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過去との対話

私がPCでやってきたことは、私の記憶を補完する外部記憶装置として利用し、圧倒的に記録し、それを自在に取り出すということです。

人生のかなりの時間を会社の仕事に費やしているわけですから、無意な時間にはしたくない。私が就いた仕事が、過去の履歴、事例を参照する機会が多かったことと、入った会社が、営業日報、月報と、文章を書かせるのが趣味だったことで、私は日々を詳細に記録し始めました。

grepというツールで、ある言葉を含むセンテンスを抽出できることを知って、ひとつながりの改行を入れないセンテンスにすることで、テキストデータベースとして利用出来ると思い付きました。

それをやり始めて気づいたのは、人の記憶がいかに曖昧かということです。「この前のゴールデンウィーク前に…」が一年前だったりします。私は記録でしゃべるので、それを修正出来てしまいます。周囲と違和感が生まれることになりました。

悔しいのは、記録したと思ったことが見つからない時です。いくら詳細に記録したとしても、全てを記述することは不可能です。

しかしgrep検索をやり続ける中で、何を記録するかの精度が増していきます。私がやっていることを伝授することは可能ですが、その熟練度は伝授出来ません。

営業報告を義務付けておきながら、「過去は役に立たない」と平気で言う経営陣がいます。あるいは私の日報は専門用語が多く文章が長過ぎて、読む気が起きない、と言われます。

日報を課して報告を強制したい上司に向かってではなく、未来の自分に、あるいは、未来の後継者のために、年間40万字以上を書き続けました。

私はHP200LXのVZEditorで書き、Consoleに下りてバッチファイルでwgrepを動かします。日報ファイルは会社の共有ドライブに置いていますが、上記をやるのは少し敷居が高いです。

65歳を迎える少し前に、会社のシステム担当が、ものの1〜2時間で抽出ツールを作ってくれました。これで私の記録資産が引き継がれると思うと一安心です。

が、私のように記録する後継者が現れるかどうかは、また別問題です。検索、抽出が簡単に出来ると知ったら、何をどう記録するかに変化が起こることを私は期待しています。

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