腐るお金
通貨が保有している年月とともに減ったり、維持するために費用が必要だとしたら、早く使おうとして経済が活性化する。
西野亮廣のえんとつ町では、エルという劣化する通貨が流通していた。
現実世界でもそのような実験がなされたことがあることを今日初めて知った。
世界大恐慌下のオーストラリアのベルクルで、一定の時間が経過すると、お金を払ってスタンプを押してもらわないと、お金の価値が無くなるという腐る通貨が発行された。
人々はお金を払ってスタンプを押してもらうのは嫌だから、どんどんお金を使い、経済は活性化された。世界が大恐慌に陥っている中で経済が好転し、ベルグルの奇跡と呼ばれた(1932-33)。
紙の紙幣ならスタンプというアナログな方法が用いられれたが、デジタル貨幣が完全に普及し、株式や不動産といった資産を除く現金が、年間に1割以上、消費に使われないと、1割に満たない現金が消えてしまうというのはいかがだろうか?
年収3千万円くらいあっても、年間の消費に300万円以上は使うだろうから、持ち金は減らない。1億円ならどうだろうか?10億円なら?
株や不動産に投資しても、いつかは現金化する必要があり、その収益の1割以上を消費に回さないと消えてしまう。これは課税ではなく、お金を消滅させる、腐らせる制度です。
もちろん現金化した資産はすぐにまた投資に回せば手持ちの現金は増えないのでお金は腐らないが、消費しなければお金を持っている意味がない。
お金が腐る期日が、年末や3月末としてしまうと、消費が喚起される時期が特定されてしまうので、個人の誕生日にする。そうすれば、年中、消費される。
現実問題として、個人の手持ちの現金を掌握できるか?どうやって消滅させるか?という課題はあるが、完全なデジタル通貨、マイナンバーによる国民総背番号制が実現すれば、あながち不可能ではあるまい。
現金消滅を免れる方策として、そのお金を寄付に回すことができることにすれば、優しい世界が実現すると思うのだが、いかがでしょうか。