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好きなところを書いてたのに嫌いなところの話になっちゃった。

彼のどこが好き?と聞かれたらこう言う。

よく紅茶を淹れてくれるんだけどね、アメリカ土産のポップなやつじゃなくて、白くて可愛いらしい綺麗な陶器のマグを私に渡してくれるところ。

私は白のワンピースが似合うわけでも、霞草が好きです。なんて嘘でも言えない性格をしている。それでも彼は真っ黒のワンピースを着て美術館に行く私に「今日の美術館で全身黒なんて君だけだねっ!」と嬉しそうに言う、そんなところ。

初めて彼の家にお花を買って帰った日、私は薄い青のデルフィニウムを選んだ。ラテン語でイルカが元になっていることや、花瓶のない彼の家を考えると、デルフィニウムはプラカップでも似合う気がしたからだ。
とても気に入ったらしく、それから彼の好きな花はデルフィニウムだと公言している。プラカップでも似合うと思って。なんて彼には伝えなかったのに、グラスでも、空き瓶でもなくプラカップを引っ張り出してきて生けた彼に笑ってしまった。
そんなところ。

デルフィニウム
私がバイトに行った後に送ってくれた写真。


だけど、一つ嫌いなところを挙げるとするならば、人が自分から離れていくことに悲しくもなんともないと言う顔をするところ。いなくなる人に行かないでと言う権利が自分になくて、いなくなるのは自分のせいだと思っているところ。

そんなところが嫌いだ。私と別れた後も一瞬、私に頼ること、好きと言うことをやめた彼。私が離れていくだろうと思ってるな。と感じた。

舐めるな。と思った。

だけど、別れた直後、彼のお母さんと連絡をとっている中で、
「別れても連絡は取っていきたいし、さよならはしたくないんだ、今までと変わらずってわけじゃないけど、変わらずいたい」と言ってるよと教えてくれた。

馬鹿じゃないの?と思った。

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