事、
『宮城リョータ』に変更されている。
原作とアニメを知っていると、
リョーチンが追っかけていた女の子は、
湘北バスケ部マネージャーの『あやちゃん』である。
なので、世の中の先入観から
当然ヒロインは『彩子』だと思って見てしまう。
しかし、これは引っ掛けだ!
と3回目に見に行った時に私は気づいた。

CGで表現されたあやちゃん。
幼い頃はクルクルしてる魅力がわからなかったが、
今ならよく分かる(^^)とても良い。

結論は
今回のヒロインは
宮城リョータの母である
『宮城カオル』なのだ。
正直これがわかった時に、
色んな意味でやられた気分になった。
まずは固定観念で考えてはいけない事実なような
ものを感じた。

壮絶な人生を送っていて、
登場シーンが基本明るく無い。
エモい雰囲気を常に纏っているので、
全く気づかなかった。

今回の映画の中心は
紛れもなく、『宮城リョータの家族』
バスケを通して、ぎくしゃくしてしまった、
親子の絆が、亡き兄の目標であった
【最強山王】に挑み
見事に勝利をする事によって、
修復されるストーリー。

私はアニメ版と原作の宮城リョータは、
今回の映画ではパラレルワールドの人物だと解釈している。

井上先生がスラムダンクの
登場キャラクターに本当は設定したかった
裏事情等が他にもあったと思う。
それを、『ピアス』や『バカボンド』や『リアル』の経験を活かして、ふんだんに盛り込んできた
宮城リョータ。

『バスケだけが生きがいだった』
彼は全てが上手くいかず投げ出しそうになった時もあった。

沖縄でスタープレーヤーだった兄に憧れ
いつか『そーちゃんみたいになる』
残されたビデオのワンシーンにもあったが、
リョータが夢見て突っ走る姿は、
母も知っている。

なので、決してバスケを辞めろとは
言わなかった。
その代わり、母である宮城カオルは
心に蓋をして、小学生のバスケットをやっている、
リョータの記憶は止めている。
また、高校生になっているリョータを、
現実として捉えていない。
つまり、心と現実で【見ている】家族が別なのだ。

誰しもが、気づかなかった番宣の後ろ姿。
このワンカットもかなり重要。

そんな蓋をしていたカオルだが、
リョータ自身も母に対して蓋をしていた。

しかし、雪解けというか、
きっかけを作ったのが
何と、以外な事にリョータの妹である、
宮城アンナだ。

誕生日を祝っている。
ソータはいないがケーキが置いてある。
物心ついて理解したんだろう。

幼い頃は
父と兄が亡くなった事自体がわからなかった
妹は、いつしか、誰からか教わる事もなく、
2人の死を受け止めている。

インターハイで広島に発つ前日の食卓で
『そーちゃんはいくつになった?』
という質問にリョータが答えた後、
【生きてたらね】
とアンナは答える。
カオルとリョータはビクッとする。
おそらく今まで教えてなかったからであろう。

宮城アンナは天真爛漫な女の子であるが、
宮城家の救世主だと思う。

この出来事から、
カオルの心の時計は一気に動き出す。
リョータの誕生日をお祝いした一言を言った後の玄関先を見ると、一瞬兄宮城ソータの幻影が現れる。

そして、昔のビデオを
暗い部屋で1人見返す。
時が流れてだいぶ経っていることを
受け止め始める。

そして、
リョータが母に書いた
『母上様』の手紙を読み、
年齢だけではなく、高校生のバスケットで、
全国大会に出るまでの選手になっている事を
心で感じ取る。

おそらく、
映画の中で、相手が強くて、
立ち向かう事ができなかった、小学生の頃の試合を最後に試合観戦はしなかったのだろう。
どうしても兄ソータと比較してしまう所も含めて。
しかし、リョータが全国大会で戦う相手は
兄がかつて目標にしていた、【最強山王】だ。

伝家の宝刀ゾーンプレス
フル出場で尚且つ、このプレッシャーを
かけられるリョータ。

いつしか、
全国で活躍するガードの1人となっていて、
そこにはかつて、泣いて倒れてしまっている
面影はない。
1人で立ち上がり、ここまでやってきた。
短い高校生活。
最強と戦えるチャンスは、これが最後かもしれない。
そして、最後の正念場。
成長したリョータに信じた見つめ前のめりに
声をかける。
「いけっ!」
2回目の声掛けで
彩子にバトンタッチし
体育館中に響く声で
「いけっ!リョータ!」

ドリブルこそチビの生きる道なんだよ。
で見事に突破!!
目頭が熱くなる兄を超えたプレーヤー。

そこには
かつてのリョータはいなく、
地道な努力で、這い上がり成長した、
バスケット選手となった息子がいた。

そして、
山王戦に勝利し、
全国大会を終え、湘南の海に帰ってきた
リョータに聞く?
「山王ってどうだった?」
試合に観に行った事を告げないのだ。
リョータからは
「強かった」
と返ってくる。

恥ずかしくて抱きしめる事が
出来ない息子の肩を揺らしてから、
聞く不思議な言葉
「背伸びた?」

ようやく心の中の時間と
現実の時間が、
母カオルの中でリンクした瞬間だったのだ。

以上の事から
今回のヒロインは
宮城リョータの母
宮城カオルであると私は推測する。

これからの時代、
常識的な観点を切り崩した視点にいると、
世界観が一気に広がるのではないかとも
考えさせられた。

何回見ても
新しい発見や、考察ができる
名作を理解して出会えた事に
本当に感謝でしかない。